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スーパーフォーミュラが来季からE10燃料を使用へ。福島でセルロースエタノールを製造、ENEOSが調合「国産にすごくこだわりあった」

スーパーフォーミュラは来季から、国産のセルロースエタノール混合ガソリンを国内レースで初めて使用すると発表した。

左からJRP上野禎久社長、raBit中田浩一理事長、ENEOS藤山優一郎常務執行役員

左からJRP上野禎久社長、raBit中田浩一理事長、ENEOS藤山優一郎常務執行役員

写真:: Motorsport.com / Japan

 スーパーフォーミュラが今季第8戦SUGOを前に記者会見を実施。次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(raBit)とENEOSとの協業によって、2026年シーズンから使用する燃料をセルロースエタノールを混合したガソリンとすることを明らかにした。

 スーパーフォーミュラはこれまで、カーボンニュートラルへの取り組みとして、天然素材を使用したカウルや再生可能原料の比率を高めたタイヤなどを採用してきたが、燃料においては慎重なアプローチを見せていた。開発テストの中で様々な銘柄を試した結果、2024年にはシーズン中の新燃料導入の可能性がプロモーターの日本レースプロモーション(JRP)から示されたこともあったが、その後は音沙汰がなかった。

 そして今回、ついに2026年から使われる予定の新しい燃料が発表された。それが国産のセルロースエタノール混合ガソリン。エタノール比率は10%とのことで、いわゆる“E10”燃料となる。

 国内レースでは既に、スーパーGTが2023年からドイツのハルターマン・カーレス社製の100%非化石燃料を導入しており、将来的な国産eフューエル導入を目標に掲げている。またスーパー耐久においても各メーカーが様々なカーボンニュートラル燃料を使用して実験・開発の場として活用している。

 JRPの上野禎久社長は、スーパーフォーミュラでも海外製のものをはじめ様々な燃料を試したと明かしたが(一説にはハルターマン製もテストしたと言われる)、国産の燃料を使いたいというこだわりは強かったという。

 今回の国産E10導入の決め手について、上野社長は次のように説明した。

「コストなどの経済合理性もひとつですし、やはりウェル・トゥ・ホイール(総合的な環境負荷)で考えたときに、国産の燃料を使いたいという希望・ビジョンが前々からありました」

「私としても、国産にはすごくこだわりがありました。raBitさんに供給いただくセルロースは生成量が限られていますが、我々スーパーフォーミュラはスプリントレースですから、その量もある程度少なくて済みます。そういった点もあり、『(燃料に関する協業を)ぜひやりたい』とお話をいただきましたので、喜んでご一緒させていただきたいとお伝えしました」

 新燃料に配合されるエタノールは、福島県大熊町にあるraBitの施設で製造される。原料はサトウキビ、トウモロコシといった食物ではなく、非可食のバイオマス。洗浄、搾汁、煮るなどの様々な前処理(これはセルロースエタノールならではだという)を経て、セルロースを4日かけて糖化していく。

糖化には時間がかかるため、4つの糖化層を構えている

糖化には時間がかかるため、4つの糖化層を構えている

写真: Motorsport.com Japan

 その後は2日ほどかけて糖を発酵させることでエタノールと二酸化炭素を生成(二酸化炭素は回収)……蒸留して濃度を高められたエタノールが、製品として燃料に使われるという流れだ。ウイスキーなどの蒸留酒を作る行程と基本的には同じ、と考えてよさそうだ。

 そしてそのエタノールを使って燃料を作るのがENEOSの役目。同社の常務執行役員である藤山優一郎氏は「私どもの技術で原料との調合を行ない、E10のガソリンに仕上げ、そこの品質保証までさせていただくという役割です」と説明する。

 また藤山氏は、エタノールはガソリンの主成分である炭化水素との違いとして、炭素・水素の他に酸素を含むため、E10燃料は通常のガソリンとは燃焼特性も変わってくるとした上で、「そこはレーシングカーになるべく影響が出ない成分の調整をガソリン側でもいたします。もちろんレーシングカー側でもセッティングをしていただくことで、問題がないようにしていきます」と述べた。

 この新燃料だが、これまでの開発テストでは使用していない模様。今後ベンチテストの後、9月に行なわれるテストから実走での評価を行なっていき、正式導入に向けて調整を進めていくとのことだ。

 

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