雨のベルギーGP、天候回復待ちで1時間以上ディレイ……ドライバーから賛否両論「安全が一番」「こんなのウエットレースじゃない」
F1ベルギーGPは雨の影響でスタートが1時間以上遅れたが、この判断についてはドライバー間で賛否が分かれている。
写真:: Yves Herman / Pool / AFP via Getty Images
スパ・フランコルシャンで行なわれたF1ベルギーGPは、悪天候によりスタートがディレイ。結果的に当初の予定時刻から大幅に遅れてレースが開始されたが、これにはドライバーから賛否の声が挙がっている。
現地時間15時スタートの予定だったレースは、当初オンタイムでセーフティカー先導でのフォーメーションラップがスタートしたものの、ドライバーが視界不良を訴えたこともあり、そのまま赤旗中断。ここから天候が回復するのを1時間以上待った結果、サーキットには晴れ間が差し込んだ。
約80分遅れの16時20分にスタートしたレースは、序盤こそウエットコンディションだったが、10周を過ぎたあたりからドライタイヤで走れるコンディションに変わっていき、レースの大半がドライレースとなった。決勝に向けて雨用セットアップにするか、晴れ用セットアップにするか、各陣営の判断が別れていたが、ほとんどがドライでのレースとなったことで、結果的に雨用のセッティングを選んだチームが悪影響を受けることになったとも言える。
18位でレースを終えたカルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)は、ピットレーンスタートを選んでハイダウンフォースの雨用セットアップに変更したひとり。そのギャンブルはスタートディレイによって水の泡となってしまったが、安全優先の慎重な判断は擁護した。
というのも、スパは高速のオー・ルージュ/ラディオンを有するハイスピードサーキット。特にラディオンが急坂で先の景色が見えないことは、大きなアクシデントを誘発する一因となっており、ここ数年でも2019年のF2でアントワーヌ・ユベールが、2023年のフォーミュラ・リージョナルでディラーノ・ファン・ト・ホフが、上り坂の先で起きた事故で命を落としている。特に後者は雨で視界不良の中起きたアクシデントだった。
サインツJr.は、もっと早くレースを始められたかという問いにこう答えた。
「普通のサーキットだったら、おそらく5分から10分くらい早く始められたかもしれない。でも、スパ・フランコルシャンという場所とそこでの歴史を考えたら、やっぱり安全に越したことはない」
「みんなレースをフルで見ることができたから、悪い判断ではなかったと思う。安全を優先した判断だったし、レースディレクターに敬意を表したい。彼はシルバーストンでのレース後に、『スパではより慎重に対応する』と言っていたけど、それを実行したんだ」
「事故を起こして後悔するより、安全を取る方がいいんだ」
サインツJr.の言うように、シルバーストンで行なわれた前戦イギリスGPの雨のレースとなったが、その中でアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)が視界不良の影響でアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に追突するというアクシデントが発生。この時のレースリスタートが早すぎたのではという見解も、今回の判断が慎重になった要因と考えられる。
一方、レースコントロールの判断に「ガッカリ」だと語ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。彼も雨用のセットアップをしていたひとりだが、ほぼドライコンディションになるまでレースを開始しないというのは、慎重すぎると述べた。
「僕らは(雨用の)セットアップを選択したのに、彼らはほとんどスリックのコンディションになるまでレースを始めさせてくれなかった。少しガッカリだよ」
「確かに、シルバーストンの後で『もっと慎重にしよう』と話はしたけど、今回は極端すぎたと思う」
「僕たちが選んだもちろん最終的には間違いだったわけだけど、それはウエットコンディションでレースをさせてくれなかったからだ。ドライで走るとなるとストレートが遅すぎた。それに今季のクルマ全体のバランスの問題もあって、余計に苦しかった」
またフェルスタッペンは、フォーメーションラップ時に視界不良を訴えたドライバーにも批判を向けた。
「ターン1からターン5の間は少し水が残っていたけど、セーフティカーの後ろで2周も走ればかなりクリアになっていたと思う。他の区間はもうスタートできる状態だった」
「それに、見えないならアクセルを緩めればいいんだ。そうすれば、いつかは見えてくる。そうしないならいっそ『完全にドライになるまで待ってスリックタイヤでスタートしよう』と決めた方がいい。こんなのは本当のウエットレースではないよ」
「結局のところ、彼らはやりたいようにやる。でもこれはみんなにとって残念だと思う。昔ながらのウエットレースは、もう二度と見られないのかもしれないね」
サインツJr.と同じくピットスタートだったルイス・ハミルトン(フェラーリ)も、フェルスタッペンと概ね同じ意見を持っている。やはりイギリスGPでリタイアが多発したことが、レースコントロールの過剰な反応に繋がってしまったのだろうと述べた。
「追い抜きながら走るのはすごく楽しかったよ。でも、明らかにレースは少し遅すぎるタイミングで始まったと思う。ずっと『もう行ける、もう行ける!』って叫んでたのに、ずっと(セーフティカー先導で)周回を重ねてたからね」
「前戦での早すぎる再開に対して『もっと慎重に』とドライバー側が言ったから、彼らも過剰に反応したんじゃないかな。今回は逆にやりすぎた。ローリングスタートにする必要はなかったと思う」
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