BMW、2023年デビューLMDh車両搭載のエンジンを公開。F1経験値活かして効率化
BMWは2023年からデビュー予定のLMDhマシン用エンジンが、2017~2018年にかけてDTMで使用されていたツインターボV8エンジンをベースにしていると明らかにした。
写真:: BMW AG
BMWは、2023年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でデビュー予定のLMDh車両”BMW M Hybrid V8”の心臓部となるエンジン”P66/3”の情報を公開した。
2023年からIMSAの新しいGTPクラスに参戦し、キャデラックやポルシェ、アキュラ、ランボルギーニといった他メーカーのLMDh車両としのぎを削ることになるこのマシンは、既に6月の段階でその外観が発表されていたが、技術的な詳細に関しては公表されていなかった。
そんな中今回は、マシンの心臓部となるエンジンの新たな情報が公開された。ベースは2017~2018年にかけてDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で走っていたBMW M4 DTMの4.0リッターV型8気筒エンジン。これをツインターボ化し、標準ハイブリッドユニットを組み合わせたものが搭載される。
BMWはこのエンジンの設計において、2019年以降にDTMで使用された直列4気筒ターボエンジンや、IMSAやWECに参戦したM8 GTEのV型8気筒ターボエンジンもベースとして検討したという。しかし、それぞれ問題があったことを明かしている。
BMW M Hybrid V8, P66/3 engine
Photo by: BMW
BMW M モータースポーツのドライブトレイン設計主任のウルリッヒ・シュルツは、次のようにコメントしている。
「評価段階では、(2019年仕様の)BMW M4 DTMの4気筒ターボエンジンであるP48や、BMW M8 GTEのP63も(ベースとして)検討された」
「しかしP48の信頼性に関する潜在的な問題や、P63の重量の問題がネガティブな検討材料となった」
シュルツ曰く、LMDh車両のパワートレインは、ワンメイクのハイブリッドコンポーネントとエンジンの組み合わせになるため、2000~2009年にかけて参戦していたF1での経験が活用できたと語る。
「(F1の経験があった)おかげで、我々は時間と費用を節約することができ、効率的かつ持続可能なモノとなった」
「(プロジェクトの)開始から2023年1月のデイトナ24時間レースまでは非常に短い期間となっているため、効率的な開発を行なうことは非常に重要なファクターとなっている」
「自然吸気のP66/1エンジンをツインターボ化し、電動ドライブトレインのスタッフたちと協力して作業を行なった。ハイブリッドシステムを組み込むのは、非常に複雑な作業だったのだ」
このパワーユニットは、ダラーラとの共同開発となるBMW M Hybrid V8のシャシーに既に搭載され、始動テストも完了している。マシンは7月からダラーラ本社近郊にあるヴァイラノ・サーキットでテストを開始する予定で、初期のテストプログラムは全て欧州で行われることが分かっている。
BMWのLMDhプログラムは、インディカー・シリーズなどで活躍するレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングが運営することが既に発表されており、彼らはIMSAでのプログラムに焦点を合わせている。しかし、2024年にはWECにも参戦する可能性がある。
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