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阪口晴南、覚醒前夜か。5年ぶり2位表彰台でみなぎる自信と覚悟「毎年チャンスが来るような甘い選手権ではない。勝ち切りたい」

阪口晴南はこれまで、スーパーフォーミュラで中団上位というポジションからなかなか脱却できずにいたが、第2戦もてぎでの2位表彰台を契機に初優勝に向け鼻息を荒くしている。

Sena Sakaguchi, SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING

写真:: Masahide Kamio

 ここ最近、上位陣が固定されている感があったスーパーフォーミュラだが、2026年第2戦もてぎでの表彰台の顔ぶれはフレッシュなものとなった。特に2位に入った阪口晴南(SANKI VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)にとっては、事実上のルーキーイヤーである2021年以来5年ぶりの表彰台であった。

 阪口は2021年のフル参戦デビュー以来、セルモ・インギング一筋で戦ってきたが、中団グループのドライバーというイメージが強くなってしまっていた感がある。数多くのトラブルに見舞われた2024年を乗り越え、昨年は3度の5位を含む8回の入賞を記録したが表彰台には手が届かず、シリーズランキングも10位に終わった。

 しかし阪口は、今年2月に鈴鹿で行なわれた開幕前テストで確かな手応えを掴んでいた。これまでは安定してトップ10で走ることはできていたものの、その上の段階までパフォーマンスを引き上げることに苦戦していたが、このテストでは「ベースアップができた」と語っていた。

「(セットアップを)変えたことへの感度も明確で、有意義なテストでした」

「今のスーパーフォーミュラは数年前のように、毎回上位でゴールする人が変わるレースではありません。その中で何が重要かというと、ベースアップだと思います。それができたという意味でも良いテストだったと思います」

 ただ、迎えたもてぎでの開幕ラウンドでは初日からつまずくことになる。FP1は18番手で、FP2は19番手に終わり、土曜日の第1戦も予選12番手から決勝12位。新舗装路面などトリッキーな要素はあったが、前述の通り上位に食い込める手応えがあって臨んでいただけに「自惚れてましたね(笑)」と本人もお手上げといった様子だった。

写真: Masahide Kamio

 阪口は以前から、スーパーフォーミュラは最初の走行セッションでの“持ち込み”セットアップを外してしまうと、そこからレースウィーク中に挽回するのはかなり難しいと話していた。しかし、渡邊信太郎エンジニアと共に改善に取り組んだところ、第2戦の予選では5番グリッドを獲得。決勝では1周目で3番手に上がると、レースペースに苦しむチームメイトの大湯都史樹をオーバーカットし、2位フィニッシュを果たした。

 この成功体験は、阪口にとっても大いに自信となったようだ。週末の流れについて、彼は記者会見でこう説明した。

「新体制のセルモになって今年で3年目で、テストを重ねて少しずつベースアップしてきたのですが、FP1で18番手だったんですよ。その調子の悪さをFP2や1回目の予選でも取り戻せず、非常に悩んだ2日間でした」

「好調だった39号車(大湯)も参考にさせていただきましたが、それってスーパーフォーミュラでは難しいんですよ。同じようにセットアップしても同じようにはいかなかったりするので。ただ僕が信頼しているエンジニアの皆さんが細かいところまで詰めてくれた結果、今日の予選を走り始めたら『お、違うぞ』という感じでした」

「自信がついたと思います。僕らはこういう立て直し方ができるんだと実感できました。SFは最初のフリー走行でしくじるとそこから戻って来れないことでお馴染みの選手権ですが、そうならなかったことが自信になりました」

「単なるラッキーではなく、みんなで立て直せたという意味で充実したレースウィークでした」

写真: Masahide Kamio

 スーパーフォーミュラではフル参戦6年目の阪口。10代でF3を戦っていたためまだ26歳と若いが、そろそろ大きな結果が欲しいところだろう。いつもは柔和な表情の阪口だが、パルクフェルメインタビューや記者会見での顔つきからは、この千載一遇のチャンスをなんとしても掴みたいという覚悟も感じられる。

「5年前のもてぎが最後の表彰台ということですが、その時からずっとセルモと一緒にやらせてもらっています。結果が出ない中でも僕を毎年起用し続けてくれたセルモに少しは結果で返せたと思っているので嬉しいですし、皆さんに感謝です」

「今年は本当にチャンスな年だと思います。毎年毎年チャンスが来るような甘い選手権ではないので、結果が残せるうちに勝ち切りたいという思いが強いです。そこにはチームの協力が必ず必要なので、チーム、チームメイトと共に最高の結果を残して頑張りたいです」

 また今回のレースでは、一時セルモ・インギングが1-3体制を築くなど、2台揃って好調であった。阪口担当の渡邊信太郎エンジニア、大湯担当の岡島慎太郎エンジニアの“ダブルしんたろう”体制は非常に連携が強固であり、阪口曰く「僕と渡邊信太郎さんの会話よりも、ふたり(渡邊エンジニアと岡島エンジニア)が会話している時間がすごく長い」という。

 そのため阪口は、「ふたり揃って調子良いことが多いので、ワンツーが狙えると思います」と話す。石浦宏明、国本雄資のコンビで3年連続のドライバーズタイトルを獲得した、あの頃のセルモ・インギングを復活させることはできるだろうか。

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