WEC Fuji

激戦のLMP2、WECでは今年で見納め。ピエトロ・フィッティパルディは来季のハイパーカー挑戦も視野

WEC富士でLMP2クラスの予選4番手となったピエトロ・フィッティパルディ(JOTA)は、来季のハイパーカー挑戦を視野に入れていると語った。

#28 Jota Oreca 07 - Gibson: David Heinemeier Hansson, Pietro Fittipaldi, Oliver Rasmussen

 WEC富士6時間レースの予選でLMP2クラス4番手となったJOTA28号車のピエトロ・フィッティパルディは、ル・マン24時間レースを除いてWECではLMP2クラスが廃止される来シーズンは、ハイパーカークラスへの挑戦を目指しているという。

 前戦モンツァでは、ポール・トゥ・ウィンでLMP2クラスを制したJOTAの28号車。富士でもその勢いを維持し、走行初日のFP1ではクラストップ、FP2では2番手と上位に食い込んだ。

 予選日の富士スピードウェイは雨が降ったり止んだりと難しい天候に見舞われた。LMP2クラスの予選は、一部ウエットタイヤでコースインしたマシンもいたが、結局はダンプコンディションの中でスリックタイヤを使ってのアタック合戦となった。

「予選は4番手で良かったけど、もっと上を狙っていた」

 28号車のアタックを担当したフィッティパルディは、そう予選を振り返った。

「本当にトリッキーなコンディションだったよ。ちゃんとしたドライのセッションがなくて、雨が降ったり止んだり、また降ったり……そういうことを踏まえると、まずまずの予選だった」

「スリックタイヤでコースインしたけど、ある意味僕はそういう状況に適応することがドライビングの醍醐味だと思っているし、予選よりFP3の方がもっと濡れていた。そんな中でスリックタイヤで出るとアドレナリンが出るんだ。クルマがスライドする中でいかにタイヤの温度を上げていくかというところで、自分としては楽しめたよ」

 フィッティパルディは富士スピードウェイについて、天候の変化も含めて挑戦しがいのあるコースだと評価した。

「富士は本当にチャレンジングだね。色々なキャラクターを持っているから、マシンのセットアップを完璧にするのはとても難しいんだ」

「コンディションも様々だったからドライバーとして適応するのは大変だった」

 LMP2クラスは、全チームがオレカ製のマシンを投入しており、グッドイヤーのタイヤも含めて実質ワンメイク状態だ。その上、サステナビリティ向上への取り組みとして、スリックタイヤ、ウエットタイヤのコンパウンドはそれぞれ1種類となっている。

 こうした状況についてフィッティパルディは、マシンのセットアップやドライビングに集中できるというメリットがあると話す。

「ひとつのコンパウンドでレースをするから、ある意味でシンプルになる。だからこそ今日のような日はいかにタイヤから最大限のパフォーマンスを引き出せるかが重要になる」

「セットアップの変更やドライビングを変える時にも、タイヤがとても安定しているということが役に立つんだ」

「このトラックではこのタイヤが速い遅いということもないし、ドライビングとセットアップの改善に集中できる」

 決勝レースはどんなコンディションを望むかという質問にジョークを交えながら、フィッティパルディはレースへの意気込みを次のように語った。

「モンツァで勝った勢いもあるし、4番手からのスタートだけど耐久レースはいかにクリーンに安定したドライビングができるかが勝負どころだから、とにかく良いスタートを切って最大限のパフォーマンスを発揮して、結果を残したいと思う」

「ドライもウエットもちょっとずつがいいな。タイヤコンパウンドがドライとウエットのふたつあるから、せっかくだしね(笑)」

 イコールコンディションで激戦が繰り広げられてきたLMP2クラスだが、ハイパーカークラスのエントリー台数が増加する影響を受けて、来季ル・マン24時間を除いたWECのレースから姿を消すことになる。

 JOTAがハイパーカークラスでポルシェ963のカスタマーカーを走らせていることもあり、フィッティパルディは来季のハイパーカークラス挑戦を目指しているという。

「僕にとっては大きなチャンスが来るんじゃないかと思っている。今(JOTAの)ハイパーカーは1台だけど、来季は2台になる可能性があると聞いているし、僕のキャリアにとってそのレベルでレースができれば素晴らしいことだ」

「JOTAはLMP2でも速くて、前戦モンツァでは勝ったし、予選でもかなり速さを見せているんだ。来年何が起こるかは分からないけど、準備はできているよ」

 

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