ポルシェ、Gen3規則下でのフォーミュラE継続参戦を表明。合成燃料の開発と並行し電動レースにも注力
ポルシェは、新規則『Gen3』の下でフォーミュラEを戦うことを宣言した4番目のメーカーとなった。

2019-2020シーズンからフォーミュラEに参戦しているポルシェは、新規則『Gen3』導入後もシリーズに継続参戦することを発表した。
Gen3規則は2022-2023年シーズンに導入され、2025-2026シーズンまで施行される予定となっているが、ポルシェはこの新規則に賛同した4番目のメーカーということになった。これまでにはマヒンドラ、DSオートモビルズ、日産がGen3規則下での参戦を表明している。
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Gen3マシンは現行のGen2マシンと比較して最大出力や回生ブレーキの容量が増加するだけでなく、車両の小型化やバッテリーの軽量化により、車重が120kg減少する予定だ。また、ピットストップによる急速充電も可能となる。
ポルシェ・モータースポーツの副社長であるフリッツ・エンツィンガーは次のように述べた。
「2019年にしたエントリーによって、我々はフォーミュラEに関与していくことを明確に示した」
「我々の視点では、フォーミュラEは持続可能性、エネルギー効率、環境への配慮に焦点を当てた高性能車を開発していく上で、最も競争力のある環境を提供している」
「昨シーズンはパンデミックによる諸制限があったにも関わらず、それを確認することができた」
「我々にとって重要だったのは、このシリーズを成功に導いてきた“フォーミュラEのDNA”が今後も維持されることだった。それは(Gen3導入により)叶ったと言える」
「同時に、我々にはフォーミュラEを競技面でも技術面でも次のレベルへと引き上げるポテンシャルがあると思っている」
ポルシェは先日、合成燃料の開発にも莫大な投資をすることを明らかにしているが、その取り組みと並行して電気自動車レースの最高峰にも参戦していくことになる。
FIA会長のジャン・トッドも今回の発表に際しコメントを寄せ、ポルシェの参戦継続を歓迎した。
「ポルシェが新時代に向けて参戦継続を約束してくれたことを嬉しく思う」
「より軽く、パワフルで、急速充電ができるGen3マシンでのレースは、電動レースの頂点としての地位をこれまで以上に確立していくことになるだろう」
「それはまた、フォーミュラEは自動車メーカーが専門知識を増やすための適切なプラットフォームであることの証明でもある」
各メーカーは3月31日までにGen3規則に合意するかどうかを決めなければならないことになっているが、フォーミュラE側も現在の12チーム体制を維持するため、柔軟に締め切りを設定すると見られる。
メルセデスはまだGen3規則下でのフォーミュラE参戦を発表していないが、彼らは近日中に継続参戦を発表し、フォーミュラEの運営をブラックリーに集結させるための物流再編を行なうと予想されている。
マクラーレン・レーシングも、Gen3時代からフォーミュラEに参戦することを検討している。彼らは今季限りでアウディとBMWが同シリーズから撤退することを受け、空いたエントリー枠を確保している。
なお、3月31日の締め切りに間に合ったメーカーに関しては、FIAのデータバンクを介して、Gen3のサプライヤーであるウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(バッテリー)、スパーク・レーシング・テクノロジー(シャシー)、ハンコック(タイヤ)らのデータに早期にアクセスすることができると考えられている。