2年目を迎えた市販車モノコックベースのGAINER Z。規則変更により“ダイエット”が当面の課題に「できるだけ最低重量に持っていけるよう」
市販車のモノコックをベースとしたGT300車両を製作して話題を集めたGAINER。Z投入2年目となる今季の進捗と課題を聞いた。
#11 GAINER TANAX Z
写真:: Masahide Kamio
昨年、自社製作のフェアレディZをスーパーGT・GT300クラスに投入したGAINER。主流のパイプフレームではなく、市販車の量産モノコックをベースにしたオリジナルのGTA-GT300規定車両ということで、デビュー当初から注目を集めた1台だった。
GAINER Zのデビューは昨年の第2戦富士。当初はトラブルが続いたが、中盤戦以降は入賞の常連となり、最終的に入賞3回(最高位7位)でランキング17位(事実上の16位)という結果で1年目を終えた。
1年目からポテンシャルの片鱗を見せていたGAINER Zは今季ここまで、開幕戦岡山で11位、第2戦富士で14位という結果となっている。今年から入賞圏が15位まで拡大されたことでポイントを積み重ねてはいるが、上位のリザルトは手にできていない。
チーム代表でエンジニアの福田洋介氏によると、今季GT300クラスの車両重量に関する規則が変更されたことで、GAINER Zは最低重量に届いていないのだという。
写真: Masahide Kamio
昨シーズンのGT300クラスは通常のBoP重量に加え、速度抑制策としての追加重量が車種ごとに加えられていた。例えばGAINERが使うGT300既定の日産フェアレディZは基本の最低重量が1250kgで、そこにBoP重量50kg、追加重量50kgが加えられ、車両重量の実質的なミニマムは1350kgとなっていた(最終戦のみBoP重量が7kg減り1343kgに)。
しかしながら今季は速度抑制の重量増加がなくなり、追加分はBoP重量のみとなったため、車両は軽くなる方向となった。Zの最低重量は開幕戦で1300kg、第2戦で1290kg……ただ市販車モノコックベースという挑戦的なレーシングカーを走らせるGAINERにとって、車両の軽量化は道半ば。この変更がマイナスに働いてしまっている。
「昨年はとりあえず、つけたいものを全部つけるところまでを完成として取り組んでいました」と昨シーズンを振り返る福田代表は、こう続けた。
「昨年はスピード抑制のための重量追加で全車が重くなっていたので、Zもそこまでネガティブ面が目立ちにくかったのですが、今年になってそれがなくなり、今はBoP込みの最低重量には全然届きません。セルフBoPみたいな状況です(苦笑)」
「やはり市販モノコックを大部分で使っているので、重量的には他のJAF(GTA-GT300規定)車両と比べると下げにくい作りではあります。昨年の追加重量があった時は大きな問題になりませんでしたが、当時他のクルマがバラストを積んで重量を合わせていたところ、ウチはバラストなしでした。だから今年になって重量が軽くなっても、ウチには下ろせるものがないんです」
このように重量オーバーにより苦しい状況にあるGAINERは、サードダンパーを下ろすなどして少しでも重量を削減しようとしている。パフォーマンス面を考えると、当然コーナーダンパーだけでなく、前後のピッチングなどを制御するサードダンパーも欲しいところだが、福田代表曰く、「市販車シャシーということで、重心を考えてもそこまでシビアな姿勢制御をする必要もないので、メカニカルグリップに全振りすることにした」とのことだ。
「当面は、オーバーキャパで作った部品を削って削ぎ落として、できるだけ最低重量に近付けられるように取り組んでいきます」
リザルトの面では、「目標は優勝ですが、まずは表彰台を目指さないといけません」と福田代表。以前はその先の将来的な目標として、カスタマーチームへの車両販売も見据えていると語っていたが、車両規則が決まるタイミングがもう少し早くならないと予算編成などの関係から難しいだろうと困り顔であった。
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