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欧州から来た逸材ジルテールがスーパーフォーミュラ初乗りテストで5番手。B-Maxの来季布陣はどうなる?「理想は野村との2台体制」

スーパーフォーミュラ公式テスト2日目に登場し、いきなりの5番手タイムをマークしたエヴァン・ジルテール。B-Max Racingの組田龍司総代表は、来シーズンのラインアップは野村勇斗とジルテールの2台体制とすることが理想系であると明かした。

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

写真:: JRP

 富士スピードウェイで行なわれているスーパーフォーミュラの公式テスト。インシーズンテストであるため、基本的にはレギュラードライバーが後半戦に向けた様々なトライをする場だが、非レギュラーの若手が大きなインパクトを残した。それがSan-Ei Gen with B-Maxから2日目午前セッションのみ参加し、5番手タイムをマークしたエヴァン・ジルテールだ。

 フランス出身、19歳のジルテールは今季、スーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)にB-Max Racingから参戦している。それまでは2023年のフランスF4と2025年のフォーミュラ・リージョナル中東選手権でチャンピオン、同年の欧州選手権でランキング5位と、ステップアップに足る実績を残していたが、資金難によりFIA F3参戦を断念。自身のキャリアを前に進めるため、日本に活路を見出した形だ。

 そのジルテールは前評判に違わず、SFライツではここまで3勝を記録してランキング3番手と、初めての日本でしっかりと結果を残している。そしてこの度、若手ドライバーがスーパーフォーミュラドライブのチャンスを得る場としても機能している12月の合同/ルーキーテストを待たずして、SF23初走行の機会を得た。

 B-Max Racingの組田龍司総代表は、チームとしては元々、富士テストでレギュラー以外のドライバーを起用して様々な確認をする予定であったと説明。そのドライバーがジルテールとなったのはSFライツでの彼のパフォーマンスを受けてのものだと語った。

「うちは1台しかクルマがないですから、後半戦に向けてクルマの状況を確認しておくためにも、レギュラー以外のドライバーに乗ってもらって、正しい方向に向かえているかの評価をしたいというのがひとつありました。ドライバーによっても、感じ方やコメントが違いますからね」と組田総代表。

「ですから今回エヴァンが乗らない場合でも、大津(弘樹)アドバイザーなど別のドライバーに乗っていただいて確認してもらうことは元々から希望していました」

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

写真: JRP

「そこにエヴァンを乗せることになったのは、やはりライツでうちのチームで走っていて彼の才能を感じていたこと、日本でも通用するドライバーだと思ったことが大きいですね。上位のカテゴリーがむしろ向いているんじゃないかと思うくらい、高速域のスピードセンスが高いです。それにフィードバックも非常に的確で、セットアップ能力もあるので、そこ(車両評価)の仕事も任せられるなと」

「そして海外ドライバーとの交渉という点で言えば、12月のルーキーテストに向けて動いていると遅いんですよね。その時には(欧州では)既に全部シートが決まってしまっていますから」

「我々はまだまだ中堅以下のチームですから、チームの将来、現状からの改善など様々な意味合いで、(ジルテールを)このタイミングで走らせることがベストだろうと思っていました」

 ジルテールはわずか2時間のセッションで周囲を驚かせた。セッション終盤に初めてニュータイヤを履き、トップからコンマ5秒遅れの5番手タイムをマーク。テストであるため決して全車がニュータイヤで予選想定アタックをしたわけではなく、この順位も参考程度に見ることしかできないが、それでも彼の非凡な才能を証明するには十分であった。

 組田総代表は、彼のこういったパフォーマンスは良い意味で想定通りだったと語る。

「予想通りではありましたが、やはり非凡な才能をこの短い時間で見せてくれましたね」

「走り出しから1分23秒台に入れて、状態の良くないタイヤでも他車と遜色ないタイムを出してトップ10にいましたから。確かに最後のアタックはニュータイヤを履いてない人もたくさんいらっしゃいましたが、純粋なタイムレンジだけ見ても、2時間前に初めて乗ったクルマでパッとここまで出せるだけでも評価できると思います」

「それに彼は初めて履いたニュータイヤですからね。同じ条件で何回か走れば、ドライバーのレベルを考えても、十分トップ10圏内で走れる力があることは示せたんじゃないかと思います」

理想は「野村×ジルテール」の2台体制

 ジルテールの人間性に関しても、「謙虚で研究熱心。日本人に好まれるタイプ」と評する組田総代表。今回テストで起用したことからも分かる通り、B-Maxが来季ジルテールをスーパーフォーミュラにステップアップさせたいと思っているのは決して秘密ではない。ただそこはジルテールサイドの意向次第という部分もあるだろう。

 ジルテールは現在、古巣であるARTグランプリと個人スポンサーによって参戦資金をサポートされているという。したがって、来季どのカテゴリーでレースをするかは、スポンサーの意向も大きく関わってくることは想像に難くない。

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

Evan Giltaire, San-Ei Gen with B-Max

写真: JRP

 特に海外勢にとっては、百戦錬磨のドライバーがひしめく日本のスーパーフォーミュラで苦戦して、いたずらに評価を落としてしまうことは避けたいと考えるはず。ただそういう意味では、今回のテストで好タイムを出したことで、海の向こうにいる人たちにもポジティブな話ができるだろう。組田総代表も「彼はこの後すぐに帰国するのですが、5番手という結果を持ち帰ることができるのは、来年の彼の活動にとってプラスだったと思っています」と述べた。

 ジルテールの来季参戦が叶った際に現在1台体制のB-Maxが2台体制に拡充するのかどうかも気になるところだが、組田総代表はチームの理想は野村とジルテールのコンビであると明かした。

 ジルテールがスーパーフォーミュラにステップアップする場合、B-MaxとARTのジョイントも継続されるのかと尋ねると、組田総代表はこう語った。

「そこはART次第でもありますし、ヨーロッパの彼の支援者がどのカテゴリーを選ぶか次第でもありますよね。彼らの中にスーパーフォーミュラという選択肢がある場合、僕たちが1台体制のままでそこに彼が来るのか、あるいは2台体制にして彼が乗れるチャンスを作るのか……」

「チームの一番の希望は野村くんをキープしたままで、エヴァンが来て、2台体制でやるのが理想系なので、あくまでそこを目指しての今後の活動になってきます」

 組田総代表が「10年にひとりの逸材」と評する野村は、既に3回の予選セカンドロウを記録するなど、その才能を存分に見せつけている。ジルテールとの若手有望株コンビが実現すれば、B-Maxはシリーズにおいても非常に面白い存在となるだろう。

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