ヨッヘン・マス、78歳で亡くなる。F1やスポーツカーレースで活躍、シューマッハーらの育成にも携わる
元F1ドライバーのヨッヘン・マスが、脳卒中の合併症で5月4日に亡くなった。78歳だった。
元F1ドライバーで、ル・マン24時間レースのウイナーでもあるヨッヘン・マスが脳卒中の合併症により78歳でこの世を去った。
誰からも好かれる魅力あふれるドイツ人ドライバーだったマスは、9シーズン、105戦に及ぶF1キャリアにおいて優勝1回、表彰台計8回を記録している。
マスが3年あまり在籍したマクラーレンでチームマネージャーを務めたアラステア・コールドウェルはマスについて、次のように語った。
「振り返ってみれば、ヨッヘンは優しすぎたと言わざるを得ない」
「彼は愛想がよくて、おもしろくて、一緒にいて楽しいし、セーリングやヨットのようにモーターレース以外のことにも興味を持っていた」
1974年末にサーティースからマクラーレンに移籍したマスは、ドイツGPで脚に重傷を負ったマイク・ヘイルウッドの代役として最後の2レースを戦った。1975年はフル参戦を果たしエマーソン・フィッティパルディのチームメイトに。第4戦スペインGPでキャリア唯一の勝利を記録し、全14戦中8戦でトップ6でチェッカーを受け、ランキング8位でシーズンを終えた。
1976~77年はジェームス・ハントをチームメイトに迎え、着実なパフォーマンスを発揮。1977年にはランキング6位を記録している。
The only Formula 1 victory for Mass came at the 1975 Spanish GP, which was overshadowed by a tragic accident
Photo by: Motorsport Images
マクラーレン離脱後は下位・中堅チームを渡り歩いたマスは、1981年にF1を一旦離れてスポーツカーレースに専念したが、1982年にマーチ・グランプリからF1に復帰した。
しかしこの年、ベルギーGP予選で後ろから来るジル・ビルヌーブと接触しビルヌーブが亡くなるという事故を経験。大きな悲しみを抱えながらもレースを続けたマスは、ベルギーGPでアロウズのマウロ・バルディと接触したことにより高速クラッシュ。幸い軽症だったが、これを最後にF1引退を決断した。
マスはF1参戦中からスポーツカーレースにも参戦。ポルシェやメルセデスで活躍し、1989年にはマニュエル・ロイター、スタンレー・ディケンズとル・マン24時間レースを制している。
#2 Rothmans Porsche Porsche 956: Jochen Mass, Stefan Bellof, 1983 Le Mans 24 Hours
Photo by: Jean-Philippe Legrand
1990年には、メルセデスのドライバー育成プログラムの一環として、世代を代表するドライバーの育成にも携わった。前年までF3ドライバーだったミハエル・シューマッハー、カール・ヴェンドリンガー、ハインツ=ハラルド・フレンツェンといった後のF1ドライバーたちを交代でパートナーとし、スポーツカー世界選手権に参戦したのだ。
ヴェンドリンガーは、3人共マスに「両手を広げて歓迎された」と振り返った。
「彼はラップタイムで優位に立つために、私たちに隠し事をするようなことはなかった。ヨッヘンは私たちのどんな質問にも答えてくれた」
「ヨッヘンのおかげで、170馬力のF3マシンからダウンフォースの大きいパワフルなグループCマシンに乗り換えることができた。僕のキャリアの中でも重要な時期だったし、ヨッヘンの存在はそれがうまくいった大きな理由だと思う」
1991年にザウバーを去り、事実上レーシングドライバーを引退したマスは、1995年に12回目、そして最後のル・マン参戦のため復帰。ジョン・ニールセン、トマス・ブシャーと共にマクラーレン・F1-GTRを駆り、レース前半の大半で首位を走ったが、クラッチ交換が必要となり最終的にリタイアとなった。
1990年代にはRTLでF1の共同コメンテーターを務め、その後メルセデスのアンバサダーともなった。
#63 Team Sauber Mercedes, Sauber C9 Mercedes-Benz: Jochen Mass, Manuel Reuter, Stanley Dickens, 1989 Le Mans 24 Hours
Photo by: Daimler AG
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