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分析

F1データ分析|圧倒的強さを誇る2023年のレッドブル。ハンガリーGPに勝てばマクラーレン・ホンダの”開幕11連勝”に並ぶ快挙。しかし”出走機会”連勝記録ならまだ上が!

圧倒的な強さを見せている2023年のレッドブル。ハンガリーGPを勝てば、連勝の新記録を樹立し、さらに開幕からの連勝でも最多記録に並ぶことになる。

Alain Prost, and team mate Ayrton Senna, McLaren MP4/4 at the start

 2023年のF1はレッドブルが圧倒的な強さを見せており、開幕戦バーレーンGPから先日行なわれたイギリスGPまで、実に10戦10勝。勝率100%を誇っている。

 もし今週末のハンガリーGPに勝利することになれば、マクラーレンが持つ開幕からの連勝記録を更新することになる。

 1988年のマクラーレンは、前年まで2年連続でコンストラクターズタイトル獲得に貢献したホンダのV6ターボエンジンを獲得し、超低重心のシャシー”MP4/4”に搭載した。このマシンをふたりの天才、アイルトン・セナとアラン・プロストが駆り、圧倒的な強さを発揮。開幕から連戦連勝していった。

 第11戦ベルギーGPを終えた時点で、セナ7勝、プロスト4勝。まさに敵なしの状態だった。当時は決勝に出走したマシンの約半数がリタイアするのが常という時代。そんな中でこのマクラーレン・ホンダMP4/4は、信頼性の面でも抜群の安定感を誇った。

 そして迎えた第12戦イタリアGP。このレースでもセナがポールポジションを獲得(このシーズン10回目!)し、決勝でもプロストはエンジントラブルでリタイアしたものの、セナが先頭を走った。

 これで12連勝決定かと思われたが、セナは残り2周というところで、周回遅れのジャン-ルイ・シュレッサー(ウイリアムズ)と接触し、スピン。縁石に乗り上げてしまいコースに戻ることができず、リタイア(10位完走扱い)となった。

 結局このレースを勝ったのは、地元レースとなったフェラーリのゲルハルト・ベルガー。2位にチームメイトのミケーレ・アルボレートが入り、フェラーリが1-2フィニッシュを達成した。なおこのレースの直前には、フェラーリ創始者のエンツォ・フェラーリが死去しており、まさに弔い合戦を最高の結果で終えることになり、サーキットに詰めかけたティフォシたちは歓喜に沸いた。

 ただその後もマクラーレン・ホンダの強さは揺るぎなく、第13戦ポルトガルGP以降も全勝。結局16戦15勝という結果でシーズンを終えた。シュレッサーとセナの接触がなければ、シーズン全勝を達成していても不思議ではなかった。

 レッドブルが今年のハンガリーGPを勝てば、この最強を誇ったマクラーレン・ホンダの開幕連勝記録に並ぶということになり、まさに歴史的瞬間を迎えるわけだ。

 なおシーズンをまたいでのグランプリ連勝記録も、現時点ではこのマクラーレンの11連勝が最多であり、レッドブルは昨年の最終戦アブダビGPでも優勝しているため、今回ハンガリーで勝利すれば、この記録を超える12連勝を達成し、新記録を樹立することになる。

 ちなみに出走機会の連勝記録にはまだ上がいる。それは、フェラーリが持つ13連勝だ。しかもこれを達成したのは、1952年から1953年にかけてである。

 フェラーリはF1が創設された1950年、第2戦のモナコGPからF1への参戦をスタートさせた。その年には勝つことができなかったが、1951年のイギリスGPで初優勝すると、優勝の常連となった。

 そして1952年のベルギーGPを勝利すると、連勝街道をまっしぐら。翌年の第8戦スイスGPまで、実に13連勝を達成したのだ。

 ただ、1953年の第2戦にはフェラーリは出走しなかった。この第2戦はインディ500。当時のF1にはインディ500も含まれていたが、車両規則が異なっていたため、ほとんどのチーム/ドライバーが欠場することを選択した。この年のフェラーリもインディ500を欠場したため、前年からの“出走機会の連勝記録”は13に伸びたわけだ。

 ただ、1952年のインディ500にはフェラーリは出走している。しかしアルベルト・アスカリをもってしても、予選25位がやっと。決勝でも200周のうちわずか40周しか走ることができなかった。なおアスカリは同年、インディ500以外の全てのグランプリに優勝し、チャンピオンに輝いている。

 もしこのレースを欠場していれば、フェラーリは同年の開幕戦スイスGPを勝っていたため、出走機会における連勝記録は14戦に伸びたはずだ。

 なお10連勝という記録はこれまで4回達成されている。それはフェラーリが1回(2002年カナダGP〜日本GP)、メルセデスが3回(2015年日本GP〜2016年ロシアGP、2016年モナコGP〜シンガポールGP、2018年ブラジルGP〜2019年フランスGP)である。

 お気づきになった方がいらっしゃるかもしれないが、2016年ロシアGPと2016年モナコGPの間は実は1戦だけ……ルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが1周目に同士討ちとなった、あのスペインGPだけなのだ。つまりあの同士討ちがなければ、連勝記録は21という驚異的な数字まで伸び、開幕からの連勝記録も15まで伸びたかもしれないのだ。それだけ当時のメルセデスは強かった。

 今季のレッドブル、特にフェルスタッペンは圧倒的な強さを誇っている。連勝記録更新を止める存在は現れるのだろうか?

■F1歴代連勝記録
13連勝(※参考記録):フェラーリ(1952年ベルギーGP〜1953年スイスGP)
11連勝:マクラーレン(1988年ブラジルGP〜ベルギーGP)
11連勝(継続中):レッドブル(2022年アブダビGP〜2023年イギリスGP)
10連勝:フェラーリ(2002年カナダGP〜日本GP)
10連勝:メルセデス(2015年日本GP〜2016年ロシアGP)
10連勝:メルセデス(2016年モナコGP〜シンガポールGP)
10連勝:メルセデス(2018年ブラジルGP〜2019年フランスGP)
9連勝(※参考記録):アルファロメオ(1950年イギリス/ヨーロッパGP〜1951年フランスGP)
9連勝:レッドブル(2013年ベルギーGP〜ブラジルGP)
9連勝:レッドブル(2022年フランスGP〜メキシコGP)
8連勝:マクラーレン(1984年イギリスGP〜1985年ブラジルGP)
8連勝:フェラーリ(2003年イタリアGP〜2004年スペインGP)
8連勝:メルセデス(2014年イタリアGP〜2015年オーストラリアGP)
7連勝:ウイリアムズ(1993年カナダGP〜イタリアGP)
7連勝:フェラーリ(2004年ヨーロッパGP〜ハンガリーGP)
7連勝:メルセデス(2015年中国GP〜イギリスGP)
7連勝:メルセデス(2020年トスカーナGP〜バーレーンGP)
※インディ500不出走のため、出走機会における連勝記録

 

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