F1ボルトガルGP予選:ハミルトン、まさかの2回アタックで鮮やかPP。フェルスタッペンは3番手
F1第12戦ポルトガルGPの予選は、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。
Lewis Hamilton, Mercedes F1 W11
Zak Mauger / Motorsport Images
F1第12戦ポルトガルGPの予選がアルガルヴェ・サーキットで行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得した。
今回がグランプリ初開催となるアルガルヴェ。現地時間14時からスタートする予定だった予選だが、FP3のセッション終盤、ターン14に設置されていた排水溝の蓋が外れてしまうというトラブルが発生。この修復作業によりセッション開始が30分遅れるとアナウンスされた。
マーシャルがコースを確認したところ、ターン14以外にも排水溝の蓋が外れる場所が何ヵ所か見つかったようで、速乾コンクリートなどで修復作業を行なうところが、国際映像にも捉えられていた。
結局、30分以上のセッションディレイとはならず、気温21度、路面温度35度というコンディションの中、現地時間14時30分から予選がスタートした。
Q1:30分遅れの予選開始、ラッセルがQ2進出
アルファタウリのピエール・ガスリーを先頭に、多くのマシンが続々とコースイン。メルセデスの2台や、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はコースインを遅らせ、機を伺った。
マクラーレンのカルロス・サインツJr.など、ハイペースで2周走りタイヤを暖めるマシンもある中、まずはレーシングポイントのセルジオ・ペレスが1分18分040でトップに立つ。それをフェラーリのシャルル・ルクレールが上回るが、フェルスタッペンやペレスがさらにそのタイムを塗り替えていった。
メルセデス勢は、残り時間12分ごろにアタックへ。バルテリ・ボッタスが1分17秒064でトップに立った一方、ルイス・ハミルトンは最初のアタックを中断。翌周に改めてタイムを出し、ボッタスと0.050秒差の2番手に続いた。
ガスリーが7周使ったタイヤで5番手に飛び込むなど、ソフトタイヤで2回以上アタックをするマシンが多く、フェルスタッペンも1分16秒879までタイムアップ。これで首位に立つが、ハミルトンがそれを0.051秒上回っていった。
各車が一旦ピットに戻り、残り6分を切ったころから2セット目のタイヤでのアタックへ。メルセデス勢とフェルスタッペン、ペレス、ルクレールのトップ5はガレージに留まったが、それ以外の15台がコースに出た。
ハース勢やウイリアムズ勢、アルファロメオのキミ・ライコネンがQ1敗退圏内にいる他、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はトラックリミット違反でのタイム抹消があり、14番手と危ない位置だ。
ガスリーが4番手にジャンプアップした他、ベッテルも8番手までポジションを上げ、Q2進出を決めた。Q2進出争いで速さを見せたのはジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)で、ライコネンに0.270秒差をつけ、今季7度目のQ1を突破を決めた。
Q1敗退はライコネン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)、ロマン・グロージャン(ハース)、ケビン・マグヌッセン(ハース)、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)の5台だ。
Q2:メルセデス2台、ルクレールがミディアムタイヤで通過。ベッテル、クビアトが敗退
決勝スタートタイヤが決まる可能性のあるQ2では、メルセデス勢がミディアムタイヤでコースイン。フェラーリの2台もミディアムタイヤを選択した。
ボッタスは1分16秒466をマークし、ミディアムタイヤでQ1よりも速いタイムを記録。ペレス、ランド・ノリス(マクラーレン)、フェルスタッペンが続いた。一方、ハミルトンはトラフィックに引っかかり、1周余計に走ったものの2番手に。フェルスタッペンも4周目に自己ベストを更新し、3番手となった。
ミディアムタイヤを履くルクレールは8番手と、Q3に進出できるかは微妙なポジション。ベッテルもタイヤをロックさせるシーンがあり、14番手に沈んだ。
