フリー走行レポート

F1アイフェルFP3:ついに“走行開始”。ボッタス首位、フェラーリがトップ5に2台

F1アイフェルGPのフリー走行3回目が行なわれ、メルセデスのバルテリ・ボッタスがトップタイムをマークした。レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは4番手だった。

Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11

Valtteri Bottas, Mercedes F1 W11

Zak Mauger / Motorsport Images

 2020年F1第11戦アイフェルGPのフリー走行3回目が、ドイツのニュルブルクリンクで行なわれた。トップタイムを記録したのはバルテリ・ボッタス(メルセデス)で、タイムは1分26秒225だった。

 コロナ禍の影響を受けたスケジュール変更により、7年ぶりにニュルブルクリンクでF1が開始されることとなったが、その初日は悪天候に見舞われた。濃霧によりメディカルヘリが飛べない状況となり、FP1、FP2共にピットレーンがオープンされることはなく、各車1周もできないまま土曜日を迎えるという異例の事態となった。

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 全てのチームがデータを一切取れないまま迎えた土曜日。FP3開始直前の空は明るく、ドライコンディションでセッションがスタートしたものの、気温は8℃、路面温度は14℃と、非常に寒い状態だ。

 なお、レーシングポイントのランス・ストロールは体調が100%の状態でなく、FP3を欠場することとなった。予選以降のセッションへの参加についてはセッション後に改めて検討されるようだ。

 セッション開始と同時に、ロマン・グロージャン(ハース)を先頭に多くのマシンがガレージを離れていった。タイヤはミディアムタイヤを選択したマシンが大半で、限られた時間で多くのデータを得るためか、そのままタイム計測へと向かっていった。

 まずはグロージャンが1分38秒594というタイムを刻むと、各車どんどんとタイムを縮めていく。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はミディアムタイヤで1分30秒576をマークし、ソフトタイヤでトップに立っていたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)のタイムを約2秒更新した。

 その後アレクサンダー・アルボン(レッドブル)がトップタイムを更新すると、そこにエステバン・オコン(ルノー)、ペレスが続いた。フェルスタッペンは無線でタイヤのグリップ不足を訴える場面もあったが、1分28秒866でタイムを大幅更新してトップに立った。

 そんな中、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが最終セクターでスピン。しかしスピンターンで復帰し、事なきを得た。

 セッション最初の15分間は、ピットインを挟むドライバーもほとんどおらず、いわば“走りっぱなし”の状態でデータ集めに集中した。セッションが残り30分になると各車一旦ピットに戻り、2セット目のタイヤに交換。全車がソフトタイヤを装着し、コースに向かっていった。

 まず新品ソフトタイヤでフライングラップを完了したのはオコン。彼は全セクターで全体ベストタイムを塗り替え、1分27秒634でトップに浮上した。その後、ランド・ノリス(マクラーレン)、ダニエル・リカルド(ルノー)が立て続けにトップタイムを塗り替えていった。そんな中ジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)が最終コーナー手前の芝生にコースオフする場面もあったが、こちらもコースに無事復帰することができた。

 フェルスタッペンもソフトタイヤでアタックに入り、1分27秒071でトップタイム更新。セッションは残すところ20分となった。

 ここまで目立ったタイムを記録していなかったメルセデス勢もアタックを開始。まずボッタスが1分27秒228を記録するも、フェルスタッペンには届かず2番手。その後ハミルトンが1分27秒189でボッタスの前に出たが、ボッタスも負けじと再度アタックし、1分26秒968でトップに浮上した。

 残り15分頃にはまたコース上のマシンが減り始め、各チームが最後の予選シミュレーションに向けた準備を進めていった。そして残り10分頃からは、3セット目のタイヤを使ったタイム更新合戦となっていった。

 まずはノリスが1分27秒167で3番手に浮上。ボッタスは自らのトップタイムを大きく上回り、1分26秒225をマークした。ハミルトンもセクター1で全体ベストタイムを記録するなど順調にアタックをしていたが、ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)がホームストレート手前でスピンし、イエローフラッグが出た影響もあり、タイムを更新できなかった。

 シャルル・ルクレール(フェラーリ)はセクター1全体ベストを記録し2番手。ハミルトンも再度タイム更新にトライし、1分26秒361にタイムを伸ばしたが、ボッタスには及ばず2番手だった。

 これでセッションは終了。ボッタスが首位で、以下ハミルトン、ルクレール、フェルスタッペン、ベッテルと続いた。フェラーリはトップ5に2台が入る結果となっており、予選でも速さを発揮できるか注目だ。アルボンは9番手、アルファタウリ勢はピエール・ガスリーが10番手、ダニール・クビアトが12番手だった。

 

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順位 ドライバー 周回数 タイム 前車との差 平均速度
1 Finland バルテリ ボッタス 25 1'26.225     214.935
2 United Kingdom ルイス ハミルトン 27 1'26.361 0.136 0.136 214.596
3 Monaco シャルル ルクレール 25 1'26.681 0.456 0.320 213.804
4 Netherlands マックス フェルスタッペン 24 1'26.896 0.671 0.215 213.275
5 Germany セバスチャン ベッテル 25 1'27.038 0.813 0.142 212.927
6 United Kingdom ランド ノリス 29 1'27.167 0.942 0.129 212.612
7 Mexico セルジオ ペレス 25 1'27.245 1.020 0.078 212.422
8 Australia ダニエル リカルド 23 1'27.392 1.167 0.147 212.065
9 Thailand アレクサンダー アルボン 23 1'27.449 1.224 0.057 211.926
10 France ピエール ガスリー 28 1'27.528 1.303 0.079 211.735

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