レギュレーション改革が成功すれば……F1新規参戦の可能性がある5つのチーム

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レギュレーション改革が成功すれば……F1新規参戦の可能性がある5つのチーム
執筆:
2019/03/27 9:05

2021年からのレギュレーション変更を目指しているF1。これが成功すれば、複数のチームが新たにF1に参戦するとも言われる。その可能性があるのは……

 F1のCEOであるチェイス・キャリーは、2021年から、いくつかの新チームがF1に参戦することを検討していると主張する。これは、現在進行中のレギュレーションの見直しが功を奏した結果だと、キャリーは主張しているのだ。

 キャリーがどんなチームと話をしているのか、それは分からない。しかしながらここに挙げる5チームにはF1に参戦する十分な能力があり、そしてF1に参戦する論理的な理由も存在する……。

アウディ

Lucas Di Grassi , Audi Sport ABT Schaeffler, Audi e-tron FE05

Lucas Di Grassi , Audi Sport ABT Schaeffler, Audi e-tron FE05

Photo by: Sam Bagnall / LAT Images

 アウディがF1に参戦するとの噂は、長いこと囁かれ続けてきた。しかしフォーミュラEやDTMに参戦……アウディはF1以外のプロジェクトに、満足しているように見える。

 その一方で、フォーミュラEには次のシーズン6からポルシェが参戦予定。ポルシェとアウディは同じフォルクスワーゲン・グループ内のブランドであり、グループ内競争が勃発する……ということになる。ふたつのブランドは、かつてWECでも直接対決を繰り広げた。

 アウディにとってF1のハイブリッド技術は、現在の内燃エンジンの技術を超え、アウディをさらに成長させるためには、有効な方法だろう。そして同グループ間の別ブランド同士の直接対決を避け、最大限の費用対効果を得る上でも、適切な選択肢のようにも思える。

 アウディのフォーミュラEドライバーであり、シーズン3の王者でもあるルーカス・ディ・グラッシは、アウディにとってフォーミュラEは、F1で得られるよりも大きな効果があると断言する。しかしその一方で世間的な影響力という点では、依然としてF1の方がフォーミュラEよりも、効果的であると言える。

 アウディはWECからフォーミュラEにかけ、同社のハイブリッド/EVのコンセプトカーの名称である”e-tron”を、通称として活用してきた。ハイブリッドであるF1のプロジェクトを通じて、その”e-tron”をPRすれば、強力な商品価値をもたらすことになるだろう。

 一方でF1にとっても、アウディを初めてグリッドに迎え入れることとなり、それだけでも十二分のメリットがあると言えよう。

プレマ

Mick Schumacher, PREMA RACING

Mick Schumacher, PREMA RACING

Photo by: Joe Portlock / LAT Images

 プレマはこれまで、F1以下のカテゴリーで驚異的な記録を生み出し続けており、その功績を考えれば”F1ドライバーを生み出す”という立場から”F1ドライバーを走らせる”という立場へ、一歩踏み出すことにも値する。

 とは言え、大きな財政支援なしに、プレマがF1へステップアップすることはまずないだろう。しかし、現在議論されている予算制限策や共通パーツの問題は、プレマのF1参戦を後押しすることになるかもしれない。

これらの新たな規制は、Bチームが存在するメリットを高めることになるかもしれない。これは、使うべき予算とリソースがある大規模なチームにとっては、大きな意味を持つことになるのだ。自分たちで使うことができないなら、他のチームと共に活動することを目指すのではないか……レギュレーションではそれも規制することを目指しているが、彼らは抜け目なくとこをクリアしてくるだろう。

 フェラーリとプレマは、これまで親密な関係を築いてきた。またその一方で、フェラーリはザウバー(現アルファロメオ)との関係を強化し、そのジュニアチームとしてチャロウズのF2チームとも関係を構築した。

 仮にフェラーリがF1に年間5億ドル(約550億円)を費やすことができるとしても、レギュレーションによりその半分しか使うことができないと規制されたならば……余った予算を使い、プレマをF1でのBチームにすると言うことは、理に適ったことであると言えよう。

 このモデルは、プレマがF1で戦い続け、そして上位争いに加わることを可能にするだろう。とは言え、プレマがフェラーリを脅かすことはないはずで、そう考えればフェラーリにとっては、支払う価値のある投資だと言うことができるだろう。

SMPレーシング

#17 SMP Racing BR Engineering BR1: Stéphane Sarrazin, Egor Orudzhev, Matevos Isaakyan

