F2王者になったのに……プルシェール、F1デビューのチャンスが薄れ嘆く「僕は準備できている」 WECやフォーミュラEにも興味

テオ・プルシェールは、F2でタイトルを獲得しながらもF1デビューのチャンスが巡ってこないことについて嘆いたが「これがF1」とも語った。一方でWECやフォーミュラEにも興味を持っていることを明かした。

Champion Theo Pourchaire, ART Grand Prix

Champion Theo Pourchaire, ART Grand Prix

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images

 アウディF1のドライバー候補のひとりと目されているテオ・プルシェール。しかし最有力というわけではなく、実際にF1のシートを獲得するのは、簡単ではないとされているが、当のプルシェールはなんとかチャンスが欲しいと語った。

 プルシェールは2023年のFIA F2でチャンピオンに輝いた。しかしF1参戦は叶わず、今季は来日してスーパーフォーミュラに参戦することになった。しかしわずか1戦走ったのみで、プルシェールはインディカー・シリーズに転向し、アロー・マクラーレンに加入。しかしアロー・マクラーレンからすぐに契約を解除されるという、厳しい1年を過ごすことになってしまった。

 プルシェールはザウバー・アカデミーの一員であり、ザウバーが2026年からアウディのワークスチームとなる上で、そのドライバーの候補のひとりである。しかし2025年のザウバーはニコ・ヒュルケンベルグの加入が決定済みで、もう1台のドライバー最有力はバルテリ・ボッタスであるとされている。その他にもF2を走るマクラーレン育成のガブリエル・ボルトレトや、ウイリアムズからF1デビューし印象的な活躍を見せているフランコ・コラピントらも、候補として名が挙がっている。つまりプルシェールがF1デビューするハードルは、あまりにも高い。

「僕は今21歳だけど、まだ若いんだ! レースに参加するのに十分若い……でも、このスポーツでは、自分に何ができるか、過去の自分が何をしたのかということについては、みんなすぐに忘れてしまうと思う」

 F1イタリアGPに、キック・ザウバーのリザーブドライバーとして帯同したプルシェールはそう語った。

「F3を始めたのだって、それほど昔のことじゃない。だから少し悲しいことだけど、僕はまだここにいる。チャンスを得るに値すると思う」

 今のF1には、F2でタイトルを獲得した経験のないドライバーも複数参戦している。プルシェールは「これがF1だ」としながらも、自分もF1に乗る準備ができていると主張した。

「外から見れば、僕の立場なら不公平に見えるかもしれない」

「例えばドルゴビッチ(2022年のF2王者で、現在はアストンマーティンのリザーブドライバーを務めているフェリペ・ドルゴビッチ)にとっても不公平だと思う。彼もF2タイトルを獲得したんだ」

「でも、これがF1の世界だ。僕はパドックに戻ってこれて嬉しいよ。そしていつかチャンスが巡ってくることを本当に願っている。僕は全てを捧げる準備ができている。このスポーツに情熱を注いでいるし、ベストを尽くす準備もできている」

「僕は何も求めない。ただ……シートとステアリングホイール……つまりF1に乗るチャンスが欲しいだけなんだ」

 前述の通りザウバーは、2026年からアウディのワークスチームとなる。そうなった後もチームに残りたいと、プルシェールは言う。

「チームにとっては非常に有望で重要なプロジェクトであり、本当に大きなプロジェクトだと思う。だから、このことがまずチームの成長に役立つことを願っている」

「確かに今は少し難しい時期になっているけど、チームは改善するだろう。全員が懸命に働いているし、アウディの助けがあればもっと良くなるだろう。そう確信している。レギュレーションももうすぐ変わるしね」

「アウディのような伝説的なブランドの大きなプロジェクトに参加することは、僕にとって夢になるだろう。そういうチームのために走る準備はできていると思う。若いけど、準備できているよ。彼らもそう確信してくれていると思っている。彼らが僕を必要とするなら、僕はここにいる」

 ただF1への参戦が叶わなかった場合に備え、WECやフォーミュラEにも目を向けていると、プルシェールは語った。

「今は何をやるべきか、それを探しているところだ。WECは本当に良い感じだよね。ほとんど全てのレースを見ているし、ル・マンはいつか出てみたいレースだ」

「フォーミュラEもそうだ。フォーミュラEも競争の激しい選手権で、他とは全く異なるモータースポーツなんだ。電動なので、ドライビングの方法が大きく違う」

「フォーミュラEのマシンは、すでにテストしたことがある。でも、とても厳しいカテゴリーだ。もし参戦するならばやるべきことがたくさんあるだろうし、ドライビング方法も仕事のやり方も異なる」

「でもそれらの選手権も、僕のターゲットであることは間違いない」

 

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