motorsport.comの読者が2022年ベスト!と考えたレースは、やはりと言うべきか、3年ぶり開催となったF1第18戦日本GPだった。2022年、レッドブルとHRC、そしてフェルスタッペンは無類の強さを発揮。決勝日はあいにくの悪天候となってしまい、レースは長時間の赤旗中断を挟むことになったが、集まったファンはじっと耐え続けた。そして最後は多少の混乱こそあったが、フェルスタッペンの2年連続チャンピオンが決定。日本のファンにとっては忘れられないレースとなったことは間違いない。さらに付け加えるなら、日本GPにおけるセバスチャン・ベッテルの存在も大きなモノだった。大好きだと公言する鈴鹿への愛に溢れた姿は、ファンの心に深く刻まれたことだろう。
TEAM IMPUL(ホシノレーシング)27年ぶりのタイトル……この文言だけでスーパーGTの中で最も票数を集めたレースだったことがスッと理解できる。2022年のスーパーGTタイトル争いは3番手まで自力戴冠の可能性がある接戦。見事に初タイトルを獲得した平峰一貴/ベルトラン・バゲット組は、ランクトップだった3号車CRAFTSPORTS MOTUL Zへのペナルティも追い風に、優勝にこそ手が届かなかったが2位フィニッシュとなり見事タイトルを獲得。全日本GT選手権時代の1995年以来となるタイトルをチームに持ち帰った。
第3位に選ばれたのは、真夏のスーパーGT第5戦鈴鹿450kmレースだ。スーパーGTは今年も多くの投票があったが、その中でもこの鈴鹿450kmも多くの支持を集めた。だが、それも納得のレースだった。 GT500クラスで優勝を飾ったのは12号車カルソニック IMPUL Zだが、その内容がクラス最後尾15番手からの優勝だというから驚きだ。12号車はセーフティカーの出動を味方につけ、終盤に表彰台圏内へ浮上。残り3周で17号車Astemo NSX-GTを抜き去り、大逆転勝利を決めた。
第5戦ではGT300クラスでも4号車グッドスマイル 初音ミク AMGが2017年岡山以来となる5年ぶり優勝を飾っている。ファンがこのレースをベストに推したことも、よく理解できる1戦だ。
4位に選出されたのはF1第21戦サンパウロGPだった。このレースは近年のF1を支配してきたメルセデスがついにシーズン初優勝を収めたレースだった。
メルセデスは2022年のマシン開発でライバルに遅れをとってしまい、表彰台こそ確保できていたが優勝に手が届かない状態が続いていた。このままではシーズン未勝利という不本意な結果も考えられたが、サンパウロGPではメルセデスが好調。ジョージ・ラッセルがついにF1初優勝を果たし、ルイス・ハミルトンも2位でワンツーフィニッシュとなるなど、メルセデスファンにとっては報われたレースだったはずだ。
なおこのレースではレッドブルのフェルスタッペンとセルジオ・ペレスの間で、チームオーダーを巡っての諍いも発生し、耳目を集めていた。
そして第5位となったのが、MotoGP日本GPだ。票を集めたのは、中でもMoto2クラスのレースだった。2022年のMoto2クラスはホンダ・チーム・アジアの小椋藍が大活躍を見せており、3年ぶりの母国GPにもタイトルコンテンダーとして臨んでいた。
決勝レースを13番手からスタートした小椋は、好スタートを決めて一気にポジションを上げると、そこからも順調に前を攻略し表彰台圏内に。中盤にアウグスト・フェルナンデスを破って首位に立つと、終盤にかけての追撃を振り切ってトップチェッカー。チーム監督である青山博一以来、16年ぶりの日本人ライダーの日本GP勝利を成し遂げた。