ライバルが皆驚愕した最強のau TOM'Sに加入。「何でも乗れる」カメレオン系、山下健太は“36号車流”に合わせる構え
2024年はTGR TEAM au TOM'Sに移籍する山下健太。スーパーGTで2度目のタイトルを獲得するために、36号車のコンセプトに順応して速く走らせることを優先事項と捉えているという。
2019年のスーパーGT・GT500チャンピオンであり、2021年から3シーズンはTGR TEAM ENEOS ROOKIEの一員として戦ってきた山下健太。2024年は心機一転、ディフェンディングチャンピオンのTGR TEAM au TOM'Sに移籍する。
36号車au TOM'S GR Supraは、2023年に坪井翔と宮田莉朋のコンビで圧倒的な強さを見せた。中でも、同一シーズンで3勝を挙げたというのは2011年以来の快挙であった。そんな36号車の一員になることについて山下は、プレッシャー以上に楽しみな部分が大きいと言う。
「去年のチャンピオンチームでドライブできることは嬉しく思います。プレッシャーはなくはないですが、坪井選手とはカートの時からよく知っていて、歳も同じです。彼の速さもよく知っているので、プレッシャーよりも楽しみの方が大きいですね」
昨年の36号車は、数あるトヨタ陣営のマシンの中でも抜きん出たパフォーマンスを見せた。もちろん陣営内で共有されていることも多々あるとはいえ、36号車のセットアップを完全コピーすれば同じパフォーマンスが出せるとも当然限らない。そのため、「36号車はなぜあれだけ速かったのか」という意見はトヨタドライバーからも口々に出ていた。
そんな36号車の速さの秘訣を知れることについて尋ねられた山下はこう語った。
「いつも36号車が速い理由は気になっていたので、それを知れることは嬉しいというか、いつも速かった人たちがどういうことをやっていたかはすごく興味がありますね」
「ただそれよりも、自分はそのクルマに乗って速く走ることに集中して取り組みたいですね」
上記のコメントにもあるように、山下は坪井や吉武聡エンジニアらが築いてきた“36号車のやり方”に自分の意見を次々組み込んでいこうとは考えていない。それは36号車陣営のエンジニア体制に対する信頼と、「どんなマシンでも乗りこなせる」という自信の裏返しとも言えるだろう。
Photo by: Masahide Kamio
#36 au TOM'S GR Supra
「吉武エンジニアと坪井選手はF3時代から一緒にやっていると思いますが、そこに自分がどんどん入っていってクルマを自分寄りにしていこうという気は全くありません。吉武エンジニアと坪井選手が進めてきているものに乗せてもらって、速く走るということが今年自分が考えていることです」
「ふたりの作るクルマは間違いなく速いと思うので。自分があまりにも乗れないという場合は言うかもしれませんが、自分も何でも乗れるタイプなのであまり心配していません」
対して、同い年の山下を追いかけるようにしてトップカテゴリーにステップアップし、2021年、そして2023年と36号車でシリーズタイトルを獲得した坪井も、同じような考えを持っている。坪井は、山下に「36号車のやり方」に馴染んでもらえれば、今年も結果が出せるはずだと語った。
「タイヤのセット数などのルールも変わるのでアプローチの仕方は変わるかもしれませんが、エンジニアが吉武さんである以上、やることは基本的に変わらないと思います」
「吉武さんとの付き合いも長いですし、これまでの3年間でやってきた方向は決して間違っていなかったと思うので、その流れを山下選手に経験してもらえればと思います」
「山下選手の速さ、強さには全く問題ないことは分かっています。36号車のやり方に馴染んで貰って、あとは強力なエンジニアチームに任せて僕たちは僕たちの仕事をすれば、今年も結果が出せると思います」
1月下旬のセパンテストでも、開発車両の90号車に乗って走行を重ねることになる山下。これまでにも山下は、GRスープラは特に日産Zと比較してパフォーマンス面で改善すべき点があると主張していたが、36号車の一員である以上、マシンのことは言い訳にならないという思いもあるという。
「スープラに関しては、これまで足りなかったところに取り組んでいるので、良い方向に行くはずだと思っています」
そう山下は言う。
「ただ、去年の36号車はスープラ勢が苦しんでいる中でもチャンピオンを獲得したので、多少クルマが悪かったとしても、それは言い訳にならないと思います。36号車に乗るのであれば、チャンピオンをとらないといけません」
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