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「日本には“リスペクト”がある」ジュリアーノ・アレジが痛感した欧州レース界のドライさと日本レース界の誠実さ

昨年から日本を拠点にレース活動をしているジュリアーノ・アレジ。日欧それぞれのレース界を経験した彼が、その違いについて語ってくれた。

Giuliano Alesi, Kuo VANTELIN TEAM TOM’S

写真:: Masahide Kamio

 元F1ドライバーのジャン・アレジの息子としても知られるジュリアーノ・アレジは、昨年から日本を拠点にレース活動を行なっている。来日1年目となった2021年シーズンはスーパーフォーミュラ・ライツでランキング2位を獲得するなど実力を見せつけ、今季はスーパーフォーミュラとスーパーGT・GT500クラスのフル参戦シートを手にした。

 そんなアレジは女優・後藤久美子を母に持つこともあり、来日時から片言の日本語でのコミュニケーションが可能であったが、その日本語も1年で大きく上達した印象を受ける。先生などを付けて勉強した訳ではないため、文法や語彙など細かい部分はまだまだなところもあるが、日本で日本語にまみれた生活を1年続けただけあって、言葉も以前よりスラスラと出てくるようになっている。今回のインタビューも、全て日本語で受けてくれた。

「勉強もした方がいいと言われちゃったけど、正直やりたくない(笑)。言語を習いたい時は、とにかく喋る、喋る。それが一番」とアレジは言う。

 またアレジは昨年から、所属チームであるTOM'Sの工場がある御殿場に住んでおり、ほぼ毎日工場に出向いてチームのスタッフとコミュニケーションをとっている。TOM'Sの吉川沙希マネージャーはそんなアレジについて以前、「ニック(キャシディ)も御殿場にいた頃は毎日のように工場に来ていましたが、ジュリアーノに関しては差し入れを持ってきてスタッフに配ったりしているんです。外国人特有のフランクなところと、日本人特有の心遣いのあるところと、両方を持っている気がします」と評価していた。

 東京に住みたいと思ったことはあったのか? アレジにそう尋ねると、彼は次のように答えた。

「(東京に住みたいとも)思ったけど、僕は日本に住むのが初めてで、日本語も去年は特にダメだったし、チームのことも知らない。だからこそ、チームと関係を築くためにもトムスの近くに住む。それが一番良いと思った」

「去年の終わり、『東京に引っ越そうか?』と考えたけど、やっぱり僕は御殿場が良いなと思った。スーパーもあるし、コーヒーを飲むところもあるし、ジムもある。なんでもあるから、なんでわざわざ(引っ越すのか)と思う。あと静かだしね。僕は静かなのが好き。大きな街の興奮は合わない。あと東京は車で1時間くらいだから、いつでも行ける」

 日本の水にもすっかり慣れた感のあるアレジ。そんな彼は来日前、F1ドライバーを目指してヨーロッパのフォーミュラ選手権に参戦していた。フェラーリの育成ドライバーとしてGP3(現FIA F3)で好成績を収めた後、2019年にFIA F2にステップアップ。F1直下のカテゴリーで2シーズンを過ごしたが、思うような結果を残すことができなかった。

 アレジはヨーロッパのレース界の政治的な側面に嫌気が差したこともあり、今はF1を目標にしておらず、日本で地に足つけてキャリアを築こうとしている。御殿場に居を構えたことも、その姿勢の表れだろう。

 日本とヨーロッパ、その両方でレース活動をしてきた中で、それぞれの仕事の仕方にどんな違いを感じたか? そう質問すると、アレジは開口一番「ほとんど全部違う。似ているものはあまりない」として、さらにこう続けた。

Giuliano Alesi, HWA Racelab

Giuliano Alesi, HWA Racelab

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

「もちろんヨーロッパでも友達は作ったし、メカニックやエンジニアと良い関係だったこともあるけど、チームのボスとはすぐにうまくいかなくなった。それはレースに対するビジョンが違うから。彼ら(ヨーロッパ)はお金だけ。日本はビジネスよりもパッション(情熱)が強い。日本とヨーロッパのポリティカル(政治的)な部分は全然違う」

「そしてリスペクトが違う。ヨーロッパはリスペクトがないけど、日本にはリスペクトがある。すごくオネスト(正直)」

「例えば、(日本では)僕がミステイクした時、『ごめん、こういう問題があったんだ』って言ってくれる。でもヨーロッパは言わない。例えばパンクチャー(がミスの原因)なのをデータで分かっていても隠してる。『あなたのミスだ』って。いつも僕のせいにされる。ヨーロッパではそういうことがたくさんあった」

「日本では気持ち良く仕事ができる。クルマとドライバーのフィーリングが良い時はグローブと一体になるような感覚があるけど、ヨーロッパではそうならなかった」

 
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