計画通り……! キャシディ、フォーミュラEベルリン戦でのキャリア2勝目に「思い描いた通りのレース展開になるのは初めて」
フォーミュラE第8戦ベルリンePrixを制したエンヴィジョン・レーシングのニック・キャシディは、チェスマッチのような頭脳戦ながらもレース展開は「計画通りに進んだ」と振り返った。
写真:: Andreas Beil
第7戦と第8戦のダブルヘッダーとなったフォーミュラEベルリンePrix。2レースを通して頭脳戦となったものの、4月23日(日)の第8戦を制したエンヴィジョン・レーシングのニック・キャシディにとっては想定通りのレースだったようだ。
ドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港跡地の仮設コースで開催されたベルリンePrixは、いかにエネルギー消費を抑えるかが重要となるレースに。各ドライバーはエネルギーをできるだけ節約するために、空気抵抗を一番多く受ける首位に立つことを嫌い、アタックモードを”消化”したり、コーナーのかなり手前でアクセルを戻したりと、リードを譲り続ける展開となった。
ただ、ポジションを落としすぎると挽回ができなくなってしまう……そのため、首位がコロコロと入れ替わり、各車がポジション取りを行ないながら数珠つなぎで周回を重ねていった。
予選の”デュエルス”トーナメントに進出するもパワー超過によってタイム抹消を受け、8番手スタートとなったキャシディも、その上位集団に終始加わり、レース折返しを過ぎた頃にはキャシディが首位に立つ番となった。
キャシディも他のドライバーと同様に、レース終盤の真剣勝負に向けて首位を明け渡すかと思われたが、リードを保持。エネルギー不足で失速することもなく、アンドレッティのジェイク・デニスを最後まで抑え込んでトップチェッカーを受けた。
キャシディとしては昨シーズンのニューヨークシティePrixレース1での初勝利以来、キャリア2勝目となった。
「今回もエキサイティングなレースだった。今年のレースを本当に楽しめている」
レース後にキャシディはそう語った。
「ペースが上がったり下がったりするから、ライバルを見てくれているチームとコミュニケーションを取って、ペースを切り替えていく必要があるんだ。彼らは僕が必要な数字を全て教えてくれたよ」
「レース序盤は、ここで苦労するだろうなと思っていて、無線で『リードしたくない』と言っていた。チームからは首位から離れろと指示があったけど、みんな僕を追い抜こうとしなくて、僕が少し(首位に)留まることになった。ジェイクが助けになったのはラッキーだったね」
「多かれ少なかれ、レースの前に計画していた通りにレースが運んだのは本当に初めてだよ。いつもどうなって欲しいかという想像はするけど、実際に起こることはそうそうないよね」
Nick Cassidy, Envision Racing, 1st position, celebrates at the podium ceremony with his team
Photo by: Sam Bagnall / Motorsport Images
また、キャシディは4月22日(土)の第7戦で5位に入賞しているが、この結果はダニエル・ティクトゥム(NIO333)との接触で一度ピットに戻りながらのモノ。4位以上も望めたと考えていただけに、翌日の第8戦で優勝という結果を残せたことを喜んだ。
「ここ5戦はずっと戦えていたし、土曜日には絶好のチャンスがあったのに僕がミスを犯してしまった。僕はそれに怒っていたけど、日曜日は悔いが残らないようにできた」とキャシディは言う。
「僕の仲間たちに本当に感謝している。今シーズンは全てのレース週末で勝つ機会がある。ドライバーにとっては夢みたいだよ」
なお、3位表彰台を獲得したジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)は、キャシディが首位をキープし続けたことに驚きを隠せないでいた。
「トップを走り続けたニックが、後続と比べてエネルギー不足にならなかったのはすごいと思う」とベルニュは言う。
「ジェイクが勝つと考えていたから驚きだ。彼らは本当に強力みたいだ」
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