【スーパーフォーミュラ】今や希少な“非メーカー枠”。TEAM GOHからデビューの三宅淳詞「復活劇見てもらいたい」

　2022年のスーパーフォーミュラには、佐藤蓮と三宅淳詞（共にTEAM GOH）というふたりのルーキードライバーが参戦する。中でも三宅は、他のドライバーたちとは一線を画する存在。というのも、彼は現在、自動車メーカーの契約ドライバーではないのだ。

　近年のスーパーフォーミュラは、各チームが使用するエンジンがホンダ／M-TEC製もしくはトヨタ／TRD製となっているため、ホンダもしくはトヨタのGT500ドライバーや、この2社の育成ドライバーがグリッドの大多数を占めている。三宅もかつてはホンダの育成ドライバーであったが、2019年にFIA F4でランキング2位となった後、育成枠から外れてしまった。

　そんな三宅に救いの手を差し伸べたのがMax Racing。三宅は2020年からMax Racingの一員としてスーパーGTに参戦し、2021年からはMax Racingがスポンサードする車両でスーパーフォーミュラ・ライツにも参戦した。そして両カテゴリーで印象的な速さを見せ、トップカテゴリーへの扉をこじ開けた。また三宅曰く、彼のマネジメントはMax Racingの田中哲也監督が担っており、スーパーフォーミュラでのシート獲得にあたっても田中監督が交渉を行なっていたという。

　そういった関係各所の尽力もあり、“非メーカー枠”でありながらスーパーフォーミュラのシートを獲得した三宅は、自身の武器については次のように語った。

「チームには岡田秀樹さんや伊沢拓也さんといったアドバイザーがいますが、岡田さんに言っていただけたのは、『ぶつからないのが良い』ということです。昨年のライツは順位こそ低かったですが全戦ポイントを獲っていますし、自分のミスなどによるクラッシュやリタイアはありませんでした」

「スーパーフォーミュラは走行時間も限られていて、ライツのように多く走れる訳ではないので、そういう意味で自分はリズムを崩さずに物事を進められるのではないかと思います」

Atsushi Miyake, TEAM GOH

Photo by: Masahide Kamio

　これは同じくルーキーであり、一発の速さに定評のあるチームメイトの佐藤蓮とは対照的な強みとも言える。ただ三宅も「予選で上位に行けることを目指したいです」と語るなど、自らの速さをアピールすることも忘れていない。

　そしてインタビューの最後には「僕はメーカー枠のドライバーではないので、『泥臭さ』とか、『復活』とか、そういったところを見ていただければと思います。協力者の皆さんのおかげでスーパーフォーミュラに乗れているので、自分の力を見せてまたメーカー枠に戻れるように頑張っていきたいです」と語り、意気込みを見せた三宅。彼の逆襲のストーリーはまだ完結していない。