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MotoGPコラム|スプリントレース導入で始まった2023年をどう見る? 話題山盛り開幕戦ポルトガルGPを総ざらい!

新しい試みと共に始まったMotoGPの2023年シーズン。スプリントレースという新機軸だけではなく、決勝レースでのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ)の転倒に端を発する一連の出来事など、開幕戦から様々な見どころを持つイベントとなった。モータースポーツジャーナリストの西村章が、現地で感じたコトとは。

Jorge Martin, Pramac Racing, Francesco Bagnaia, Ducati Team, Marc Marquez, Repsol Honda Team

写真:: Gold and Goose / Motorsport Images

 2023年開幕戦ポルトガルGPは、おそらく大方が予想していたとおりのリザルトになった。2022年王者のフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)が隙のない圧倒的な強さと速さと巧さを見せて土曜のスプリントと日曜の決勝レース双方で勝利を収め、スプリント(12pt)+決勝(25pt)で37ポイントを獲得した。

 週末を通してバニャイヤ以下8名のドゥカティ勢が見せた高水準の安定感は、プレシーズンテストで充実した仕上がりを見せていたことの延長線上にある結果で、驚くような要素は何もない。それはアプリリア勢の高い戦闘力についても同様だ。やや想定外といっては失礼になるかもしれないが、開幕前にはドゥカティやアプリリアと比較して苦戦傾向の窺えたKTMがレースウィークに良好なポテンシャルを発揮したことは、これからのシーズン推移を見据えるうえで愉しみな要素が増えたと言っていいだろう。

バニャイヤがスプリント&決勝を勝利しフルポイント

バニャイヤがスプリント&決勝を勝利しフルポイント

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 これら欧州メーカー陣営がいずれも勢いの良いシーズンスタートを切った一方で、ホンダとヤマハの日本メーカー3チーム6選手は苦戦を強いられたが、残念ながらこれも開幕前の予想を裏切らなかった。

 サプライズがあったとすれば、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)が予選でポールポジションを取って土曜のスプリントで3位に入ったことだろう。だが、そのマルケスは日曜の決勝で序盤に転倒し、その際に接触したホルヘ・マルティン(プラマック/ドゥカティ)をオーバーランさせ、表彰台が期待された地元ポルトガル出身のミゲル・オリベイラ(RNF/アプリリア)に後方から追突して転倒させるに至った。この転倒でオリベイラとマルケスはともに負傷して、両選手揃って次戦のアルゼンチンGPを欠場することになった。

 この出来事に対してマルケスにはアルゼンチンGPでダブルロングラップペナルティという処分が科されたが、次戦欠場によってこの処分が宙に浮く格好になってしまうため、処分は「次に参戦するレースで適用する」とする改訂が、28日(火)欧州時間午前に発表された。

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 と、このようにグランプリ史上初となる土曜スプリントの実施に伴う新たな週末スケジュールの導入で、今回の開幕戦は様々なコトが初めて尽くしで慌ただしく推移していった。そして、その影響はマルケスの処分改訂が発表されたレース翌々日の火曜まで尾を引いて残響したような印象もある。

 この処分改訂をレースディレクション(FIM MotoGPスチュワード)の朝令暮改と見るか、それとも「過ちては改むるに憚ること勿れ」と謙虚に自省した結果の迅速な英断と見るかは議論の余地があるかもしれないが、いずれにせよ、レース現場では何もかもが慌ただしく進んでゆくことの象徴的な事例であったとはいえるだろう。

 様々な出来事がめまぐるしく推移していったこの週末では、MotoGPの土曜スプリント導入や、日曜午前に行われる〈移動ピットウォーク〉的イベント「Rider Fan Parade」などのショーアップ要素が増大する一方で、Moto2とMoto3の両クラスはその煽りを受ける格好で走行時間やメディア露出機会が減少するという影響も生じている。

 

Photo by: Gold and Goose / Motorsport Images

 では、この両クラスは報じるに値しないのかというとけっしてそんなことはない。

 今回は欠場を強いられたとはいえ、Moto2に参戦する小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)の動向は日本のファンならきっと気になるだろうし、Moto3選手たちの活躍についても、今回の開幕戦決勝レースで表彰台を逃したとはいえ、ポールポジションからスタートした佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)の活躍には大きな期待がかかる。それは鈴木竜生(Leopard Racing)についても同様だ。4年ぶりにホンダ陣営となった鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)が力強い走りを取り戻しつつあることも、おそらくレース現場にいなければ実感のある事実として見えてこないだろう。

 そんな若いライダーたちの健闘や苦悩を同時代的感覚で捉えることができるのは、彼らと現代性を共有でき、なおかつ全体を俯瞰して位置づけていくことのできる視点を備えた若い取材者たちだろう。レース現場の「いま」を躍動感をもって伝えることができる次世代取材陣の登場は、日本のロードレースメディアの今後に向けた大きな課題のひとつかもしれない。

 パドックには、プレスリリースの無難なコメントや他人の書いた記事の翻訳を見ているだけではわからないことが、それこそごまんと転がっているのだから。

 
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