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ホンダの“ドライバー育成メソッド”に変化アリ!:英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回のテーマは、ホンダの新たなドライバー育成方針について。

Ren Sato, TEAM GOH

写真:: Masahide Kamio

 2022年のスーパーフォーミュラ(SF)では久々に、F1への現実的な道筋が示されたドライバーが参戦することになります。それがTEAM GOHのルーキーであり、ホンダとレッドブルの育成ドライバーである20歳の佐藤蓮です。今年からレッドブルジュニアチームのメンバーに選ばれたと同時に、SFに参戦を果たしました。

 佐藤が20歳という若さで国内トップフォーミュラに登り詰めたのは、異例のスピードと言えるでしょう。SF昇格時の年齢で見ると、24歳で昇格した昨年のチャンピオンである野尻智紀、21歳で昇格して3度の王者に輝いた山本尚貴よりも若く、佐藤はスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)を1年で卒業してSFに登り詰めました。

Ren Sato, TEAM GOH

Ren Sato, TEAM GOH

Photo by: Masahide Kamio

 ただここまでの活躍を見ると、佐藤の昇格は正解だったように思わされます。デビュー戦の予選でいきなりフロントロウを獲得。決勝ではスタートに失敗し、接触により順位を落とす場面もありましたが、そこから挽回して9位フィニッシュ。第3戦鈴鹿でも難しいコンディションの中、15番手から追い上げて10位に入りました。

 もちろん、佐藤が今後ヨーロッパに再挑戦できるかどうかは、今季の残りレースでの活躍にかかっていますが、ホンダとレッドブルが彼に期待していることは明らかだと思います。

 また、佐藤連を育て上げたホンダの育成ドライバープログラムは、今季からプロセス全体が見直されました。

 これまでのやり方は至ってシンプルであり、かつドライでもありました。国内、もしくはヨーロッパのジュニアカテゴリーで若手にシートを与え、その成績を見守る。結果が良ければさらに昇格、一方、そうでなければ残留、もしくは次の若手ドライバーに席を譲る……とても単純なシステムでした。

 しかし、今年からホンダはより積極的なアプローチの仕方をとっています。それは、結果では説明できない“何か”によって、トップレベルの才能を逃してしまうことがないようにするためでもあるのです。

 例えば、育成ドライバーに関するフィードバックをこれまで以上に所属チームに求めるようになりました。それは速さの部分だけでなく、レースへの取り組み方、技術面の知識、場合によっては英語でのコミュニケーション力もです。これらの情報はドライバー昇格の判断材料になるだけではなく、今後ホンダの若手ドライバー育成プロジェクトにおける指導の質を向上させるためにも活用されます。鈴鹿サーキット・レーシングスクール=SRSから、ホンダ・レーシングスクール鈴鹿=HRSへの名称変更も、その育成プロジェクトにさらに力を注ぐことの表れでもあります。

 今季のホンダ育成ドライバーは5名。F2に岩佐歩夢、フランスF4に荒尾創大と野村勇斗が送り込まれており、国内ではSFライツに木村偉織と太田格之進が参戦しています。SFライツのふたりに関しては、それぞれの車両名に“HFDP”の名が入り、カラーリングに関しても、B-MAX RACING TEAMの木村車、TODA RACINGの太田車共にHFDPの象徴的なカラーであるトリコロールが入れられるなど、ホンダの若手育成への意気込みが感じられます。

Iori Kimura, B-MAX RACING TEAM
Kakunoshin Ohta, TODA RACING
2

 特にB-MAX RACINGがホンダの育成ドライバーを起用するのは初めて。昨年までは長らく、ホンダ育成に用意されたSFライツのシートはTODA RACINGのひとつしかなく、しかもTODA RACINGはTOM'Sらライバルチームを相手に苦戦を強いられていました。しかし、TODA RACINGが自社製エンジンからスピースエンジンにスイッチし、なおかつB-MAX RACINGにも育成ドライバーを派遣している今、ホンダにとっては若手をより正当に評価できる土壌が出来上がったように感じます。

 FIA F4に関しても、HFDPは3台体制を敷いています。昨年からの継続参戦となる小出峻に加え、昨年のSRSスカラシップ選考会のファイナリスト、三井優介と⻄村和真が参戦します。

HFDPからFIA F4に参戦する3人。左から三井優介、⻄村和真、小出峻

HFDPからFIA F4に参戦する3人。左から三井優介、⻄村和真、小出峻

Photo by: Motorsport.com / Japan

 もちろん、彼ら全員が将来のホンダワークスドライバーになれるかと言えばそうではないでしょう。ホンダにとっても難しい選択を迫られるのは間違いありません。しかし、今季から育成アプローチが見直されたことにより、彼らは仮に育成から外されることになったとしても、自分たちに何が足りなかったのか、何を改善しなければいけないのか、より詳細なフィードバックが与えられることになるようです。

 単に速いドライバーを選んで昇格させるだけではなく、昇格を逃したドライバーにもプロとして素晴らしいキャリアを歩んでいくチャンスを与える。それこそがホンダが目指していることであり、この取り組みは素晴らしいと言えるでしょう。

 
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