中嶋一貴、今季限りでWECレギュラードライバーから勇退。ル・マン3連覇、WEC王者として殿堂入りも
TOYOTA GAZOO RacingのドライバーとしてFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦している中嶋一貴が、2021年限りでレギュラードライバーから勇退することが発表された。
写真:: Toyota Racing
TOYOTA GAZOO Racingは、ドライバーとして世界耐久選手権(WEC)のチームを2012年からリードしてきた中嶋一貴が、今季限りでレギュラードライバーから勇退すると発表した。
今週末には、2021年シーズンの最終戦である第6戦バーレーン8時間レースが予定されているが、これが中嶋にとってWECレギュラードライバーとして最後のレースとなる。中嶋がセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーをシェアする8号車は、小林可夢偉も駆るポイントリーダーの僚友7号車を15ポイント差で追っている。
中嶋は、全く新しいハイブリッド・プロトタイプレーシングカーとして開発されたTS030 HYBRIDの最初のテストが行なわれた2012年1月から、WECチームに参加。以降は目覚ましい活躍を果たし、58戦中16勝をマーク。トヨタのWECドライバーとしては、セバスチャン・ブエミに次ぐ勝利を挙げている。
2014年には、トヨタのハイブリッド車両で初、そして日本人としても初となるル・マンでのポールポジションを中嶋のアタックで獲得した。決勝レースでは、首位独走中の深夜、中嶋がドライブ中にトラブルに見舞われ涙を呑んだ。
2016年のル・マンでは、チェッカーまであと1周というところでマシンストップ。悲願のル・マン初制覇を目前にして、マシンを降りた中嶋の姿を今も鮮明に覚えているファンも多いことだろう。
中嶋にようやくル・マンの女神が微笑んだのは2018年。自身のドライブで初めて伝統のレースを制すると、そこからル・マン3連覇を成し遂げた。
2018-19年シーズンにはチャンピオンも獲得し、FIAの殿堂入りも果たした中嶋に対し、トヨタは次のように感謝の言葉をプレスリリースに綴っている。
『トップドライバーとしてだけでなく、信頼できるチームメイト、そして大事な友人として、この10年間、チームに多大な貢献をもたらしてくれた中嶋に、TGR WECチームとして感謝の意を表します』
『WECレーシングドライバーとしてのキャリアは終えることになりますが、中嶋は今後もTGRの一員として、チームの成功に向けた協力とトヨタのモータースポーツを基点としたもっといいクルマづくりへの貢献を続けていきます』
中嶋は、9シーズンに渡ってWECを戦ってこれたことを光栄だと語り、できる限りチームへのサポートをするつもりだとコメント。これからは一歩離れた立場から、耐久レース新時代を見守ることになる。
「TGR WECチームのドライバーとして9シーズンを戦って来られたことは本当に光栄ですし、才能と情熱に溢れる、献身的な多くの仲間とともに数々のレースに勝ち、タイトルを獲得、ル・マンを制することができたのは幸運だったと思います。TGR WECチームと10年間にわたってレースを戦ってこられたことに、本当に感謝しています。辛い時も、楽しかった時も家族のように過ごして来たチームとは多くの忘れ難い想い出があり、これからもずっと、TGR WECチームの一員だと思っています」
「耐久レースも新たな時代に突入することになり、来年以降、多くのハイパーカーメーカーが参入してきます。と同時に私自身も新たな道を歩み始めることになります。これからもできる限りチームへのサポートは続けるつもりですし、さらにエキサイティングになる、耐久レース新時代が楽しみです」
なお、トヨタは2022年シーズンのドライバーラインナップについて、数週間以内に発表予定だとしている。
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