ポルシェ、フォーミュラEのバッテリー開発”解禁”を熱望。コスト面が最大のハードルか

ポルシェは、フォーミュラEとバッテリー開発の解禁を協議しているようだ。

ポルシェ、フォーミュラEのバッテリー開発”解禁”を熱望。コスト面が最大のハードルか

 ポルシェは、これまで許可されていないバッテリー開発の解禁をフォーミュラEに求めているようだ。

 フォーミュラEが発足して以来、電気自動車技術の肝であるバッテリーは開発が許可されておらず、標準仕様のバッテリーが各チームに供給されてきた。

 第2世代マシンはマクラーレン・アプライド・テクノロジー製のバッテリーを使用。2022-23年シーズンに導入される第3世代マシンは、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングのバッテリーが使用される予定だ。

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 世界中の自動車メーカーが電気自動車(EV)へのシフトを急いでいる中で、航続距離やコストの問題を解決できる次世代電池の開発は急務となっている。それだけに、フォーミュラEでバッテリーの開発を解禁することは、自動車メーカーにとっても魅力的な要素となるはずだ。

 しかしそうなると、開発費用が急激に増加するのは間違いないだろう。すでにフォーミュラEは参戦費用が上昇してきており、予算制限の導入を目指しているため、バッテリー開発解禁の可能性は低いと見られてきた。

 ポルシェのモータースポーツ責任者であるトーマス・ラウデンバッハは、厳しい制限を設けた上で、その範囲内でのバッテリー開発を許可するという、折衷案を提案した。

 motorsport.comからフォーミュラEの今後の技術規制について尋ねられたラウデンバッハは、次のように答えた。

「コストの関係で、彼ら(フォーミュラE)はバッテリー(開発)をマニュファクチャラーに開放したくなかったのだろう。我々はそれを受け入れざるを得ない」

「裏を返せば、バッテリーは今後注目すべきモノだ。我々はすでに話し合いをしている」

「コントロールされた方法であっても、何らかの形でバッテリーの開発をマニュファクチャラーに開放してほしい」

「フリーにするのは適切な方法ではない。我々は誰かが大金を使うことを望んでいない。(自動車メーカー系チームは)市販車部門をパートナーにして、そこで全てをやってもらうことができる。小さなチームは太刀打ちできずに殺されてしまうだろう」

 ラウデンバッハは、バッテリーのセルを標準化し、一定の境界条件を設けてその他の部分は開発を許可することを提案した。

 バッテリー開発の自由度をめぐる議論は、自動車メーカーにとってフォーミュラEが開発の場としてどのような位置づけになるのかを大きく左右することになる。

 フォーミュラEからの撤退を決めたメルセデスやBMW、アウディは特にこの点を疑問視していた。BMWは撤退を発表した際、「フォーミュラEの競争環境下での技術開発の機会を本質的に使い果たした」と声明で述べている。

 パワートレインの効率は控えめに見てもすでに90%であるため、フォーミュラEにとって今後最も開発の余地があるのはバッテリーであると言える。

 ラウデンバッハは「我々はコントロールされた方法で、バッテリー開発の自由が与えられることを望んでいる」と付け加えた。

「フォーミュラEの組織を非難しているわけではない。難しいことなんだ」

「我々は彼らと話をしている。そして私は、実現すると思っている」

 フォーミュラEの共同創設者であるアレハンドロ・アガグは、規制の緩和について次のように語っている。

「自由は悲しいかな、お金に等しいんだ」

「自由を与えれば与えるほど、チームはより多くのお金を使わなければならなくなり、少し経つとお金が足りなくなって選手権から去っていくんだ」

 
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