マクラーレン、低ダウンフォースパッケージ開発が今後の“優先事項”に。超高速市街地サーキットだと「空力のスイッチがオフになる」
ラスベガスGPやアゼルバイジャンGPなど超高速市街地サーキットでのF1開催が増える中で、マクラーレンは低ダウンフォースパッケージ開発が今後の優先課題だと語った。
マクラーレンは、ローダウンフォースパッケージに関するマシン開発が2024年に向けた優先課題だと語った。
マクラーレンは今季、シーズン途中の大型アップデートによってMCL60の戦闘力を大幅に向上。打倒レッドブルを目指すメルセデス、フェラーリ、アストンマーチンに並ぶ対抗馬の一角となった。
シーズン後半には安定してレッドブルに挑戦してきたマクラーレンだったが、ラスベガスGPでは、ローダウンフォースパッケージに関してライバルから後れを取っていることが浮き彫りとなった。
長いストレートを直角コーナーで繋ぐレイアウトを持つサーキットがF1カレンダーに増えつつある今、マクラーレンがローダウンフォースパッケージの弱点を無視する訳にはいかない。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、ライバルに比べてローダウンフォースパッケージが劣っていることを全てのデータが示していると語った。
「この空気抵抗レベルで走らせる必要がある時、我々は競争力を失うようだ」とステラ代表は言う。
「我々が見ている限りでは、空力のスイッチがオフになる傾向があるようだ」
「それは誰にとっても同じだと思うが、問題はこの現象がどれほど大きいかということだ。我々のマシンはライバルたちよりもわずかに大きいようだ」
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
Oscar Piastri, McLaren MCL60
またステラ代表は、アゼルバイジャンGPの舞台バクー市街地サーキットや、ラスベガス市街地サーキットのような高速市街地戦の登場は、チームが低ダウンフォースパッケージを投入しないということがもはや選択肢にないことを意味していると語った。
「ミディアム/ハイダウンフォースパッケージの開発は今年も続けているが、ローダウンフォースパッケージにおける作業もかなり増えている。それらのサーキットに向けて準備したいのだ」とステラ代表は言う。
「バクーとベガス、モンツァ、スパと、(高速サーキットに)最適化されたマシンパッケージが必要なレース数が増えてきた。以前はスパとモンツァだけだった。だから今はいくつかのレースが追加され、それが優先事項になっている」
そしてステラ代表は、ローダウンフォースパッケージ投入時のマシン特性について、ダウンフォースが低ければ低いほど敏感になると説明する。フロントウイングのダウンフォースレベルが低いと、前輪周りの整流に影響が出るため、マシンパフォーマンスを大きく左右するのだ。
「リヤウイングのダウンフォースレベルを低くすると、(マシンバランス上の理由から)フロントウイングも低くする。これがフロントとリヤ両方に影響することが多々あるのだ。フロントウイングのダウンフォースを削ったら、フロントタイヤの乱流をコントロールしにくくなるからね」
ステラはそう説明する。
「それがマシンの挙動に影響するのだ」
「ただ段階的に(ダウンフォースを)失っていくのではなく、どこかでそれ以上に失うポイントがある。だから段階的なロスに戻したいと思うのだ」
なおマクラーレンはラスベガスGPに先立ち、1枚のビームウイングを備えた超ローダウンフォースパッケージを開発したものの、路面グリップの低さから、最終的な使用を見送った。
「新しいリヤウイングフラップがあったのだ」とステラ代表は付け加えた。
「ビームウイングを使って、さらにダウンフォースを削る選択肢もあった。しかし路面のグリップが低いため、ダウンフォースを残す必要があると考え、使わなかった。だからふたつのアップデートのうちひとつを使っただけだ」
「ただリヤウイングのダウンフォースレベルの変化による感度という点で、この種のアップデートではマシン特性は変わらないと分かっていた。そして、少し苦戦すると分かっていたのだ」
Additional reporting by Adam Cooper
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