登録

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本

スーパーGTもF1流に。「レースは多く、テストは少なく」のススメ:英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回はスーパーGTにおけるテスト日数について考える。

#8 ARTA MUGEN NSX-GT

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGTに参戦するチームやドライバーは今、忙しい時期を迎えています。4月の開幕戦に向けて、2月〜3月は2回の公式テストに加え、メーカー主催のプライベートテストが数多く実施されるからです。

 ただ、スーパーGTのように開幕前にこれほど多くの走行機会があるというのは、現代のモータースポーツでは珍しいケースとなっています。

 例えばインディカーだと、ルーキー以外は2日間のプレシーズンテストと冬のオープンテストデイ(2日間)しか走れません。F1も最終戦後に1日ポストシーズンテストを実施した後、年が明けてバーレーンで3日間のプレシーズンテストを実施するのみです。スーパーフォーミュラも、今オフのテスト機会は12月の合同/ルーキーテストと3月の合同テストの計4日のみです。

 その他メジャーカテゴリーでテストが多く行なわれるのはFIA世界耐久選手権(WEC)くらいかと思います。ただそのWECも、今後はテスト日数が削減される見込みです。

 もちろん、昔はそうではありませんでした。F1はかつて無尽蔵にテストを行なっていましたが、当時F1のトップだったバーニー・エクレストンはチームが非公開のテストに集中することを嫌っており、その代わりに多くのレースを開催することを望んでいました。

 2009年のF1は17レースでしたが、その数はエクレストンが実権を握った最後のシーズンである2016年には21レースまで膨れ上がっていました。同時に開幕前テストは4回から2回に減り、2021年には3日間のテスト1回まで減らされました。

 ただこの動きに対するパドックの反応は概ね肯定的なものとなっています。プレシーズンテストが15日間も16日間もあったような時代に戻そうという声はなく、むしろ2日間のテストで十分だという声すら聞かれます。

 そこで私は、スーパーGTもF1に倣う形でプレシーズンテストの日数を減らすのはどうか? と考えたのです。

 基本的に、パドックのドライバーやエンジニアにこの質問をすると、大抵こういう答えが返ってくるでしょう。「今の日数でも足りない。もっと準備期間が欲しい」と。ただ、スーパーGTは2009年に金曜フリー走行が、2017年に日曜フリー走行がコスト削減の名で撤廃されましたが、それでもチームやドライバーはそれに対応することができています。

 かつてはオフシーズン中にセパンで長期間のテストを実施できたスーパーGTですが、現在海外テストは禁止。国内で2日間(各日2時間×2セッション)のメーカーテストを3回行なうのが限度ですが、これに公式テストを加えると、オフのテストは5回(タイヤテストに参加するチームはそれ以上)ということになります。

 スーパーGTのシーズンが全8戦ということを考えると、テストが非常に大きな割合を占めていることが分かります。前年未勝利メーカーはさらに追加でタイヤテストが実施できるので、ヨコハマやダンロップを履くチームはなんとレースよりもテストに費やす日数の方が多いということになります。

 また多くのメーカーテストは一般に開放されてファンの入場も可能なケースが多いですが、基本的には平日開催で、事前に日程が公表されることもなく、ラップタイムなどの情報も公式には発表されません。よってこれらのテストはドライバーやチームにとっては有益だと思いますが、ファンやシリーズ全体のことを考えると果たしてどうなのか? と思わされます。

 つまるところ、私はこれからのスーパーGTは「レースは多く、テストは少なく」という在り方を目指すべきだと考えているのです。その方がファンの関心を集め、シリーズを盛り上げることができると思うからです。いきなりF1のようにするのは無茶なことだと承知していますが、段階的にその方な方向に進むことはできると思います。

 一例として、私の考えた案はこうです。

 3月の鈴鹿ファン感謝デーの前に行なうメーカーテストを準公式のシェイクダウンテストに変え、GT500全チームに参加を義務付け。そしてその模様をファンやメディアに公開する。その後の岡山テストを両クラス唯一の公式テストにして、3月下旬に富士テストを開催していた枠でレースを開催すれば、開催数も増やすことができますしシーズン開幕を早めることができます。

 そして鈴鹿でのシェイクダウン前には、2月にタイヤメーカーのプライベートテストを一部許可するような形として、12月と1月はテストを一切禁止するような形とすれば、チームスタッフも十分な休息がとれるのではないでしょうか。またシーズン中のテストも廃止とする代わりに、各レースの翌日をテスト日に充てれば、移動コストの削減にもなります。

 このような形でテストの日数を徐々に減らしていけば、最終的には年間10戦開催も可能になるのではないでしょうか?

 こういった策は、最初は反対意見が出るかもしれません。しかしF1がそうであったように、各チームは限られたテスト機会を有効に使う方法を学んでいくでしょう。そしてテストを減らしてレースが増えることでファンの関心も高まれば、なぜもっと早くそうしなかったのかという声があがっても不思議ではありません。

 
関連ニュース:

Be part of Motorsport community

Join the conversation
前の記事 【スーパーGT】今季から陣営のリザーブドライバーとなった藤波清斗について、日産に聞く
次の記事 スーパーGT、GT300クラスのカーボンニュートラル燃料導入を第3戦鈴鹿まで延期

Top Comments

コメントはまだありません。 最初のコメントを投稿しませんか?

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

Motorsport prime

Discover premium content
登録

エディション

日本