ポールスタートも痛恨のリタイア……セッテ・カマラ「経験のないことばかりだった」
スーパーフォーミュラのデビュー戦でいきなり初ポールポジションを獲得したセルジオ・セッテ・カマラだが、決勝では国内トップフォーミュラの洗礼をあびる結果となった。
写真:: Masahide Kamio
スポーツランドSUGOで行なわれた2020全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦。ポールポジションからスタートしたセルジオ・セッテ・カマラ(Buzz Racing with B-Max)だが、決勝はリタイアに終わる悔しい結果となった。
新型コロナウイルスの影響で入国の目処が立たず、ようやく第3戦から出走することとなったセッテ・カマラ。ほぼぶっつけ本番の状態でスポーツランドSUGOでのデビュー戦を迎えたのだが、予選ではいきなりポールポジションを獲得する快挙を成し遂げ、大きな注目を集めた。
その際も「このクルマでスタートの経験がないから不安」と語っていたセッテ・カマラだが、周りに負けないようなダッシュをみせ、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の先行を許すものの、2番手をキープしレースを進めていった。
「僕が今できるベストなスタートが切れたと思う。僕にとってはスーパーフォーミュラでは最初のスタートだったし、最初の2戦は欠場しているので、慣れている他のドライバーと比べて同じようなことはできなかったけど、これまでやってきた手順を信じてスタートした。ひとつポジションを失ったけど、1コーナーではサイドバイサイドでいけたと思う。とにかくストールしないという最低限の目標はクリアできたので良かった」
そう語ったセッテ・カマラ。レース前半でも時より力強い走りを見せる場面もあったが、徐々にタイヤのグリップが苦しくなってきたようで、ピットストップ直前にペースダウン。18周目に山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)とニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM’S)に追い抜かれたところでピットに入った。
しかし、タイヤ交換で時間がかかってしまい大きくタイムロスしたセッテ・カマラは、冷えたタイヤをうまくコントロールできなかった。ピットアウト直後のヘアピンでブレーキをロックさせてしまい、そのままタイヤバリアにクラッシュし、悔しいリタイアとなってしまった。
「最初の数ラップの感触は良くて、タイヤをうまくマネジメントできていた。平川に近づきすぎないように、かつ山本に迫られないように気をつけながら走っていた。ただ、ある時からタイヤが苦しくなり始めて、ピットストップの2~3周前あたりから急にペースが落ちてしまった。そこでピットストップをすることを決めた」
「冷えたタイヤでコースアウトしたが、今振り返ると覚えていなかった細かなことがあった。例えばブレーキバイアスの調整とかだ。本当に寒かったので、タイムロスしてしまった分を埋めるためにプッシュをしたかったが、4コーナーでブレーキをロックさせてしまった。かなり驚いた」
マシンを降りた後は、頭をうなだれて落胆した表情を見せたセッテ・カマラ。何が原因だったのかはしっかりとデータをチェックしたいと語った。
「まだデータをチェックしていないから、何が原因なのか分からない。(エンジンの)回転数のところで少しおかしな点があったらしいけど、僕はクルマのせいにしたくないし、それでは意味がない。僕たちはもっとポジティブな部分にフォーカスするべきだし、視野を広く持って改善していかなければならない。今のチームはすごく雰囲気が良く、チームも僕自身も今はすごくモチベーションがある」
「前半のペースについても、データを分析する必要がある。原因がセットアップの問題なのか、それとも僕自身のドライビングの問題なのか、またはその両方か……しっかりと確認したい」
「ただ、ここまで寒いコンディションでレースをするのは久しぶりだし、僕自身あまり経験がないことばかりだった。いつもとは違う状況だったけど、レースを重ねていって慣れていくことで、満足いくものになっていくだろう。次のオートポリスに向けて、しっかりと準備していきたいと思う」
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