F1シュタイアーマルクGP決勝|ハミルトン、横綱相撲で今季初優勝。フェルスタッペン3位、メルセデスにワンツー許す
F1第2戦シュタイアーマルクGPの決勝レースが行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンが今季初優勝を飾った。
Race winner Lewis Hamilton, Mercedes, second place Valtteri Bottas, Mercedes, third place Max Verstappen, Red Bull Racing
Mark Sutton / Motorsport Images
F1第2戦シュタイアーマルクGPの決勝レースがレッドブルリンクで実施され、メルセデスのルイス・ハミルトンが完璧なレース運びで優勝を飾った。
豪雨の中で行なわれた予選とは一転、青空が広がったレッドブルリンク。気温21度、路面温度40度というドライコンディションでレース開始時刻を迎えた。
スタートタイヤの選択が自由な今回、多くのドライバーがソフトタイヤを選択。ダニエル・リカルド(ルノー)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ダニール・クビアト(アルファタウリ)など6台がミディアムタイヤでのスタートを選んだ。
71周のレースがスタートすると、ポールポジションのハミルトンが良い蹴り出しを見せ、2番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の前を塞いだ。これにカルロス・サインツJr.(マクラーレン)が並びかけるも、逆転することはできず3番手に留まった。
すると、後方ではターン3でフェラーリ同士の接触が起きてしまう。ベッテルはリヤウイングを損傷し、オープニングラップでレースを終えることになった。シャルル・ルクレールはフロントウイングやフロアにダメージを負い、緊急ピットインを強いられた。
これによりセーフティカーが出動し、4周目からレースが再開。ハミルトンはファステストラップを叩き出し、フェルスタッペンを引き離しにかかった。一方、ルクレールはマシンのダメージが大きく、6周目にレースを終えた。
その6周目にはボッタスがターン4でサインツJr.を交わし、8周目にはアレクサンダー・アルボン(レッドブル)もサインツJr.をパス。上位はメルセデス対レッドブルの構図となった。しかしハミルトンはファステストを連発し、フェルスタッペンをジリジリと離していく。
雨の予選で苦しみ17番手スタートだったセルジオ・ペレス(レーシングポイント)は、10周目までに11番手に浮上。ポイント獲得争いに加わると、15周目のターン3でランド・ノリス(マクラーレン)のインに飛び込みオーバーテイク。10番手に上がった。
時折速いラップを走り、少しずつリードを築いていくハミルトン。フェルスタッペンもやり返すが、17周目にはその差が3.5秒ほどまで広がった。
後方ではエステバン・オコンとリカルドがルノー同士の激しい6番手争いを展開。一方、8番手を走っていたピエール・ガスリー(アルファタウリ)はペースが悪化し、ランス・ストロール(レーシングポイント)とペレス、ノリスに相次いでオーバーテイクを許した。
フェルスタッペンにはボッタスもひたひたと近づき、24周目にはその差が2秒を切った。これを見て、レッドブルはすぐさまフェルスタッペンにピットインを指示。フェルスタッペンのマシンにミディアムタイヤを装着し送り出した。同時にガスリーもピットインし、こちらはハードタイヤに履き替えた。
その翌周には、6番手を走っていたオコンがピットインするが、タイヤを交換することなくそのままガレージイン。レースを諦めることになってしまった。
ハミルトンは27周を走りきってピットイン。フェルスタッペンと同じくミディアムタイヤを履いた。一方ボッタスは、セーフティカーの出動を期待してか、ソフトタイヤでの周回を続けた。
5番手を走っていたサインツJr.は、34周目にピットインするも左リヤタイヤの交換に時間がかかってしまう。これを見てストロールがピットイン。サインツJr.の前でコースに復帰することに成功した。
ボッタスも35周目にピットイン。フェルスタッペンの8秒後方でコースに戻った。アルボンも36周目にピットインし、これでトップ4がタイヤ交換義務を消化した。
レース半分以上を消化しソフトタイヤで走り続けていたペレスは、39周目にピットイン。紙一重の差でサインツJr.の前に出るが、サインツJr.も負けじとターン4でペレスをオーバーテイクした。しかしペレスは諦めず、ターン6でサインツJr.をアウト側からねじ伏せた。
首位のハミルトンはフェルスタッペンとの差を5秒前後でキープ。フェルスタッペンよりタイヤが10周分新しいボッタスが徐々に近づくという、フェルスタッペンにとってはつらい挟み撃ちの展開となった。
ペレスはチームメイトのストロールを交わすと、すぐさまリカルドのテールに食らいつき、簡単にオーバーテイク。これで5番手、スタート位置を考えると驚異のリカバリーだ。
ペレスの次なるターゲットは、ペースが振るわずボッタスから33秒離されている4番手のアルボン。51周目に1分7秒513のファステストを記録したペレスは、55周目にはさらに1分7秒410をマークし、周回遅れに詰まったアルボンのDRS圏内に入った。
リヤタイヤが厳しいと無線で訴えるフェルスタッペンにボッタスが一気に接近。ターン4でイン側に飛び込まれたフェルスタッペンだが、アウト側からボッタスを抑え込む粘りの走りを見せた。しかし、翌67周目に改めてボッタスがオーバーテイクし万事休す。後ろに大きなギャップがあることから、フェルスタッペンはピットインし新品ソフトタイヤに交換。ファステストラップのボーナスポイントを狙いに行った。
そのままチェッカーを迎えるかと思われたが、最後にもう一波乱が待っていた。アルボンに襲いかかっていたペレスだが、ターン5で両車が接触。ペレスはフロントウイングにダメージを負ってしまう。さらにターン3でストロールがリカルドと接触しながら強引にオーバーテイク。しかし両車が失速し、その後方にノリスが迫った。
ノリスはリカルドを交わし、ストロールの後ろでファイナルラップに突入。バックストレートでストロールを交わすと、フィニッシュ直前でペースを落としていたペレスを逆転することに成功したのだ。
これによりノリスが5位に入賞。開幕戦に続いてファイナルラップで光る走りを見せた。驚異の追い上げを見せたペレスが6位、ストロール、リカルドが続いた。しかし、ストロールとリカルドの接触は審議対象となっている。
トップチェッカーを受けたのはハミルトン。終わってみれば、レースを完璧にコントロールする完勝だった。2位にはボッタスが入り、メルセデスが今季1回目のワンツーフィニッシュとなった。
フェルスタッペンは3位。トラフィックに巻き込まれ、ファステストラップは獲れなかった。アルボンは粘りの走りでなんとか4位を守りきった。
ファステストラップを記録したのは、9位のサインツJr.。10位のクビアトまでがポイント獲得となった。
順位 | ドライバー | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | 平均速度 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ルイス ハミルトン | 71 | 1:22'50.683 | 25 | |||
2 | バルテリ ボッタス | 71 | 1:23'04.402 | 13.719 | 13.719 | 18 | |
3 | マックス フェルスタッペン | 71 | 1:23'24.381 | 33.698 | 19.979 | 15 | |
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