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バイクを見に行っただけなのに…100年超える歴史の厚さに殴られる『スズキ歴史館』を見る

2022年シーズンまでMotoGPへ参戦していたスズキ。静岡県・浜松市に本社を構える彼らだが、同地には創業100周年を超える歴史をギュッと凝縮したスズキ歴史館という企業博物館があることをご存知だろうか。

スズキ歴史館

 Motorsport.comを購読して頂いている読者の方々にとっては、スズキ株式会社といえば、MotoGPやEWCといったバイクレースの印象が強いだろう。

 今回紹介するのは、そのスズキ本社に併設されている企業博物館である「スズキ歴史館」だ。

 自動車メーカーの博物館といえば、MotoGPも開催されるモビリティリゾートもてぎと併設されているホンダの「Honda Collection Hall」を思い出す人も多いだろう。バイクメーカーとしてはヤマハも「ヤマハ・コミュニケーションプラザ」として用意があり、スズキもその例に漏れずそうした施設を用意している。

 スズキ歴史館がホンダやヤマハの施設と大きくことなっているのは、その施設の特性だろう。歴史館と冠しているだけあって、この施設ではスズキの創業期から現在に至るまでの歴史を重視した展示が行なわれている。

 3つのフロアで構成されている歴史館は、1Fが受付とグッズ販売・展示/2Fがクルマの設計や製造過程の展示/3Fがスズキ創業期から現代までの歴史を辿る展示という構成となっている。

 1909年に鈴木式織機製作所として設立されたスズキ。織機産業で精密加工技術などを培った同社が、時代を経て二輪・四輪の自動車産業へ踏み出していくことになる。

スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
8

 モータースポーツを扱っているだけに、筆者も当然バイク関連の展示を楽しみに向かうわけだが、実は一番興味深かく感じたのはこのスズキの創業初期の織機メーカーとしての時代の展示だった。

 そもそも織機という機械は、近頃の人からすればあまり馴染みのないモノのハズだ。展示の行なわれている3Fに上ると、入り口で『A46 片側四挺杼織機』という大きな織機が迎えてくれる。まず、この時点で面食らってしまう。

 また初代社長の鈴木道雄が織機製作に乗り出した理由など、展示には解説音声つきの映像が要所要所で閲覧できるようになっているため、当時の状況などをより理解しやすくなっている。

 剥き出しの金属で構成された織機は、被服関連にあまり興味がなくとも、バイクが好きな人ならそのメカメカしさに惹かれるはずだ。バイクやクルマを見に行ったはずが、一連のスズキ創業期の織機メーカーとしての時期の展示には、予想以上の時間を割いて解説文を読みふけってしまった。

■二輪・四輪産業への乗り出しと発展の速さに驚く

 あまり全ての内容を紹介しても、長大な記事となってしまうため、筆者のその他注目ポイントを紹介しよう。

 スズキは第二次大戦の終戦後から自動車産業への進出を開始していく。ただ、改めて驚かされるのはそのスピードだ。

 自転車にエンジンを取り付けた、いわゆる原動機付き型のスズキ初バイクとなる『パワーフリー号(36cc空冷2サイクル単気筒)』が完成したのは1952年。しかしそこからわずか2年後の1954年には、本格的な完成車となる『コレダCO(90cc4サイクル単気筒)』が完成されているのだ。

スズキ歴史館・パワーフリーE2
スズキ歴史館・コレダCO
スズキ歴史館
3

 しかもそうした二輪開発と並行し、四輪自動車の開発も行なわれていた。1955年には『スズライトSS』を発表し、四輪自動車メーカーとしての歩みもスタート。そこからは矢継ぎ早に二輪・四輪の新車を繰り出しており、当時のスズキの勢いをひしひしと感じられる。

 また、当然スズキといえばレース活動も大きな存在感を示しているが、マン島TTレースが大きく取り扱われている。1962年にエルンスト・デグナーがスズキ『RM62』を駆り、国際大会での初優勝を果たしたときの車両も展示されている。

スズキ歴史館・スズライトSS
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
スズキ歴史館
6

 何と言っても、3Fの展示で特徴的なのはそうした歴史的なクルマ・バイクが所狭しと並べられている点だろう。解説文も充実しているため、ひとつひとつ読み進めていくとかなりの時間を楽しめるはずだ。

 2Fのクルマの設計・生産工程の展示を経て1Fにたどり着くと、最後はロードレース世界選手権MotoGPに出場していたマシンがお出迎えしてくれる。

 2ストローク時代から現在の『GSX-RR』までのGPマシンが並べられているため、レースファンが最も興奮を覚えそうなコーナーとなっている。なお2022年12月下旬時点では、ジョアン・ミルが世界チャンピオンに輝いた2020年モデルのGSX-RRが飾られている。これも要チェックだ。

GSV-R
GSV-R
RGV-Γ500
スズキ歴史館
スズキ歴史館
GSX-RR
GSX-RR
7

 1Fではグッズ販売も行なわれており、ここでしか手に入らない限定グッズもある。ファンには有名な湯呑み(刷新版)はここスズキ歴史館での限定販売となっているため、”スズ菌”を自負するファンは一度足を運んでみるといいだろう。

 なお、スズキ歴史館の見学は予約制となっている。公式ホームページから、もしくは電話・FAXで予約を受け付けているため、訪問を考えている際にはいずれかの手段で予定を確認してほしい。


【施設情報】スズキ歴史館
公式サイト: https://www.suzuki-rekishikan.jp/
所在地:静岡県浜松市南区増楽町1301
開館時間:9:00〜16:30 
休館日:月曜日、年末年始、夏季休暇
料金:無料

 
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