スカイダイビングはレースにも“効く”……ミック・シューマッハー趣味を熱く語る「1600回は飛んでる」

レーシングドライバーのミック・シューマッハーは、スカイダイビングを余暇に嗜んでいて非常に数多くのジャンプをこなしてきた。彼いわく、それがレースでの切れ味を保つために役立っているという。

Mick Schumacher, Reserve Driver, Mercedes-AMG

Mick Schumacher, Reserve Driver, Mercedes-AMG

写真:: Steve Etherington / Motorsport Images

 元F1ドライバーのミック・シューマッハーは、趣味のひとつであるスカイダイビングが、レースでの”切れ味”を保つ助けになっていると語った。

 2021~2022年にかけてハースからF1に参戦したシューマッハー。F1復帰の意思を捨てずに持ちつつ、今季はアルピーヌからWEC(世界耐久選手権)に参戦している。

 そんなシューマッハーには意外な“早口”で語る趣味がある。それがスカイダイビングだ。彼はmotorsport.comの取材を受けた際、自由な時間に何をしているのかという話となったときに、ジムやサイクリングと同じように、かなり気軽に「スカイダイビング」が好きだと答えた。

 インタビュアーの興味を惹いたその“スカイダイビング”という単語を拾った瞬間、シューマッハーは態度を変え、その趣味について熱く語ってくれた。

「僕の最初のスカイダイビングは、覚えているのが正しければ8歳か9歳のときだった。当然だけどタンデムでのジャンプだよ。基本的に上空へ上がっていたときはそんなに好きではなかったんだけど、姉がジャンプしちゃったから、僕も『ちくしょう、姉ができたなら今は僕もやらなきゃ』となったんだ」

「それで目を閉じたままジャンプしたんだ。ただその時にすごく気に入ってしまって、すぐにまた挑戦したよ」

「16歳になると自分だけでジャンプするようになった。それから1600回はジャンプして、今はライセンスも持っているんだ」

 シューマッハーによると、F1で7度王者に輝いたルイス・ハミルトンもスカイダイビングを楽しんでおり、ふたりでダイビングしたこともあるという。

Mick Schumacher, Reserve Driver, Mercedes-AMG F1 Team

Mick Schumacher, Reserve Driver, Mercedes-AMG F1 Team

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 そして、アドレナリンが“ドバドバ”出るスカイダイビングの趣味は、レーシングドライバーとしても役立つものであり、F1界のレジェンドであり父であるミハエル・シューマッハーと共有できることでもあると話した

「スカイダイビングは自分の身体についてよく知ることのできる機会というだけではなく、手、足、身体や頭、目などがどう動いて何をしているのかが分かる。そしてレースをしているときに何をすべきなのかの考えをもたらしてくれるし、天気や風についての知識も得られる」

「時には奇妙な状況に追い込まれてしまうときもあって、素早く行動する必要がある。レースからどうやって動くべきかは学んでいるけど、何度も繰り返すと役に立つ。特にマシンに乗っている時のように周りが安全ではない場合なら、なおさらにね。僕はスカイダイビングが大好きだけど、それは父と共有できるものだからでもある」

 メルセデスのリザーブドライバーを務めつつWECに参戦するシューマッハーだが、彼はF1再挑戦のチャンスを諦めていない。

 彼は証明すべきことはまだたくさんあり、批判をねじ伏せたいという思いを明かし、次のように語った。

「アルピーヌと働くことは、F1チームが僕のことをより良く知る機会になっている。よりバランスの取れたドライバーになって、いろいろな分野に挑戦することもできるんだ。それはたとえ1%だとしても、僕に(チャンスを)与えてくれるし、助けになってくれる」

「僕の今のバックグラウンドはチームに価値をもたらせると思う。自分の力を証明するためには厳しい時期も乗り越える必要があるけれど、僕はパドックで笑顔とモチベーションに満ちているよ」

「成功するまで僕は挑戦し続けるし、諦める理由は見当たらない。F1に戻ることが僕の目標なんだ。子供の頃からの夢で、諦めるつもりはない」

「まだ証明すべきことはたくさんある。僕のことをジュニアカテゴリーから知っている多くの人がいるけど、ハースでの僕の姿しか知らない人もいる。僕への判断が間違ったモノだったと証明したいことがたくさんあるんだ」

「外部に履歴書を手渡しに行く必要は無いと思う。皆、僕のやっていることを見ているからね。ただ僕が(アルピーヌの)内部でどう働いているかは知られていない。そこは秘密になっているんだ」

「僕がどれだけ懸命に取り組んでいるかが知られれば、彼らの判断もまた違ったものになるだろう」

 

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