トヨタGR010初ドライブを経験した宮田莉朋。複雑なハイパーカーにも順調に適応「日本のレースとは全く違う」
宮田莉朋はアラゴンでトヨタGR010を初ドライブ。初めてづくしとなったが、徐々に適応することができたようだ。
今季はFIA F2などの海外カテゴリーに参戦する傍ら、WEC(世界耐久選手権)でトヨタのリザーブドライバーも務める宮田莉朋は今月初め、スペインのモーターランド・アラゴンで実施されたプライベートテストでGR010ハイブリッドの初ドライブを経験した。
宮田はアラゴンで1月10日〜12日にかけて3日間開催された耐久テストに、トヨタのレギュラードライバー6名と共に参加。WEC最高峰クラスで使われるハイパーカーに初めて乗り込んだ。昨年からWECチャレンジドライバーに指名された宮田だが、昨年11月にバーレーンで開催されたWECのルーキーテストは、タイトル獲得がかかったスーパーGT最終戦もてぎと日程が被ってしまったため、参加することができなかった。
アラゴンでのテストを振り返り、宮田は次のように語った。
「とても興奮しました」
「日本のモータースポーツとは全く違っていて、本当に多くのスタッフやエンジニアがセットアップに関わっています」
「マシンはGT500よりも重く感じましたが、重すぎるという感じもありませんでした。(ハイパーカークラスに供給される)ミシュランタイヤも初めてで、ソフト、ミディアム、ハードと様々なコンパウンドがあるので、一歩一歩慣れていく必要があります。でもそれほど難しくはありませんでした」
また、GR010には複雑なハイブリッドシステムが搭載されており、車両に初めて乗るルーキーはそこに手こずることも珍しくないが、宮田はそれほど難しさを感じなかったようだ。これは現在のトヨタ8号車のレギュラードライバーである平川亮が、2021年にポルティマオでGR010を初体験した時とは対照的だ。
宮田はさらにこう続ける。
「トラクションコントロールなど、様々な電子制御システムがあります」
「走行中にエンジニアたちと相談しながら、それらにアジャストしていく必要があるので、そこは難しいと感じます。ただ、ドライビングの面ではステップバイステップで適応させることができました」
宮田がGR010を走らせた時間帯には、夜間帯も含まれていた。ナイトセッションの走行経験は多くない宮田だが、それにも早速慣れることができたようだ。
「以前に富士24時間でナイトセッションを走ったこともありますし、コロナ禍前のセパン(GT500のセパンテスト)でも夜に走ったことがあります」
「富士やセパンはどちらとも、コースの至る所に照明があって明るく照らされています。アラゴンでは照明がなく、マシンのヘッドライトだけが頼りになります。初めて走った時は難しく感じましたが、2度目はもっと楽に走れるようになりました」
「今回のテストでは初めてのことがたくさんありましたが、うまくやれたと思います」
今季FIA F2とヨーロピアン・ル・マン・シリーズにフル参戦する宮田が、今後いつGR010をドライブする機会がやってくるかは不明。ただ6月9日に行なわれるル・マン24時間のテストデーは、間違いなくその候補日のひとつになってくるだろう。
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