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佐藤琢磨+中野信治のSRS新体制。鈴鹿サーキットがかける期待

佐藤琢磨+中野信治の新体制でスタートを切る鈴鹿サーキット・レーシングスクール。この変革を決めた理由、そして新体制にかける期待を、モビリティランドの山下晋社長に語った。

Takuma Sato, Shinji Nakano

Takuma Sato, Shinji Nakano

吉田知弘

 2019年から新体制になり、再スタートを切る鈴鹿サーキット・レーシングスクール-フォーミュラ(SRS-F)とカート(SRS-K)。プリンシパルには佐藤琢磨が、バイス・プリンシパルには中野信治が就任し、世界と互角に戦うことができるドライバーの育成を推し進めていくことになる。

 SRSは、鈴鹿サーキットが運営するドライバー育成プログラム。今回の改革に至った経緯などを、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの山下晋社長に訊いた。

 佐藤琢磨+中野信治という人選に至った経緯について尋ねると、山下社長は次のように説明した。

「彼らは世界を知っている、世界と戦った経験のある方たちです。特に琢磨さんは、世界で勝った経験がある。一方で中野さんは、ある意味世界を相手に悔しい想いもした方。そういう彼らは、世界で通用するためにはどうあるべきか、実体験として分かっていると思います。そのふたりにしっかりとしたカリキュラムを作っていただいて、進めていただこうというのが、ふたりにお願いした理由です」

 そう説明する山下社長は、鈴鹿サーキットの果たす役割について、次のように続けた。

「彼らがやりたいと思うことを、可能な限り実現していく……そのための環境をしっかりと整えていくのが我々の仕事です。もちろん、我々にも能力の限りがありますが、できる限りのサポート体制を整えていくつもりです」

 実は二輪の育成プログラムは、ひと足先に発展を遂げている。そのため、今回四輪レースの育成プログラムを改革するのは、いわば当然の成り行きだったようだ。

「2016年に、二輪のスクールはSRS-JからSRS-Motoと名前を変え、レーサーを目指す日本の若者たちが、ステップアップを果たすことができるようになりました。そしてアジア・タレントカップや色々なカテゴリーを通じて、海外に出ていけるようになりました」

「ホンダの山本(雅史)モータースポーツ部長と話をする中で、次は四輪だという話に自然となりました。タイミングは議論するまでもなく、やらなければいけないことでした」

 ただ、現時点で発表されているのは、佐藤琢磨と中野信治が、今後率いていくということだけ。そのプログラムの詳細は、まだ何も明らかにされていない。

 これについて山下社長は、次のようにアイデアを説明してくれた。

「我々も国内だけ、鈴鹿サーキットだけを走り込ませて育てようというつもりはありません。その中身がどうなっていくのかということは、どこかのタイミングで発表させていただこうと思います」

 そう山下社長は語る。

「鈴鹿サーキットは、テクニックを磨く上では良い場所だと思います。しかしその一方で、路面がしっかりしているとか、水平面がちゃんと出ているとか……世界には、そうではないところもたくさんあります。そんな中で戦うためには、様々なサーキットの経験も積んでもらった方が良いと思います」

「それから、ヨーロッパで這い上がろうとしている人たちの根性と技術は、ものすごいものがあります。少し当たったくらいでは何も思わず、強引に抜いていける……そういう自信を持っています。そこが、現時点での違いでしょうね」

「だから我々も、色んなシチュエーションを経験して、自信をつけて欲しいと思っています」

 すでに発表されている通り、今季のFIA-F4選手権のチャンピオンである角田裕毅は、来季新生FIA F3に参戦することとなった。これは、レッドブルとホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の共同戦略である。

 改革されるSRSも、レッドブルが関与する部分があるのか?

「それは一部ですよ」

 そう山下社長は明かす。

「まだハッキリと決まっていない部分もあるので、具体的にはお話しできませんが、レッドブルがジュニアドライバーの育成で行っていることを、我々も取り入れたいと思っています。100%同じことをするわけではありません。過去のレッドブル育成出身のドライバーが育ってきた過程を見せていただいて、我々のドライバーにはこの人の過程をモデルにしよう……そんなことを考えています」

「そのあたりの一部は、今後発表できると思っています」

 日本人F1ドライバーが誕生することは、日本のファンのみならず、鈴鹿サーキットやホンダにとっても悲願である。これについて山下社長は、次のように決意を語ってくれた。

「本気で取り組んでいるつもりです」

「本気で戦えるドライバーを輩出したいと思っています。そんなドライバーがF1に乗ることによって、日本のモータースポーツは、初めて企業の皆様に評価されます。ただ参戦しているというだけではダメなんです」

「ブレイクスルーする存在が現れ、ファンが盛り上がって、ようやくスポンサードする企業が現れることになると思います。それは、モータースポーツのみならず、どんなスポーツでも一緒です」

「そういう行動を起こせるようにしなければいけません」

 活躍できる日本人F1ドライバーが出てくることになれば、当然、F1日本GPの集客にも繋がることになるはずだ。

「F1がビジネスとして成功するためにも、そういうドライバーが出てくることは必要です。SRSで儲けようとは、我々も考えてはいないわけです。でも、なぜやっているかといえば、そういうドライバーが出てきてくれることが、我々の業界にとっても特効薬になるんです」

「そのドライバーにファンがつけばチケットが売れるだろうし、それでスポンサーが増えれば、PRブースが増えたりと……いろんなことが始まっていくはずです。そうすると、我々のビジネスも、うまく回っていくようになると思います」

「強いドライバーを輩出すること、それはこの業界が盛り上がるための、絶対要件のひとつだと思っています」

 かつて中嶋悟が走り、鈴木亜久里が日本人として初めて表彰台に上がり、片山右京がフェラーリを抜き、佐藤琢磨が「勝つかもしれない」と期待させ、小林可夢偉がジェンソン・バトンを抑えきった……鈴鹿でのF1日本GPには、そんなシーンがあり、スタンドを埋めたファン、そしてテレビの前のファンが、その中心にいる日本人F1ドライバーの走りを見守った。次にその中心に立つのは誰なのか? 生まれ変わるSRSから、そんな存在が輩出される日が今や遅しと待たれる。

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