F1タイヤを2018年仕様に戻す案は廃案に。5チームが反対票を投じる
オーストリアGPの金曜日、フリー走行1回目の前に行われた会議で、2018年仕様のタイヤを復活させる案が話し合われたが、賛成5チーム、反対5チームに分かれたため、すぐには実施されないことになった。
Pirelli tyres
Glenn Dunbar / Motorsport Images
タイヤがオーバーヒートするのを防ぐため、今季のF1タイヤは昨年に比べてトレッド面(接地面)のゴムが0.4mm薄くなっている。しかしこのタイヤの扱いに苦労するチームが多くあり、中には2018年仕様厚さのトレッドに戻すことを要求するチームもあった。
この2018年仕様タイヤへ戻すことを検討する会議がオーストリアGPのフリー走行1回目の前に行われ、全10チーム中5チームが賛成、5チームが反対の意見を表明した。タイヤを変更するためには7チーム以上の賛成が必要であるため、すぐに2018年タイヤが投入されることはないようだ。
しかし今回の会議の内容は、FIAが今後さらに検討を進めていくための文書を作成するために活用されていくとみられる。
今回の会議は、レッドブル・レーシングが主導して行われたものだ。全チームの代表とレッドブルのレーシング・アドバイザーであるヘルムート・マルコ、F1のスポーツ面のマネージング・ディレクターであるロス・ブラウン、FIAの技術面のトップであるニコラス・トンバジス、ピレリのマリオ・イゾラらが出席した。
またドライバーもこの会議に出席。GPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエイション)の会長であるアレクサンダー・ヴルツ、理事のロマン・グロージャンとセバスチャン・ベッテルの他、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールもこれに加わった。
この会議では、すべての当事者が意見を交換することになったという。ピレリは安全面を強調し、今年の薄いトレッドはブリスターと、トレッド面のゴムが剥がれ落ちるのを避けるために導入されたものだと改めて主張した。また同社のイゾラは、トレッドの厚さを変更しても、作動温度領域の狭さはあまり変わらないだろうと指摘した。
ある情報筋によれば、議論は非常にポジティブなものだったという。そして2018年仕様のタイヤ復活を願うチームは、デグラデーション(性能劣化)が少なく、作動温度領域の広いタイヤを望んでいるという。また、ダウンフォースが少ないチームでも、タイヤを使いこなせないということがないようにしたいのだという。
この会合で行われた投票では、レッドブルとフェラーリ、そしてこの2チームと関係の深いトロロッソ、ハース、アルファロメオが、2018年仕様のタイヤに戻すことに賛成した。一方でメルセデス、マクラーレン、ウイリアムズ、ルノー、レーシングポイントは、タイヤを変更することに反対する票を投じたようだ。
また今シーズン中の金曜フリー走行で、生産スケジュールさえ許せば、2020年用タイヤのテストを行うというということも議論された。しかし最終的な決断は下されなかったようだ。
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