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そんなことまで!? 浜島裕英が語るミハエル・シューマッハーの常軌を逸した“ストイックエピソード”

F1で7度のタイトルを獲得し、その歴史に名を残すミハエル・シューマッハー。付き合いの長い浜島裕英氏が、彼のストイックさを物語るエピソードを話してくれた。

Race winner Michael Schumacher, Ferrari celebrates with Hirohide Hamashima, Head of Bridgestone Tyre Development

 F1通算91勝、ドライバーズタイトル7回。F1史上最も成功したドライバーのひとりとして歴史に名を残しているのが、ミハエル・シューマッハーだ。彼が非常にストイックで努力家な人間であることはよく知られている。

 そんなシューマッハーと古くからの付き合いがあるのが、かつてブリヂストンでシューマッハーのF1黄金時代を支え、現在はNAKAJIMA RACINGに所属する浜島裕英氏。実はふたりの関係は、シューマッハーがF1にデビューする前から始まっていた。

 浜島の脳裏に強烈に残っているのは、1991年にスポーツランドSUGOで行なわれた全日本F3000(現スーパーフォーミュラ)第6戦。このレースにスポット参戦したシューマッハーは、戦闘力の劣るラルト製シャシーを駆って2位でフィニッシュし、関係者を驚かせた。

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 この週末の金曜日、自らの仕事を終えた浜島は、飲食店の予約も済ませ、サーキットを出ようとしていた。まさにその時、ブリヂストンユーザーであるチームルマンの本間勝久監督(当時)が連れてきたのが、当時22歳のシューマッハーであった。

 当時の全日本F3000では、“予選用タイヤ”と呼ばれる短いライフで強烈なグリップを発揮するタイヤが開発されていた。シューマッハーは未体験のそのタイヤの特性について浜島を“質問攻め”にしたのだ。

 浜島は当時の特異な予選用タイヤについて説明しつつ、こう述べた。

「予選用タイヤは1周でダメになります。特にSUGOだと1周ももたなかったと思います」

「最終コーナーを登ってきた時にはタイヤがダメになっていると思うので、タイヤの“おいしいところ”をアタックでうまく使わないといけません」

「そういった、タイヤをどこでどう使ったらいいのかについて、内圧も含め真剣に聞きにきてくれて、ああでもない、こうでもないとディスカッションをしている間に夜遅くなって……」

 ふたりの熱いディスカッションは1時間を優に超え、ブリヂストンのブースにいるのは浜島とシューマッハーだけになっていたという。そして話が終わる頃には、サーキットは真っ暗。シューマッハーをチームルマンのガレージまで送っていった浜島は、そこで驚きの光景を目にした。

「彼をガレージまで連れて帰ったら、アンダーパネルが2枚置いてあって、自分のものと(チームメイトの)ジョニー・ハーバートのものを触っているんですよ。それで自分のメカニックに『明日これを交換してくれ』と言ったのが印象的です。それでさっさと帰ってしまったジョニーは何も知らないままアンダーパネルを換えられてしまったという……」

現在はNAKAJIMA RACINGに所属する浜島

現在はNAKAJIMA RACINGに所属する浜島

Photo by: Masahide Kamio

 その後はF1で長らく共に仕事をした浜島とシューマッハー。浜島はさらにF1時代の“ストイックエピソード”についても話してくれた。

「彼がすごいのは、オフシーズンになっても体重や体型が変わらないところです」

「ルーベンス(バリチェロ)なんかは、オフシーズンの間に食べたり飲んだりするんでしょうね。オフシーズンの間に体型が変わってシートが合わなかったり、荷重配分が変わってしまったりしてメカに怒られていました。でもマイケル(シューマッハー)はそういうことはありませんでした。もちろんオフの最初の頃は飲み食いするでしょうけど、次のテストまでにはきちんと戻している」

「あと室内でトレーニングをしていても、首の筋肉はどうしても落ちてしまうらしいんですよ。だから乗り始めの時は、タイヤの(バランス)ウエイトをもらってきて(ヘルメットに)貼ってました。それで過負荷をかけて首の筋肉を鍛え直しているのを見て、『ストイックだな』と思いましたね」

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