安田裕信がスーパーGTカムバックを決めた理由。新体制で“イチからのスタート”切るANEST IWATAに魅力「そこに自分の実力をぶつけたい」
2シーズンぶりにスーパーGTに参戦することになる安田裕信は、新体制のチームを作り上げていくというチャレンジングさに魅力を感じたのがANEST IWATA Racing加入の決め手になったという。
写真:: Motorsport.com / Japan
スーパーGT・2025年シーズンの体制発表を行なったANEST IWATA Racing。3年目となる今季は体制を一新しての挑戦となるが、これは今季からチームに所属するベテラン、安田裕信にとっても加入の動機となるものだったようだ。
これまではアルナージュとのコラボレーションにより、『ANEST IWATA Racing with Arnage』名義でスーパーGTのGT300クラスに参戦していたアネスト岩田。しかし今季からはアルナージュの参戦権を譲り受けたことで同社単独でのエントリーとなり、昨夏に設立された子会社『ANEST IWATA A.I.R.』でレース運営を行なっていく体制に刷新された。
これに伴い、独自のファクトリーを構えての自社メンテナンスも検討されていたというが、今季はGT300のチャンピオン経験もあるGAINERをメンテナンスガレージに迎えての参戦。エンジニアはスーパーフォーミュラの昨季王者、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGを率いる吉田則光エンジニアを新たに迎えた。車両はRC F GT3を継続しつつ、ドライバーは速さに定評のある若手イゴール・オオムラ・フラガの相方として安田が加わり、松浦佑亮監督をして「申し分ない体制」と言わしめるパッケージとなった。
「ドライバー、チーム、エンジニア、メンテナンス、全ての体制が刷新されています。この2025年シーズンが、ANEST IWATA Racingとしての“本当のスタート”になるのかなと思います」
そう語るのは松浦監督だ。
「今のGT300は非常に難しく、サーキットの状況、クルマのパフォーマンス、そこにタイヤやセッティングが絡んできますが、そういったものがマッチすれば結果は必然的に出るという体制はできています。そういったマッチングを、我々の出る7大会(※)で何度引き出せるかが監督としての任務だと思っています」
※編注:第3戦セパンはピットの数の関係などで既存のGT300チームの参加台数が20台前後に限られる予定。昨年ランキング下位に沈んだANEST IWATA Racingは現状参戦できないことになっている。
写真: Motorsport.com Japan
そんな松浦監督が、ベテランとしての経験値をチームに還元してほしいと期待を向けるのが安田だ。安田は長らく日産/NISMOのドライバーとして国内レースの第一線で活躍。2008年にはMOLAでGT300王座に輝き、GT500でも複数回の優勝経験を持つ。2023年をもってNISMOとの契約が終了していたが、1年のブランクを挟んでレクサス車でスーパーGTにカムバックすることになった。
安田としてもドライバーとして引退し、これまで数々のトップドライバーを輩出してきたドライバー育成に専念するか悩んでいたという。しかしANEST IWATA Racingからのオファーは、これまでにない魅力があったという。
「自分は日産のドライバーとして長く乗ってきて、色々なレースを経験させていただきました。若いドライバーの育成にも力を入れていますし、スーパーGTから引退するか悩んだのですが、アネストさんからお話をいただいて体制を聞いた時、もう一度精一杯やりたいポジションだと感じました」
「ANEST IWATA Racing with Arnageの時とはまた違って、新規チームのANEST IWATA Racingとして新しく立ち上げるということで、チャレンジングな部分があるなと。今まで自分はIMPULさん、KONDO RACINGさん、GAINERさんと伝統あるチームから乗ってきましたが、イチからスタートするチームに自分が乗るという経験はしたことがなかったので、そこに自分の実力をぶつけていきたいという気持ちになりました」
参戦以来、一昨年は最高位7位、昨年はノーポイントと低迷しているチームに加わることになる安田だが、その意気込みは並々ならぬものがある。「ANEST IWATA Racingが変わったなと思われるよう、自分が責任感を持ってやりたい。GTに戻るからには中途半端なレースをしたくないですし、100%の力で精一杯やって、優勝したい、チャンピオンを目指したいという気持ちでやっていきます」と彼は力強く語る。
ただ、松浦監督が冒頭で語ったように、GT300クラスは非常に難しいカテゴリーだと言える。多種多様な車種がBoP(性能調整)の下で競うフォーマットで、そこに4メーカーによるタイヤ開発競争も絡んでくる。パッケージをまとめ上げて機能させるのは簡単なことではない。
安田は来たるシーズンに向けて、ヨコハマタイヤのポテンシャルをフルに引き出すべく、コミュニケーションを密に取りながら周到な準備を進めてパッケージを熟成させたいと語った。
「テストも制限されていますし、タイヤもワンメイクではなく、気温が2℃、3℃変わるだけでタイヤのフィーリングが変わるレースですから、エンジニアはじめとするスタッフや佑亮さん(松浦監督)と密になって事前準備をしていけば、タイヤのパフォーマンスもうまく出し切れると思っています」
「ヨコハマさんは、去年も(JLOCの88号車で)チャンピオンを獲っているので、僕たちもタイヤのパフォーマンスを出し切れれば戦えると思っています。GT300の場合は車両のBoPもあり難しい部分もありますが、しっかりと準備をしてイゴールと共に毎戦ポイントを取れればと思います」
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