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F1、2027年のPU規則変更実現のため”レース短縮”も辞さぬ?「1~2周の短縮で現行シャシーが流用できるなら……」

2027年に向けたレギュレーション調整を実現するため、一部のレース距離が変更される可能性があるようだ。

Oscar Piastri, McLaren

 F1の統括団体であるFIAは、2027年のパワーユニット(PU)変更を承認させるための妥協案を練っており、その中には一部のレースの短縮も含まれる可能性がある。

 2026年の新しいPU規定は、パワー不足のマシンが多数発生し、レースに多くの望ましくない副作用をもたらすなど、欠陥だらけのスタートとなった。そのため、前戦マイアミGPを前にレギュレーションにテコ入れがなされ、予選でのエネルギーマネジメントやスタート時の安全性など、問題の一部を軽減するための対策が導入された。

 しかし、現在のレギュレーションを正しい方向に進めるためには、ハードウェアの変更が必要であるというパドックの共通認識があり、2027年に向けてそれは内燃機関(エンジン)と電気エネルギー(モーター)の出力比率を50:50から60:40にすることが検討されている。

 FIAは今月初め、F1関係者とPUメーカーの間で2027年までにこれらの変更を行なうことで「原則合意」が成立したと発表。主に燃料流量の増加とエネルギー消費量の削減によって実現を目指す案だったが、その計画は実務面および政治的障害によって失速している。

 アウディ、フェラーリ、ホンダはいずれもFIAの当初の提案に反対票を投じたことが知られており、ハードウェア変更を迅速に進めるために必要な特別多数の賛成には届かなかったのだ。

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 問題となっているのは、60:40の比率を”どのように”そして”いつ”実現するかという細部であり、そのため今週末のカナダGPパドックで追加協議が行なわれることになった。

 最大の障害は、提案されている変更そのものよりも”実施時期”にあるようだ。2027年型マシンの開発はすでにかなり進んでおり、燃料流量の増加、ひいては燃料タンク容量の拡大が必要になれば、複数チームは来季用シャシーの設計を変更せざるを得なくなる。多くのチームは、リソース節約のため2026年のシャシーを流用する計画を立てていたのだ。

 ハースF1代表の小松礼雄は、たとえ追加の予算枠が与えられたとしても、チームのコスト増につながるような動きには警鐘を鳴らした。

「FIAとFOKM(F1マネジメント)にチーム側の視点として聞いてほしいのは、コストについてです。このPUレギュレーションは、すでに非常に高額になっています。もしこれによって各チームに追加で500万~1000万ドルの負担が発生するなら、それは我々にとって正しい方向ではありません」

 現在浮上している妥協案では、FIAは2027年により段階的な変更を導入し、シャシー変更を強制しない方向を検討している。PUメーカーに対し、大規模なハードウェア変更なしに燃料流量増加が可能かどうか、またそれによってエネルギー消費の激しいサーキットでレース距離短縮が必要になるかを試算するよう求めている。

 試算によれば、その妥協案はカレンダー中4つ程度のサーキットでレース距離を1~2周短縮し、さらにグリッドへ向かうレコノサンスラップを1周に制限することで成立可能と理解されている。

 レーシングブルズのアラン・パルメイン代表は、「すでに話し合いを行ない、少なくともチーム代表レベルでは合意に達している」と語った。

「もし誰かが現行シャシーを流用したい場合、それで310kmのレースを走るにはタンク容量が不足するなら、必要不可欠な場合に限り、一部レースを1~2周短縮することを検討する。またグリッドへのラップも1周に制限する」

「つまり可能な限り最大のレース距離を維持する方向だが、その準備はすでに整っている」

 この解決策はシャシー面での当面の懸念を解消する一方で、PU側には依然として未解決問題が残る。それが、いわゆるADUO(追加開発・アップグレード機会)システムだ。これは性能が劣るPUメーカーに対し、V6エンジン改善のためのテスト機会と追加予算枠を与える”救済メカニズム”である。

 FIAはADUOとレギュレーション変更の議論を完全に切り離したい考えだが、物理的なハードウェア変更が必要になれば、既存のADUOシステムとどう干渉するのかは未知数だ。

 もうひとつの問題は人的リソースである。ADUOに基づくエンジン改良を担当する技術者たちは、同時に2027年に向けたハードウェア変更も実装しなければならない。そのため、フェラーリのようなメーカーはFIAの変更自体には賛成していても、実施は2028年まで延期する方が現実的だと考えているとみられている。

 カナダGPの木曜日、多くのドライバーは2027年に向けた変更案について、”完全な解決にはならないとしても正しい方向への一歩”だと語った。しかし、様々な政治的思惑が絡む中、彼らの願いが実現するかはまだ分からない。いずれにせよ、時間は刻々と過ぎており、さらなる遅れは意味ある変更をますます難しくしていく。

 ウイリアムズのカルロス・サインツJr.は、次のように語った。

「2027年に向けて非常に興味深い提案がある。僕は、それがこのスポーツが進むべき方向と完全に一致していると思う。不幸なことに、このスポーツではいつも通り政治が絡むし、主要メーカー間でそれぞれ異なる利害もある。彼らは自分たちにとって有利か不利かによって賛成したり反対したりする」

「だから僕がFIAとFOMにお願いしたいのは、自分たちが”スポーツにとって正しい”と信じるものに対して強くあってほしいということだ。たとえ投票が必要になっても、自分たちの信念を貫いてほしい」

 今季F1の”バッテリー主導のアンチレーシング”に幻滅しているマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、この変更が自身のF1残留への考え方にも影響すると語った。

 この変更が来季もF1に残る決断を後押しするかと問われると、フェルスタッペンは「うん、間違いなくね」と答えた。

「自分はただF1に良いプロダクトであってほしいだけなんだ。そして、この変更によってそのプロダクトは確実に改善されると思う」

「これによってプロダクトは良くなるだろう。つまり、自分もより満足できるし、それがF1を続けたいと思える理由なんだ」

「これは僕が最低限望んでいたものだと思うし、彼らがそうしようとしているのは本当に良いことだ。間違いなく、今のF1に必要なものだと思う」

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