各車一旦ピットに戻り、タイヤを交換して残り時間6分を切ったところから再度コースイン。フェラーリの2台は再度ミディアムタイヤでのタイムアップを狙った。メルセデスの2台は、Q3に向けてタイヤのウォームアップを確認するためか、ソフトタイヤに履き替えてコースインした。
風向きの変化などコンディションが変わってしまったのか、ここで大きくタイムアップするマシンは少なく、ルクレールはなんとか8番手でQ2通過。対して、ベッテルは「タイヤが全然機能していなかった」と語り15番手で予選を終えることになった。
また、Q2終了直後にはダニエル・リカルド(ルノー)がスピンを喫し、リヤウイングがタイヤバリアに軽く接触してしまった。ダメージは大きくなく、リカルドは自走でピットに戻った。
Q2敗退は、エステバン・オコン(ルノー)、ランス・ストロール(レーシングポイント)、クビアト、ラッセル、ベッテルとなった。なお、Q3進出を決めたガスリーとペレスが審議対象となることがアナウンスされている。
Q3:ハミルトン、まさかの2回アタックで鮮やかポール
12分間のQ3は、まずメルセデス勢がコースイン。ルクレール、フェルスタッペン、ペレスがそれに続いて、アタックに向かった。
まずアタックしたボッタスのタイムは1分16秒986。ミディアムタイヤで記録したQ2のタイムより遅かったが、ハミルトンも伸び悩み0.047秒差の2番手に留まった。2周使ってじっくりとタイヤを暖めたフェルスタッペンは、0.121秒差の3番手に続いた。
アルボンは唯一ミディアムタイヤでアタック。ボッタスと0.573秒差の7番手止まりだった。サインツJr.はソフトタイヤで2回アタックするなど、各車のタイヤ戦略が分かれる形となった。
ワンアタックにかけピットに留まっていたガスリーは、アルボンのアタックが終わるのを待っていたかのようにコースインし、9番手タイムを残した。
メルセデスの2台も、2度目のアタックはミディアムタイヤを選択。ハミルトンがいち早くコースインしたのに対し、ボッタスはコースインのタイミングを遅らせた。
ハミルトンはセクター2、セクター3で全体ベストをマークし、1分16秒934をマーク。0.052秒差でボッタスを上回った。対してボッタスはセクター1、セクター2で全体ベストを更新。上手く1周をまとめきり、1分16秒754までタイムアップしてみせた。
これでボッタスがポールポジション獲得、メルセデスがフロントロウ独占かと思いきや、ソフトタイヤでアタックしたフェルスタッペンが、メルセデスの間に割って入る2番手に浮上した。
しかしこれでは終わらない。早めにコースインしていたハミルトンは、ミディアムタイヤでの2回目のアタックを敢行。これがバッチリ決まり、1分16秒652までタイムを上げたハミルトンが、土壇場で今季9度目、通算97回目のポールポジションを獲得した。
2番手となったボッタスはハミルトンと0.102秒差、3番手のフェルスタッペンはハミルトンと0.252秒差だった。
4番手以下はルクレール、ペレス、アルボン、サインツJr.、ノリス、ガスリー、リカルドというオーダー。リカルドはQ2でのスピンによるリヤウイング交換が間に合わず、アタックすることができなかった。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ルイス ハミルトン | 8 | 1'16.652 | 219.986 | ||
2 | バルテリ ボッタス | 6 | 1'16.754 | 0.102 | 0.102 | 219.694 |
3 | マックス フェルスタッペン | 8 | 1'16.904 | 0.252 | 0.150 | 219.265 |
4 | シャルル ルクレール | 8 | 1'17.090 | 0.438 | 0.186 | 218.736 |
5 | セルジオ ペレス | 7 | 1'17.223 | 0.571 | 0.133 | 218.359 |
6 | アレクサンダー アルボン | 8 | 1'17.437 | 0.785 | 0.214 | 217.756 |
7 | カルロス サインツ Jr. | 6 | 1'17.520 | 0.868 | 0.083 | 217.523 |
8 | ランド ノリス | 6 | 1'17.525 | 0.873 | 0.005 | 217.509 |
9 | ピエール ガスリー | 5 | 1'17.803 | 1.151 | 0.278 | 216.732 |
10 | ダニエル リカルド | 0 | ||||
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