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「地域の皆さんに応援していただける選手に」“綾瀬市住みドライバー”小出峻がチーム拠点への移住で手繰り寄せた国内最高峰レース参戦

今季からスーパーフォーミュラに参戦する小出峻。スーパーフォーミュラ・ライツに参戦していた昨年から所属チームのB-Max Racingの拠点がある神奈川県綾瀬市に移住し、ファクトリーに通い詰める日々だったと明かした。

小出峻

写真:: Motorsport.com / Japan

 今季のスーパーフォーミュラにB-Max Racing Teamから参戦する小出峻は、チームの拠点がある神奈川県綾瀬市の市役所で行なわれたイベントに出席。その中で、小出自身も地元大阪から綾瀬市に移住していたことが明らかにされた。

「綾瀬市は本当に過ごしやすい街だなと。空気も美味しく、人も温かくて本当に大好きな街ですし、すごく愛着が湧いています」

 集まったファンの前でそう語った小出。綾瀬市に住民票を移したのは、B-Maxからスーパーフォーミュラ・ライツ(SFライツ)に参戦した昨年の3月からだったという。

 2022年にFIA F4でチャンピオンを獲得、2023年にはSFライツでランキング3位に入った小出。一見すると順風満帆に見えるが、所属するホンダ育成プログラムは枠が少ない上に、後輩たちによる下のカテゴリーからの突き上げも激しく、少しでも結果が振るわないと育成枠から外されかねない環境とも言える。

 2023年は同世代のライバルで同じホンダ育成の木村偉織がSFライツでチャンピオンを獲得してスーパーフォーミュラにステップアップしていっただけに、小出としても翌2024年シーズンはチャンピオン必須、背水の陣の覚悟だった。

 綾瀬への移住も、その覚悟の表れのひとつであった。小出は次のように語る。

写真: Masahide Kamio

「自分としてはSFライツの2年目ということで、そこにかける思いはすごく強かったです。ここ(のチャンス)を逃したら、もう後はないだろうと思っていたので、なんとしても結果を残すために移住して頑張ろうと思い、こっちに来ました」

「特に僕はSFライツの1年目はTODA RACINGに所属していて、2年目にB-Maxに移籍しました。移籍1年目で結果を出さないといけないとなると、チームの皆さんとサーキットで会うだけではコミュニケーションの量が絶対的に少ないですから」

 チームのファクトリーから車で数分の場所に居を構えた小出は足繁くファクトリーを訪れ、エンジニアとコミュニケーションをとったり、シミュレータやトレーニングジムの設備を活用したりと研鑽を積んだ。

 そうした努力も実り、小出は見事2024年のSFライツ王者になり、2025年のスーパーフォーミュラデビューが叶った。チームを率いる組田龍司聡代表も、移住の選択は正解だったと感じている。

「それ(移住)は本当に結果に結びつきましたね。チームの エンジニアやメカニックたちとの絆が深まりました」

写真: Masahide Kamio

「やはりレースウィークにしか顔を合わせないとなると、気持ちのつながりも強固なものにならないですから。そういう意味では彼が綾瀬に来たのは良い選択だったと思いますよ」

 また小出自身も、ファクトリーでチームスタッフとコミュニケーションを密にとったことは強みになったと感じており、「やっぱり、他人に対して言いにくいことってあったりしますよね。そういうところも、それだけ(たくさん)コミュニケーションがとれているとすごく言いやすいです」と語った。

 小出はこれまでにも、佐藤琢磨のように求心力や人間力でチームを引っ張る人間になりたいと話していた。上記のエピソードからも、有言実行の人柄がうかがえる。

 1年早くB-Maxからスーパーフォーミュラに昇格した木村が1年でホンダ育成から外れたように、小出にとってもまだまだプレッシャーのかかる状況が続いていく。その点について彼は、こう力強く語った。

「昨年SFも見ていた中で、ドライビングやクルマの面でもう少しこうした方がいいかなと思う部分もありました。そういうところをチームと連携して改善できるよう今は取り組んでいます」

「本当にやれることはやったと言える体制で開幕戦に臨めると思います。環境を自分で作り上げて、その中で最大限のパフォーマンスを発揮していければ、自ずと結果はついてくるし、難しい状況でも今年1年を良い形で終えられるんじゃないかと思ってます」

 また、今や第二の故郷となった綾瀬の“顔”としての意気込みを尋ねると、小出は笑顔でこう語った。

「地域の皆さんに応援していただける選手であることももちろんですし、チームとしても応援されたいです」

「身近なところから応援されるということはモータースポーツのもっと大きな発展につながると思うので、僕自身も個人でしっかり発信したり、イベントだったりも僕個人でできるようにと思っています」

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