大排気量エンジン回帰の可能性がにわかに浮上するレース界。スーパーフォーミュラも“音”の重要性を認識も、やはり鍵は燃料面
F1はカーボンニュートラル燃料への切り替えに成功すれば、将来的にハイブリッドを廃止してV8エンジンに回帰する可能性を示唆している。スーパーフォーミュラも大音量エンジンは魅力だと考えている一方で、やはり燃料の面での環境対策が欠かせないとの見解を示した。
先日、F1のステファノ・ドメニカリCEOがmotorsport.comイタリア版を含む一部メディアの取材に応え、将来のF1エンジンについて興味深いコメントを残した。環境に配慮したカーボンニュートラル燃料の使用が軌道に乗れば、将来的には現行のハイブリッドシステム廃止を含めた様々な可能性を検討すると語ったのだ。
F1は2026年からエンジンに関するレギュレーションが刷新されるが、2014年から続くV6ターボエンジンとエネルギー回生システムのハイブリッドは継続され、新規則では電動モーターからの出力割合が増えてエンジンと1:1に。つまり、より多くの電気エネルギーを使ってマシンを走らせることになる。
ただそれと同時に、2026年からF1ではカーボンニュートラル燃料の使用も義務化される。これによって化石燃料を使用せず、環境負荷の低い形でエンジンを回すことができれば、ハイブリッドを廃止してV8やV10といった自然吸気の大排気量エンジンに回帰することも選択肢のひとつではないかという声は、かねてより挙がっていた。
日本のトップフォーミュラであるスーパーフォーミュラでは“NRE”と呼ばれる直列4気筒ターボエンジンが採用されているが、同シリーズは2022年に、排気管のレイアウトを工夫することでV8エンジンのような甲高いサウンドを目指した開発テストを実施するなど、“音”に関するエンターテインメント性向上を模索してきた。
そんなスーパーフォーミュラを開催する日本レースプロモーション(JRP)の会見の中では、先日のF1エンジンに関する報道に絡めてJRP側の意見を問う質問も出たが、近藤真彦会長は、関係者と様々な議論をする中でエンジンの話題になることもあるとして、次のように述べた。
「本当に色々なことを考えています」
「ターボ(エンジン)じゃないだろうな、といった話も出ていたり……エンジンの話もゼロじゃないです。音も大事だなという声も出ています」
また近藤会長は、上野禎久社長とタクシーで移動していた際のエピソードを明かして会場を笑わせた。
「この前福岡で仕事があって、タクシーの中でふたりでエンジンの話をしていました。そこでV8という話をちょろっとしただけなのですが、それを聞いた運転手さんが『V8にするんですか!?』って(笑)」
「それで『将来スーパーフォーミュラがV8になったら運転手さんのおかげですよ』なんて言って(笑)。興味のある方が多いんだなと。それがヒントになるとまでは言いませんが、V8という単語は響くんだなと思い、刺激にはなりましたよね」
また上野社長は、仮にスーパーフォーミュラがダウンサイジングから脱却してV8エンジンなどを採用することになるとしても、F1同様に燃料面での環境対策は必須だと強調。「やはり社会と乖離するのはダメですから。燃料サイドでそういったものをクリアすることは必要です」と話した。
なおスーパーフォーミュラは、2024年シーズン中にカーボンニュートラル燃料を投入することを目指している。ただ、具体的な投入時期などは明らかにされていない。
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