夏のSF富士を大いに沸かせた“DJ大湯”。理想はチーム・ドライバーをさらに巻き込んだイベント「一緒になって盛り上げたい」
7月のスーパーフォーミュラ富士戦でのグリッドパーティで、DJにドリフトに大車輪の活躍だった大湯都史樹。今後は、より多くのチームやドライバーがその輪に加わることで、一緒にファンを楽しませたいと語った。
写真:: JRP
昨年から、富士スピードウェイで開催されるスーパーフォーミュラのレース後に行なわれている『アフターレース・グリッドパーティー』。今年7月のスーパーフォーミュラ第6戦・第7戦の際には、昨年からパワーアップした企画が様々実施されたが、その中で最も反響を集めたと言える試み……それこそが“DJ大湯”だった。
SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGINGのドライバーである大湯都史樹は、グリッドパーティの発案者でもある。その根源には、たくさんの人にとっての「サーキットに来る理由」を作りたいから。昨年はイベント内ではあまり表立ったアクションをしていなかったが、今年は“DJ大湯”としてグリッド上でDJパフォーマンスを行ない、集まったファンを大いに沸かせた。
ただ、大湯はこれまでターンテーブルを触ったこともなく、DJは全くの素人だった。グリッドパーティのコンテンツ案を出していく中で、半ばノリで決まったことなのだという。
「色々案を出して議論をしていく中で、『じゃあ、DJやっちゃう?』みたいなノリでした(笑)」と大湯は言う。
「DJをやっている人が知り合いにいて、たまたま教えてもらえる人がいたということもあって、コンテンツがなかなか決まらずにいたJRP(スーパーフォーミュラのプロモーター)に『DJやろうか。やったことも触ったこともないけどね(笑)』という話をしました」
準備期間は数週間。スキマ時間を使い「DJは何をしているのか」というところから勉強をスタートした。とはいえ、DJが“フロア”を沸かせる上で重要なのは、なんといっても選曲。大湯は最新のヒットソングから、“大湯世代”に刺さる懐かしの平成ソングまで幅広くカバーしたこだわりのセットリストを披露した。中でも、JRP会長を務める近藤真彦氏の代表曲『ギンギラギンにさりげなく』を披露する様子はSNSでも拡散されるなど、大きな反響があった。
写真: JRP
また、最近ではドリフト競技にも挑戦している大湯は、フォーミュラ・ドリフト・ジャパン(FDJ)で使用しているGR86でドリフトデモランも披露。聞くところによると、ドリフトによってホームストレート上にできたブラックマークを消すだけでも、中古車1台買えてしまうくらいの費用がかかると言うから驚かされる。グリッドパーティのチケットが3000円(前売)ということを考えても、赤字覚悟の出血大サービスだったというわけだ。
「チケット代は3000円でしたが、それ以上の規模感でやっていますし、収益もむしろ赤字だと思います。やれる中では最大限以上のことをやっていました」と今回のグリッドパーティを振り返る大湯。DJやドリフトを通して自身が前面に出た狙いとしては、今後はチームやドライバーがより積極的に参画することで、イベントを一層盛り上げていきたいという思いがあるからだ。
「ファンに楽しんでもらえるコンテンツをもっと大きくしていきたいのはもちろんですが、今回の狙いとしては『ドライバーやチームが関わっていきたいと思えるエンターテインメントコンテンツ』を意識しました」
写真: JRP
「次の開催に向けても既に動いているのですが、チームやドライバー、メカニックなども巻き込んで、一緒になってコンテンツを盛り上げるものにしていきたいです。その実績を作るという意味も込めて、今回自分がドリフトやDJをやらせていただきましたが、今後は色々なドライバーやチームがブースを作る形にできればと思っています」
「もちろん、みんな疲れていると思いますし、遠方から来ているドライバーもいます。そもそもそういったことに乗り気ではない人も多くいると思いますから、無理に強制するといったつもりはありません。ただ、そういった意識を持ってもらいたいと思っているので、意識改革という意味も込めて、今回こういう形をとりました」
ちなみにグリッドパーティの際には、直前のレースで優勝した太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が大湯のDJに合わせて場を盛り上げ、屋台の食べ物をファンに奢り始めるなど、大盤振る舞いのサービスでファンを喜ばせた。当然、優勝して気分が高揚していたということもあるだろうが、大湯も太田のこういった姿勢を喜んでいた。
「そもそも、アフターレースグリッドパーティ自体が今までなかったものですが、そこにまたひとつステップを踏めたかなという気はしています。今後は、そこにスポンサー企業さんなどが入ってきてくれるのが理想ですね」と語った大湯。多くの人にとって、“サーキットに行く理由”が増え始めているのではないだろうか。
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