F1オーストリア予選:フェルスタッペン、”刺客”ノリスを僅差で下し3連続PP。角田裕毅は自己ベスト7番手
F1第9戦オーストリアGPの予選が行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジション。アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は7番手となった。
Max Verstappen, Red Bull Racing RB16B
Alessio Morgese
F1第9戦オーストリアGPの予選が行なわれ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが3戦連続となるポールポジションを獲得した。
前戦シュタイアーマルクGPと同じくレッドブル・リンクでの開催となる今回のレース。路面温度51度という灼熱のドライコンディションで、1週間前よりも1段階柔らかくなったタイヤをいかに使いこなすのかが問われる予選がスタートした。
18分間の予選Q1前半、アルファタウリとアストンマーチンのマシンはミディアムタイヤを使用して走行開始した。まずはフェルスタッペンが1分4秒249をマークしトップ。メルセデス勢がそれに続いたが、少しタイミングをずらしてアタックしたランド・ノリス(マクラーレン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がそれぞれ2番手、3番手に飛び込んだ。
残り時間3分を切ると、1発目のアタックがトラックリミット違反で不発となったピエール・ガスリー(アルファタウリ)を含め、多くのマシンがコースイン。Q2進出を目指してアタックに入った。各車がタイムアップしていくが、キミ・ライコネン(アルファロメオ)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)、ミック・シューマッハー(ハース)、ニキータ・マゼピン(ハース)がノックアウト圏内から脱出できず、予選を終えた。
タイム結果を見ると、7番手のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)から16番手のライコネンまで0.227秒差という僅差のQ1となった。
今回のソフトタイヤはピレリのドライタイヤの中で最も柔らかいC5コンパウンド。決勝ではかなり使いにくいタイヤになると予想される。それだけに、上位グリッドのスタートタイヤが決まる15分間のQ2はタイヤ選択が注目されたが、真っ先にコースインしたセルジオ・ペレス(レッドブル)はミディアムタイヤをチョイスした。
ペレスが1分4秒554をマークしピットに戻ってきても、他のマシンはコースインせず。しかし残り時間が10分を切ろうかというころに各車続々とコースイン。レッドブルやメルセデス勢の他、フェラーリやマクラーレンもミディアムタイヤでアタックへ向かった。
トップタイムをマークしたのは1分4秒208を叩き出したフェルスタッペン。ノリスと2セット目のミディアムタイヤでアタックしたペレスが0.275秒差の同タイムで続いた。一方、フェラーリの2台はQ2敗退圏内。アロンソやダニエル・リカルド(マクラーレン)もトップ10に入れなかった。
それでもセッション後半、フェラーリ勢は2セット目もミディアムタイヤでコースイン。9番手につけるジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)はソフトからミディアムタイヤに履き替え、念願のQ3進出を目指した。
5番手にいたバルテリ・ボッタス(メルセデス)が一時Q2敗退圏内に落ちるほどの大接戦の中、ラッセルはミディアムタイヤでタイム更新。10番手タイムを叩き出し、ウイリアムズでの初Q3進出を果たした。
10番手とカットライン上にいた角田裕毅(アルファタウリ)は、最終的に8番手までポジションアップ。3度目のQ3進出を果たした。
0.006秒差でQ3に進めなかったのはカルロス・サインツJr.。シャルル・ルクレールも12番手に終わっており、フェラーリは2台がQ2敗退となった。リカルド、アロンソ、ジョビナッツィもQ2敗退。特にアロンソは、ラストアタックでセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)にセクター3で前を塞がれてしまい、怒りを爆発させた。
結果的に、ミディアムタイヤでQ2を突破したのはレッドブルとメルセデスの4台の他、ノリス、ラッセルの6台だ。アルファロメオの2台とアストンマーチンの2台は、ソフトタイヤでのスタートだ。
駆け引きなし、全力のタイムアタック合戦となる12分間のQ3。フェルスタッペンはセクター1とセクター3で全体ベストを叩き出し、1分3秒720をマーク。さらに1分3秒958でノリスが続いた。ハミルトン、ボッタスがそれに続いた。
角田やチームメイトのピエール・ガスリー、ランス・ストロール(アストンマーチン)は持ちタイヤの関係でユーズドタイヤでのアタック。ラッセルは1アタックに賭けた。
残り時間が3分を切ると、フェルスタッペンを先頭に各車続々とコースイン。最後のアタックへと向かった。ここで見事なアタックを見せたのがノリス。フェルスタッペンがタイムを縮められない中で、セクター1で全体ベストをマークし、1分3秒768までタイムアップしたのだ。
しかしノリスはわずか0.048秒届かず、フェルスタッペンが3戦連続のポールポジションを記録した。ただ、ノリスはフロントロウを獲得。今や絶対王者となったハミルトンがチームを去って以来初めて、グリッド1列目に返り咲いた。
3番手にはペレスが飛び込み、メルセデスはハミルトンが4番手、ボッタスが5番手。タイトル争いを繰り広げるレッドブル2台に先行されただけでなく、ノリスの後塵をも拝するという振るわない結果となった。
アルファタウリ勢はガスリーが6番手、角田が7番手と2台揃って好位置を確保した。角田にとっては、アゼルバイジャンGPでの8番手を上回る予選自己ベストリザルトだ。ラッセルはストロールを上回り、9番手となっている。
順位 | ドライバー | タイム | 差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|
1 | マックス フェルスタッペン | 1'03.720 | 243.954 | |
2 | ランド ノリス | 1'03.768 | 0.048 | 243.771 |
3 | セルジオ ペレス | 1'03.990 | 0.270 | 242.925 |
4 | ルイス ハミルトン | 1'04.014 | 0.294 | 242.834 |
5 | バルテリ ボッタス | 1'04.049 | 0.329 | 242.701 |
6 | ピエール ガスリー | 1'04.107 | 0.387 | 242.482 |
7 | 角田 裕毅 | 1'04.273 | 0.553 | 241.855 |
8 | セバスチャン ベッテル | 1'04.570 | 0.850 | 240.743 |
9 | ジョージ ラッセル | 1'04.591 | 0.871 | 240.665 |
10 | ランス ストロール | 1'04.618 | 0.898 | 240.564 |
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