#17 SMP Racing BR Engineering BR1: Stéphane Sarrazin, Egor Orudzhev, Matevos Isaakyan

Photo by: JEP / LAT Images

 ロシアのSMPレーシングは、ウイリアムズにスポンサードを行い、ドライバーとしてセルゲイ・シロトキンらをF1に送り込んだ。しかしだからといって、独自のF1チームを運営できるということにはならない。

 ただその一方で、WECではLMP1チームを運営し、ジェンソン・バトンやブレンドン・ハートレーなど、魅力的なドライバーたちを起用している。

 もしロシアでF1参戦を目指すことができる共同体があったとすれば、それを率いることができるのはSMPだけだろう。彼らは依然としてシロトキンをサポートし、ルノーのリザーブドライバーを務めさせることで、現役F1チームとの繋がりも維持している。

 SMPはジュニアドライバーの育成に多額の投資をしており、ロシアGPはF1に加わったばかりである。この両面を維持するためには、F1におけるロシア人ドライバーの存在が必要不可欠である。そう言う意味でも、SMPが独自にF1チームを持つことは、状況を抜本的に改善する方法であるように思える。それを実現させるためには、予算制限案が実施される2021年が、最高のタイミングであると言えそうだ。

アンドレッティ・オートスポート

Fernando Alonso, Andretti Autosport Honda

Fernando Alonso, Andretti Autosport Honda

Photo by: Steven Tee / LAT Images

 F1を世界的なモータースポーツにするためには、アメリカからの参戦もさらに充実させなければならない。ペンスキーやチップ・ガナッシと共に、インディカーやNASCARで成功したハースがF1に参戦中であるというのは、F1にとっても非常に大きいことだ。

 しかしその一方で、アンドレッティ・オートスポートは、将来のF1挑戦に向けてもっとも堅実な道を歩んでいるとも言える。政治的な面から言っても、将来の相棒となるべきチームとの関係を深めているからだ。

 マクラーレンとアンドレッティは、フェルナンド・アロンソを擁して、今年のインディ500に参戦することになっている。また、マクラーレン・レーシングのCEOであるザク・ブラウンと、アンドレッティのオーナーであるマイケル・アンドレッティは、共同でオーストラリアのスーパーカー・シリーズに参戦している。

 他のライバルチームは、F1でいわゆるBチームを抱えるなど、その規模を急速に増している。その流れに歯止めがかからないのであれば、マクラーレンもアンドレッティのようなチームと組み、共闘体制を築くことが必要になるはずだ。

 またアンドレッティのようなチームがF1に参戦することになれば、アメリカでのF1の注目度を高める助けとなるはずだ。またアンドレッティには、アレクサンダー・ロッシのような、才能溢れるアメリカ人ドライバーもいる。

アストンマーチン

#98 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage: Paul Dalla Lana, Pedro Lamy, Mathias Lauda

#98 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage: Paul Dalla Lana, Pedro Lamy, Mathias Lauda

Photo by: JEP / LAT Images

 アストンマーチンは、既にレッドブルのタイトルスポンサーとして、F1との関わり合いを初めている。

 同社は、将来エンジンメーカーとしてF1に参加する可能性が示唆されていた。しかし現在のF1パワーユニットは非常に複雑であり、さらにこの分野でのアストンマーチンの経験は限られている。その結果、予算制限が適切な形で導入されるのであれば、レースチームを運営する形が適切だと言えよう。

 アストンマーチンは、モータースポーツに積極的に関わろうとしている。現在はGTマシンのプログラムを推進し、将来ハイパーカー規則が導入されるWECへの参戦も議論されている。また、今年からはDTMへの参戦もスタートしている。さらにマクラーレンに代わって、BRDCヤングドライバー・オブ・ザ・イヤーのタイトルスポンサーも務めることになった。

 アストンマーチンは自動車メーカーながら、必ずしもエンジン(パワーユニット)までを自作するワークスチームとして参戦しなければならないと言うことではない。独立系のメーカーと提携することもできるし、ホンダのパワーユニットを使う3番目のチームになることも可能だ。その他の可能性もあるかもしれない。

 いずれにしても、アストンマーチンは、長くモータースポーツの様々なカテゴリーを戦ってきたメーカーだ。もしF1参戦を目指して交渉の場に上がることになるのであれば、様々な可能性が提示されることになるだろう。

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シリーズ F1
執筆者 Scott Mitchell
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