フォーミュラEディルイーヤePrixレース2決勝:バードが今季初優勝。キャシディは5位

フォーミュラEディルイーヤePrixレース2の決勝が行なわれ、ジャガーのサム・バードが今季初優勝を記録した。

Robin Frijns, Envision Virgin Racing, Race winner Sam Bird, Panasonic Jaguar Racing and Jean-Eric Vergne, DS Techeetah celebrate on the podium

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Andy Hone / Motorsport Images

 2020-2021シーズンのFIAフォーミュラE世界選手権、ディルイーヤePrixのレース2がサウジアラビアのリヤド・ストリート・サーキットで行なわれた。優勝したのはサム・バード(ジャガー)で、今季初優勝となった。

 前日のレース1で圧巻の走りを見せたのはメルセデス勢だった。ニック・デ・フリーズがポールトゥウィン、ストフェル・バンドーンがファステストラップを記録するなど完璧な戦いぶりだった彼らだが、その翌日に開催されたレース2では歯車が噛み合わなかった。

 予選前のフリープラクティスで、メルセデス製パワートレインを使用するヴェンチュリのエドアルド・モルタラがブレーキシステムの故障により大クラッシュしたことを受け、メルセデスとベンチュリが予選出走を禁止されたのだ。幸いトラブルは解決し、決勝に出ることを許されたメルセデス勢だったが、後方グリッドからのスタートとなったため見せ場を作れず、ノーポイントに終わった。

 レース2の主役となったのは、ポールポジションスタートのロビン・フラインス(ヴァージン)と、スタートで3番手から2番手に上がったバードだった。昨季ヴァージンでチームメイト同士だったふたりは終始優勝争いを展開したが、バードが有利にレースを展開し、勝利を手にした。

 今回のレースでは、4分の間パワーアップする“アタックモード”を各車2度使用しなければいけない。フラインスはレース前半に先手を打って最初のアタックモードを使用したが、その直後にフルコースイエロー(FCY)が出てしまい、2分ほど損をする形となってしまった。一方バードはフラインスの様子を見つつ、残り14分で最後のアタックモードを起用。フラインスの前に出て2秒のギャップを築いたところで、マキシミリアン・ギュンター(BMW)、ミッチ・エバンス(ジャガー)、アレックス・リン(マヒンドラ)らが絡むクラッシュが発生。しばらくセーフティカーが隊列を先導していたが、残り2分41秒で赤旗とレース終了が宣言された。

 これでバードは今季初優勝。昨季のディルイーヤePrix以来の優勝となった。一方フラインスは元僚友に敗れはしたが、予選ポールポジションとグループステージ最速タイムのボーナスを合わせ、22ポイントを獲得した。

 3位、4位に入ったのはジャン-エリック・ベルニュとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタのDSテチータ勢。グリッド中位からのスタートながら共に追い上げのレースを見せ、チームとして大量得点することに成功したが、22周目には両者が順位争いをしながら接触する場面もあり、禍根を残すことになるかもしれない。なお、ベルニュはアタックモードを1回残したままレース終了を迎えており、義務付けられているアタックモード2回消化をクリアできていない。

 5位に入ったのはニック・キャシディ(ヴァージン)。昨年まで日本のレースで活躍したキャシディは10番グリッドからこのレースをスタートしたが、終盤には優勝争いにも顔を出さんばかりの勢いを見せた。ただし彼はFCY中の速度超過について審議対象となっている。

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 以下セルジオ・セッテ・カマラ(ドラゴン)、ニコ・ミューラー(ドラゴン)、オリバー・ターベイ(NIO)、オリバー・ローランド(日産・e.ダムス)、レネ・ラスト(アウディ)までが入賞。ポイントランキングではレース1ウィナーのデ・フリーズが未だ首位となっている。

 なお、レース終盤でマシンがひっくり返るほどの大クラッシュを喫したリンだが、チームの発表によると意識もあり会話も可能だといい、検査のために病院に搬送されたようだ。

 

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