スーパーGT SUBARU BRZ シェイクダウン

【スーパーGT】タイヤ持ち込みセット数が減ると、各チームの戦略はどうなる?……スバルの場合「腹を括って“1種類持ち込み”でもいいのかなと」

2023年シーズンから、レースウィークのタイヤ持ち込みセット数が減らされることになるスーパーGT。これにより各チームのレース戦略に影響が出ることが予想されるが、今回はスバル/STIの小澤正弘総監督にその考えを聞いた。

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

 2023年シーズンのスーパーGTにおける最も大きな変更点のひとつに、タイヤ持ち込みセット数の減少が挙げられる。この変更は今季のレース展開にスパイスを加えることになるだろう。

 具体的には、レースウィークに持ち込めるドライタイヤのセット数が昨年の6セットから今季は5セットに。ウエットタイヤも7セットから6セットに減らされた。なお今季は全8戦中、3戦が300kmレース、5戦が450kmレースとなるが、「300kmを超えるレースでは(セット数を)その都度定める」とレギュレーションに記されており、昨年のように450kmレースでは持ち込みセット数が増える可能性が高そうだ。

 とはいえ、各チームは昨年よりも少ないタイヤでレースウィークをやりくりしなければならないのは確か。これはチームのレース戦略に、具体的にどのような影響を与えるのか? 2021年のGT300王者であるスバル/STIの小澤正弘総監督に聞いた。

 例えば昨年までの300kmレースには6セットのドライタイヤを持ち込むことができたのだが、スバル/STIの場合は基本的に2種類のコンパウンドをそれぞれ3セットずつ持ち込むのが主流だったという。

 この2種類のうち、1種類がいわゆる“本命”の3セット。タイヤメーカーと共にレースウィーク当日の気温・路面温度などを予想し、これが最も機能するコンパウンドだと考えて持ち込んだタイヤだ。そしてもう1種類が“バックアップ”の3セットであり、本命のコンパウンド選びを「外した」場合の、いわば滑り止めのようなタイヤになる。

Dunlop tyre

Dunlop tyre

Photo by: Masahide Kamio

 このような持ち込み方をした場合、本命、バックアップのどちらを使うことになっても、同じ種類の3セットだけでレースウィークを戦いきることができたという。

 まず1セット目は練習走行で使用され、基本的にはここで使い切る形となる。そして2セット目は予選Q1で使用し、Q2に進出した場合は3セット目を投入する。スーパーGTでは予選で使ったタイヤで決勝をスタートしなければいけないが、例えばQ2タイヤがスタートタイヤとなった場合は、決勝第2スティントでは“1アタック品”として残っているQ1タイヤを使う、という流れだ。

 つまり昨年までは本命、バックアップのどちらかがレースウィーク当日のコンディションにマッチすれば、レースウィークを円滑に進めることができたのだ。しかし今季からは300kmの持ち込みタイヤが5セットに。本命を3セット持ち込んだ場合、バックアップは2セットしか持ち込めない。そうなると、仮に本命セットが「外れた」場合、バックアップのコンパウンドだけでレースウィークを組み立てることはほぼ不可能となってくる。

 このようにタイヤセット数が減ることで、本命のタイヤ選択が外れた場合の“保険”を十分にかけられないような状態となる。ただ小澤総監督としてはこの状況をそこまで不安視していない。むしろ割り切って本命セットを中心とした持ち込み方をすることで、以前よりも有効にタイヤを使うことができるのではないかと考えているのだ。昨年のタイヤチョイスをほとんど失敗しなかったことから来る自信も、そういった考えに繋がっている様子だ。

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT

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Photo by: Masahide Kamio

「例えば(コンパウンドの種類を)4セット1セットで分けて、レース中にタイヤが垂れちゃってしょうがない、壊れちゃってしょうがないという場合の“本当の意味での”バックアップが1セットだけある、というような持ち込み方をすればいいのかなと思ったりします」

「昨年は2種類のタイヤの内、本命を外したことはほとんどありません。ダンロップさんと共に気温・路面温度を想定しながら持ち込んでいくと、バックアップで持って来たタイヤはほとんど使わないことになります」

「その辺の予測はしっかりできるようになっているので、腹を括って(実質的な)1種類持ち込みでもいいのかなと思っています」

 というのがスバル/STIの見解だ。これには各チーム様々な考えがあるだろうが、いずれにせよ現行レギュレーションにおいては、いかに当日のコンディションを読み切るかというチーム・タイヤメーカーの分析力や予測力はもちろんのこと、コンディション変化に比較的寛容な作動レンジの広いタイヤなども今まで以上に重宝されることになりそうだ。

 
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