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コロナ前とは毛色が変わったGT300外国人ラインアップ。GT500昇格狙う若者多数|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動する英国人ニュースエディター、ジェイミー・クラインによるモータースポーツコラム。今回のテーマは、GT300クラスで再び増加する外国人ドライバーについて。

Zak O'Sullivan, #7 CARGUY Ferrari 296 GT3

Zak O'Sullivan, #7 CARGUY Ferrari 296 GT3

写真:: Masahide Kamio

 スーパーGTの新たなシーズンがいよいよ開幕します。今季印象的なことのひとつと言えるのが、GT300クラスに参戦する外国人ドライバーの多さです。

 先日、PONOS RACINGのリル・ワドゥーが急遽チームと契約解除したことがニュースとなりましたが、それでもGT300に年間エントリーしている外国籍ドライバーは6人います。

 CARGUY MKS RACINGのザック・オサリバン(イギリス)、D’station Racingのチャーリー・ファグ(イギリス)、VELOREXのロベルト・メリ(スペイン)、ANEST IWATA Racingのイゴール・オオムラ・フラガ(ブラジル)、KONDO RACINGのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ブラジル)、そしてaprのオリバー・ラスムッセン(デンマーク)……先日の富士テストにseven × seven Racingからエントリーし、いくつかのレースに参戦すると言われるハリー・キング(イギリス)も加えると、その数は7人となります。

 なお、デ・オリベイラはブラジルのストックカーレースとの日程重複により第2戦富士・第3戦セパンを欠場予定。ラスムッセンはスーパーフォーミュラでのクラッシュで胸椎を骨折したことにより岡山での開幕戦は出場できませんが、第4戦以降は上記のドライバーがGT300のグリッドに揃う見込みです。

 この外国人ドライバーの数は、GT300クラスとしては2019年以来最多で、当時は9人の非日本人ドライバーがいました。ただ、そのうち4人はX WorksやToyota Team Thailandといった海外チームに所属していることを踏まえると、日本のGT300チームがここまで多くの外国人を採用するのは久々と言えます。

 一方、GT500クラスの外国人ドライバー数は依然として非常に少ないです。今年はサッシャ・フェネストラズがカムバックしましたが、ロニー・クインタレッリが昨年限りで引退したため、その総数は変わらず。ベルトラン・バゲット、ジュリアーノ・アレジ、そしてフェネストラズの3人のみです。もし日産がフェネストラズとのフォーミュラEの契約を早期終了しなかった場合、GT500にはわずかふたりの外国人しかいなかったかもしれません。

サッシャ・フェネストラズ

サッシャ・フェネストラズ

写真: Masahide Kamio

 外国人ドライバーの数はコロナ禍の影響で大幅に減少したのは言うまでもありませんが、GT300では一時3人まで減った外国人ドライバーが7人まで増えたのに対し、GT500では依然として横ばいの状態が続いているのは興味深いです。

 また、GT300にいる外国人の顔ぶれは、2010年代後半とは様変わりしています。当時はリチャード・ライアンやビヨン・ビルドハイムといった、GT500から降格してきたベテランや、スヴェン・ミューラーやマルコ・マペッリなどのGT3のスペシャリストが大半でした。

 今はGT3界の大物はいませんし、GT500経験者もデ・オリベイラただひとり。多くが20代前半〜中盤と若く、デ・オリベイラとF1経験者のメリ(34歳)を除けば、かなりフレッシュな顔ぶれです。

 2022年から日本で戦うメリは、日産からの関心も集め、2023年中頃にはGT500テストの打診も受けたと言われています。しかし実際にテストに参加したのはポルシェGT3ドライバーのアレッシオ・ピカリエロ。彼は同年12月にZ GT500を富士でテストしたものの、レース参戦には至りませんでした。

 現在メリはGT500昇格の可能性が低いことを冷静に受け入れており、F1パドックでは同郷のカルロス・サインツJr.の親しい相談役を務める傍ら、スーパーGTではTeam LeMansからエントリー名を新たにしたVELOREXをGT300のタイトル候補に押し上げることにやりがいを見出しています。

 では他の外国人ドライバーにGT500昇格のチャンスはあるのでしょうか? 簡潔に言うと『イエス』です。

フラガは関係者からの評価も高い

フラガは関係者からの評価も高い

写真: Masahide Kamio

 まず、最も可能性が高いのはフラガです。彼は今年NAKAJIMA RACINGからスーパーフォーミュラにデビューし、開幕から好成績を収めています。GT300ではANEST IWATA Racingでレクサスをドライブしているとはいえ、メーカーの縛りのない独立系ドライバー。GT500へはスーパーフォーミュラでの繋がりを考えると、ホンダ系のNAKAJIMA RACINGからの昇格を狙うのが最も考えうるシナリオではないでしょうか。

 そうなった場合、ホンダ・レーシング(HRC)と契約してベテランの伊沢拓也からシートを奪う形となるか、それとも大草りきと入れ替わりとなるか……。いずれにしても、ホンダ育成の若手・小出峻が既に今年Astemo REAL RACINGからGT500デビューを果たしている点からも、フラガにとってのGT500ホンダ入りの大きな障壁はクリアされていると言えます。

 オサリバンとラスムッセンはスーパーフォーミュラの参戦チームからも分かる通り、トヨタとの関係が強いドライバー。彼らもGT300での成績次第ではGT500昇格候補になり得ると考えるのが妥当ですが、とはいえGT500のリザーブドライバーである小高一斗が昇格の最有力であり、平良響も年初にセパンでGRスープラの初ドライブを経験するなど、ライバルは多いです。

 そのためオサリバンやラスムッセンの早期昇格(つまり2026年の昇格)は難しいでしょうが、2027年以降にはチャンスが巡ってくるかもしれません。

 一方、D'station Racingのファグには三大メーカー(トヨタ・ホンダ・日産)との明確なつながりはありません。しかしチームのスーパーバイザーである田中哲也氏は元日産GT500ドライバーであり、ファグがルーキーイヤーの好調を維持すれば、その繋がりから推薦されて日産GT500テストの機会を得るというシナリオも十分考えられます。

ファグ(右)は昨年からGT300に参戦

ファグ(右)は昨年からGT300に参戦

写真: Masahide Kamio

 このように、それぞれ事情は異なっているとはいえ、フラガ、オサリバン、ラスムッセン、ファグの4人には大きな可能性が広がっていると言えるでしょう。

 

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