スーパーフォーミュラ 富士公式テスト

「自ら『アンダーステアを消した方がいい』と求めるようになった」Jujuが見せたドライビング面での成長をチームが明かす

TGM Grand Prixの池田和広代表は今季デビューしたJujuについて、ピーキーだがタイムが出やすい傾向のセットアップを求めるようになるなど、ドライビング面で次第に進化しているとの実感があるという。

Juju, TGM Grand Prix

Juju, TGM Grand Prix

写真:: Masahide Kamio

 スーパーフォーミュラ初の日本人女性ドライバーとして注目を集め続けるJuju。現在も依然としてライバルとの差を少しでも詰めようとしている段階だが、そんな彼女が見せる着実な成長について所属チームのTGM Grand Prixが明らかにした。

 最年少の18歳、これまでは海外を中心に活動してきたJujuのスーパーフォーミュラ参戦にあたっては話題先行の面は否めず、その実力には疑問符が付けられていた。昨年12月の鈴鹿テスト以来、2月の同じく鈴鹿テスト、そして開幕戦鈴鹿、第2戦オートポリス、第3戦SUGOとここまで経験を積んできたが、チームとの連携、自身のドライビング共に着々と進歩している様子だ。

 パフォーマンス面で言えば、予選でライバルのタイムを上回ったり、決勝でライバルを抜いて追い上げていくといった段階には未だ至っていない。しかしながら、予選タイムにおけるポールタイムとのパーセンテージという尺度で言えば、チームとのコミュニケーションミスでセッションをまとめられなかった開幕戦鈴鹿では105%、フリー走行のトラブルが痛手となった第2戦オートポリスは104%、そしてトラブルフリーとなった第3戦SUGOでは103%と、歯車が噛み合うのに伴って徐々にその差を縮めていることが見てとれる。

 Juju本人はこれまで、練習機会が少ないことによる経験不足を課題として挙げていたものの、ドライビングの面で具体的にどのような点に苦戦しているかについては、あまり詳細なコメントをしてこなかった感がある。しかし富士スピードウェイで行なわれている公式インシーズンテストを前にしたメディア会見で、所属チームであるTGM Grand Prixの池田和広代表がその一端を明かした。

 池田代表によると、Jujuはこれまでアンダーステア傾向のセットアップでマシンを走らせていたという。

 アンダーステアは平たく言えばフロントのグリップがリヤと比べると乏しい状態であり、リヤの安定性はあれど、なかなか曲がらない……しかし曲がりすぎることはない。その逆がオーバーステアであり、リヤの不安定さから操縦の難しいピーキーな挙動になる一方で、方向転換”しやすい”状態……そう言うべきか。

 チームとしてはオーバーステア傾向のセットアップの方が「タイムが出せる」という考えがある一方で、Jujuの場合は経験不足もあってそういった方向性に持っていくのは難しかったようだ。しかしながらJujuも日を追うごとに成長し、今ではアンダーステア傾向を消すようなリクエストも自らするようになったという。

 会見の中で「皆さん、Juju選手が昨年の12月に初めてスーパーフォーミュラに乗ってから、今どのくらい進化しているのかは気になるところだと思います」と切り出した池田監督。彼はこう続けた。

「言葉では言うのは難しいですが、走れば走るほど進化しているのは間違いありません」

「セッティング面で言えば、アンダーステアのクルマは安定して走れる傾向にあるのですが、車体の面だけで言えば、フロントが入っていくオーバーステアのピーキーなクルマの方がタイムは出しやすかったりするので、そういったところを乗りこなしていかないといけません」

写真: Motorsport.com Japan

「チームとしてはそういう(セッティングを)要求したいんだけど、路面温度が低いとか、雨が降っているといった状況もありますので、なかなかキツいなという葛藤もあります。でも自分の中で……慣れてきたよね?」

 そう隣のJujuに話を振った池田監督。Jujuはやや苦笑しながらも、スーパーフォーミュラのマシンに慣れてきたのは確かだと認めた。

「正直もっと練習したいとは思いますが……チームもこの短期間で、私が少しでも安心して自分の走りができるように考えてくれていますし、私自身も少しずつスーパーフォーミュラのマシンに慣れてきたのかなと感じています。前回のSUGOのレースは自分の自信にも繋がったので、これからをとても楽しみにしています」

 それに補足する形で、池田代表は次のように述べた。

「いつもアンダーアンダーと言っているけど、前回は『いや、もっとアンダーを消した方がいいと思う。もっとフロントを入れた方がいいと思う』と自分からコメントしたんですよね。これは大きな進歩だと思っていますし、これからがすごく楽しみです」

 Jujuに対して「ここ(富士)はいっぱいトライできるから。ぜひいっぱい飛び出してもらって……万が一の時はご請求させていただきます(笑)」とジョーク交じりに語りかけた池田代表。今回の富士テストは、Jujuにとって更なる成長のチャンスになるだろうか。

 

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