最後尾から怒涛の追い上げ4位で入賞、キャシディ「自分の強さは証明できたと思う」
2020スーパーフォーミュラ第7戦富士で最後尾スタートとなってしまったニック・キャシディだが、4位までポジションを上げる快進撃をみせた。
Nick Cassidy, VANTELIN TEAM TOM’S
Masahide Kamio
富士スピードウェイで行なわれた2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第7戦。最後までチャンピオン獲得をかけて怒涛の追い上げを見せたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)は4位に終わり、2年連続のチャンピオン獲得はならなかった。それでも自分の強さは証明できたと、キャシディは最終戦のレースを振り返った。
決勝日の午前中に行なわれた公式予選でキャシディは、Q1で2度のトラックリミットオーバーを犯してしまい、該当ラップタイムが抹消。これにより最後尾の20番グリッドからレースをスタートすることとなった。
第6戦終了時点でランキング4番手につけていたキャシディにとっては、チャンピオン獲得のためには最終戦となる第7戦で優勝しなければいけないという状況。グリッド最後尾となったことで、逆転王座の可能性はかなり難しくなったかと思われた。
しかし、スタートが切られるとキャシディは序盤から大きくポジションを上げた、オープニングラップで12番手に浮上すると、8周目にサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)をパスしポジションをさらにひとつ上げた。
「今回はタイヤウォーマーがあるとはいえ、とても厳しい路面温度だった。だけど良い動きをすることができたから1周目で6~7台は追い抜くことができたし、特にフェネストラズをパスしてからは良いペースで走ることができた。あれがすごく大きかった」
ピットストップウインドウが開く10周目を過ぎると上位陣が続々とタイヤ交換を行なったが、キャシディはステイアウトを選択し、好ペースで周回を重ねた。直前の8分間ウォームアップでトップタイムを記録していたキャシディはレースペースに自信があったということで、前方がクリアな状態で走れる時間を維持するためにステイアウトを選択したという。
「(今回の戦略に関しては)まず、どういったレース展開になっていくかを見る必要があった。ウォームアップで僕はトップだったし、ロングランでのクルマのバランスも非常に良かった。周りのドライバーがピットインしたことで自分がクリーンエアを得られることになって、タイヤも消耗していかなかったから良いペースで走れた。あの場面はすごく良かったと思う」
ピットアウト直後は、山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とのサイドバイサイドのバトルを繰り広げ、最終的にオーバーテイクを決めたキャシディ。結果的にチャンピオンは山本となったのだが、このバトルで少なからず自分の強さは証明できた語った。
「正直、今年のホンダエンジンのアドバンテージは非常に大きなものがあった。その中でも今回(山本)尚貴とのバトルに勝つことができたし、今年は何度も彼を追い抜いている。その部分では自分の強さを証明できたと思っているし、自分にとってはすごく重要なことだった」
チャンピオンを獲得できなかった悔しさはあるもの、最後尾から4位まで追い上げられたことには「良いレースだった」と満足した表情を見せたキャシディ。来季からフォーミュラEに参戦するため、これで一旦日本を離れることになるが、「今シーズン、たくさん応援してくれて本当にありがとう!」と、声援を贈ってくれたファンに対し感謝の気持ちを述べた。
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