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来季は2〜4人? 今こそスーパーフォーミュラに外国人ドライバーを:英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記

日本を拠点に活動するmotorsport.comグローバル版のニュース・エディター、ジェイミーがお届けするコラム。今回のテーマは、スーパーフォーミュラにおける外国人ドライバー参戦の重要性について。

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

写真:: Masahide Kamio

 今月初め、日本はようやく外国人旅行者に対する諸制限を解除しました。コロナ禍前には約3100万人もの観光客が訪れていたと推定されていますが、そんな貴重な収入源をコロナ禍によって失っていたレストランやバー、その他の娯楽施設にとってこの動きは歓迎すべきことでしょう。

 この動きはモータースポーツ界にとっても追い風になるはずです。特にスーパーフォーミュラは、この機会に多くの外国人ドライバーを迎え入れる必要があるでしょう。

 世界のあらゆるレースが多かれ少なかれパンデミックの影響を受ける中、スーパーフォーミュラは特にその打撃を受けました。そんな中で彼らは“NEXT 50”と呼ばれるプロジェクトを立ち上げ、環境負荷やレース性の向上といった面からマシンを改良するなど、人気向上に向けて努力を重ねて来ました。

 とはいえ、車両の見た目も中身もほとんど同じなワンメイクカテゴリーであるスーパーフォーミュラにとっては、いかに優秀なドライバーを多く集められるかという点が重要になります。

 コロナ禍以前のスーパーフォーミュラは、日本人のベテランに若手、そこに海外から来た注目株が理想的な形で入り交じっていたように思います。2019年シーズンのグリッドにはストフェル・バンドーンやピエール・ガスリーのような後にF1で活躍するようなスターはいませんでしたが、開幕戦に出場した21人の内、3分の1である7人が外国人ドライバーであり、開幕戦のみの出走に終わったトリスタン・シャルパンティエを除けば、それぞれがヨーロッパのファンによく知られた興味深いバックグラウンドを持つドライバーでした。

ハリソン・ニューウェイ

ハリソン・ニューウェイ

Photo by: Masahide Kamio

 2020年シーズンからコロナ禍に見舞われましたが、各チームの参戦体制が確定したのはパンデミックの前であるため、実際にドライバーラインアップにコロナ禍の影響が色濃く出たのは2021年シーズンからでした。同年に参戦した外国人ドライバーはタチアナ・カルデロン、サッシャ・フェネストラズ、ジュリアーノ・アレジのわずか3名。代役参戦のアレジは別としても、当初フル参戦を予定していたカルデロンとフェネストラズは入国制限の影響で多くのレースを欠場せざるを得ませんでした。

 こういった状況は2022年シーズンも変わらず、今季の外国人ドライバーはフェネストラズとアレジのふたりのみ。2023年に向けてもその数が劇的に増えそうな兆しはありません。来季からフォーミュラEに参戦するフェネストラズに関しては、掛け持ちでスーパーフォーミュラにも参戦できる可能性は高そうにありません。アレジはTOM'S残留が既定路線に思えますが、だとすると彼の他にどんなドライバーに参戦の可能性があるのでしょうか?

 元F1ドライバーのロベルト・メルヒには、先日スーパーフォーミュラ・ライツで走ったB-Max Racingから参戦するチャンスがあるでしょう。また、今季のフォーミュラ・リージョナル・アメリカズ選手権でチャンピオン獲得目前のラウル・ハイマンも、王者に与えられるホンダ・パフォーマンス・デベロップメント(HPD)のスカラシップを利用してホンダエンジン搭載チームのどこかに入る可能性も考えられます。

 また、レッドブルからもかつてのように刺客が送られてくる可能性があります。海外のレッドブルジュニア参戦があれば2019年のユーリ・ヴィップス以来となりますが、彼らがそもそもSFにドライバーを送り込むことを計画しているのか、そして送り込む場合も誰が候補になるのかはまだ不明です。

 来季に関しては、いくつかの要素がどう作用するか次第にもなりますが、外国人ドライバーの数は2人から4人の間になりそうです。3人以上となれば少なくとも今季よりは増加したことになりますが、スーパーフォーミュラはガスリーやバンドーンのような国際的なドライバーを惹きつけるためにもっとできることがあるはずです。

 まず大きな障壁となってしまっているのが、F1との日程重複です(現時点では7大会中3大会が日程重複)。これは、F1チームのリザーブドライバーとしてできるだけ多くのレースウィークエンドに帯同したいと考えているドライバーにとっては不都合だからです。

 その好例と言えるのがテオ・プルシェールです。過去2シーズンF2で好成績を挙げてきた彼は来季F2に参戦しない意向を示していますが、来季はアルファロメオF1チームに帯同して2024年のF1昇格に向けて良い立ち位置にいたいと考えているのです。

プルシェールはF2での実績十分

プルシェールはF2での実績十分

Photo by: Alfa Romeo

 プルシェールの他、今季のF2チャンピオンで来季のF1レギュラーシートを得られていないフェリペ・ドルゴビッチも、スーパーフォーミュラが呼び込むべきドライバーです。そういったドライバーを来日させるには、選手権の代表者がドライバーと接触し、外国人ドライバー起用に興味を示すチームと連絡を取るよう提案するなどといった働きかけが必要だと思います。

 また、そういったドライバーにスーパーフォーミュラのマシンをテストさせる機会を増やすことも重要だと思います。現状はシーズンオフに一度ルーキーテストが開催されていますが、昨年のようにF2のシーズンが閉幕する前に開催されてしまうと、海外の有力選手にとっては参加が厳しくなってしまいます。

 オフシーズンのテストを増やしてその費用をチームに負担させるわけにもいかないとは思いますが、スーパーフォーミュラは同シリーズへの転向を検討しているドライバーのためにマシンを積極的に提供するようチームに奨励し、そういった機会があれば積極的に公表することで、ドライバーからのさらなる関心を集めるべきでしょう。

 スーパーフォーミュラにとっては、2023年にビッグネームをひとりでも獲得すれば、2024年以降に向けてプラスに働くでしょう。かつてバンドーンやガスリーが参戦していた時は、これまで参戦を考えていなかったような多くのドライバーにスーパーフォーミュラを意識させ、実際にコロナ禍が始まるまでは多くの有力選手の参戦を実現させました。

 また海外のファンの関心を集めることで、スーパーフォーミュラで活躍する日本人ドライバーのレベルの高さを世界中に知らしめることができます。これまで海外でレースをする機会に恵まれてこなかった日本の若手ドライバーにとっても、それがプラスに働くことでしょう。

 NEXT 50プロジェクトを通してスーパーフォーミュラが大変な努力をしていることには疑いの余地はありませんが、2023年に向けてプルシェールやドルゴビッチといったドライバーを獲得することは、スーパーフォーミュラが短期的・中期的に成長する上で最善のことであると考えています。それは決して簡単なことだとは言いませんが、それだけの価値があるはずです。

 
 
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