アウディF1、提携先ザウバーの成績は「受け入れられない」新首脳ビノットは最下位沈む現状に厳しい評価
アウディF1首脳は、2026年から手を組むザウバーがアウディワークスとしての提携を開始するまでに成績を改善する必要があると明言した。
Zhou Guanyu, Stake F1 Team KICK Sauber C44
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
アウディのF1プロジェクトでCOO兼CTOを務めることとなったマッティア・ビノットは、提携先となるザウバーの現在のパフォーマンスが「受け入れることができない」モノだと認めた。
アウディは、スイス・ヒンウィルに拠点を置くザウバーを買収し、新テクニカルレギュレーションがF1に導入される2026年からワークス体制でF1に新規参戦することとなっている。それに向けて、アウディはドイツ・ノイブルグの拠点で次世代パワーユニット(PU)を開発しつつ、チームの基盤づくりに取り組んでいる。
ただ、そのザウバーの成績はアウディの理想とは程遠いモノになっている。2024年のシーズン後半戦を迎えた時点で、10チーム中唯一ポイントを獲得できておらず、コンストラクターズランキングでは最下位に沈んでいる。
2年後にアウディワークスとなれば、状況は切り替わりチーム運営は大きく変わるだろう。しかしビノットは現在起こっていることを無視することはできないという。
「受け入れられないことだ」
イタリアGPでビノットはそう語った。
「このチームは将来、勝てるチームにならなければならない。そのための唯一の方法は、上を目指して前進することだ。将来のために”筋肉”を鍛える必要がある」
「我々は間違いなく改善する必要があると思う。チームにとっても重要なことだ。ブランドにとっても、パートナーにとっても重要だ。今のポジションをどうにか受け入れるわけにはいかない」
ビノットは、アウディ/ザウバーをレースで優勝争いができるようなポジションに引き上げるためには、長期的にやるべきことはたくさんあるとしながらも、現在の調子を好転させるためには大きな1歩を踏み出す必要があると説明した。
「ザントフールトのレースやここ(イタリアGP)の予選では最下位とブービーで、ポジションや前のマシンからの差も同じだった。だから改善に力を注ぐ必要がある」
「短期的なモノから中長期的なモノまで、全ての優先順位と取り組みのバランスを取る必要がある。でも、今回の順位が我々にとって心地の良いモノだとは全く思っていない。非常に苦しい状況だ」
「言ったように、我々は自分たちの筋肉を鍛える必要があるし、しっかりとした土台は1日してならず、改善する必要がある。チームは毎日毎日、1歩1歩前進し続けなければならない。できるだけ早く始めなければいけない」
Audi CEO Gernot Dollner and Mattia Binotto, CEO and CTO, Stake F1 Team KICK Sauber
Photo by: Andy Hone / Motorsport Images
ビノットは8月1日付けで正式にアウディ/ザウバーで稼働を開始。ここ数週間は現状の評価を行なってきた。
そしてビノットがフェラーリ代表時に経験したような、レースで勝てる運営体勢にチームを進化させるには、非常に多くの作業が必要だという評価を下した。
「数週間では、全てを見ることはできない」とビノットは説明した。
「確かに、シャシーに関してはヒンウィルで、PUに関してはノイブルグで発見したり見たりした第一印象しかない」
「素晴らしい人材がいると思う。優勝できるチームになるための明確な意図と目標がある。しかし、やるべきことが沢山あるというのは確かだ」
「我々は長年F1に参戦しているチームと戦っている。彼らは大きな組織で、上から下まで幅広い。そして、我々はそうではない」
「人材、組織、ツール、プロセス、方法論、設備など、あらゆる面でレベルアップする必要がある。ヒンウィルでやっていることと、ノイブルグでやっているPUに関することを融合させる必要がある」
「勝てるチームになるためには何が求められるのか、マインドセットを変える必要があるから、文化や考え方の問題だ」
ビノットは、アウディがF1で成功を収めることができる準備が整うまで数年はかかると見ている。
そしてアウディのゲルノット・ドルナーCEOは、F1挑戦プロジェクトをより深く理解するにつれて、勝つためには当初考えていたよりも長い時間がかかる可能性があることを認めた。
「F1プロジェクトは本当に長期的なモノだと考えている」とドルナーCEOは語った。
「私がアウディに加入した後の昨年9月、我々はプロジェクトの評価を行ない、自分たちが見つけたセットアップに行き着いた。そして、より現実的なタイムラインの再設定も行なった」
「どのように解決するか、まだいくつかの点について議論している最中なので詳細は言えないが、タイムラインに関してはかなり現実的だと思う」
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