2030年までに”ネットゼロ化”目指すF1、目標達成まであとどのくらい? 2年で排出量17%削減も「やるべきことはまだたくさん」
F1は2030年までにカーボン・ネットゼロ化を達成するという目標に向けて順調に前進していると明かし、今後さらに多くのことを成し遂げようとしている。
2030年までのカーボン・ネットゼロ化(二酸化炭素排出量の実質ゼロ化)を目標に掲げているF1。その取り組みの最初の2年間となる2021年までに、二酸化炭素排出量は2018年と比べて17%削減されたという。
2030年までにネットゼロ化するというF1の目標は、FIAやチーム、プロモーターなどの利害関係者も参加したF1による1年にわたる調査の後、2019年11月に発表された。
二酸化炭素の継続的な削減は、新技術の導入だけではなく、イベント運営方法の変化にも基づいている。
F1の環境・社会・ガバナンス責任者であるエレン・ジョーンズは、次のように語った。
「2030年までにネットゼロを目指すということは、(二酸化炭素の)排出量を最低50%削減しなければならないことを意味する」
「2030年まであと7年、やるべきことはたくさんある。そして、現在利用可能な様々な技術を使用しなければならない」
「我々が使える最後の排出量データは2021年のものであり、2018年をベースラインとして17%の削減となった。素晴らしいことだ」
「だがシーズンごとに内容にも変化があるので、毎年比較できるようにしなければならない。だから現在、2022年のデータを集めているところだ」
2026年から使用される次世代パワーユニットがカーボンニュートラル燃料を使用するのは、このプログラムの重要な柱だ。しかし、それだけでは目標達成には遠く及ばない。
「我々のサステナビリティ戦略には3つの柱がある」とジョーンズは言う。
「ひとつは2030年までにカーボン・ネットゼロ化を実現すること。ふたつ目はより持続可能なイベントを開催することだ。そして3つ目はスポーツをより多様で包括的なものにすることだ」
「2030年までのネットゼロというのは、どういう意味を持っているのか? それは絶対的な排出量を50%削減し、2026年までに持続可能な燃料を供給することを意味する」
「また、より多くの選手が、自分たちの二酸化炭素排出量を削減するために、直接的な行動を起こすことができるようにすることを意味するんだ」
「10チーム、レースプロモーター、F1のロジスティックスなどすべてが、どうすれば二酸化炭素排出量を削減できるかを考えている。例えば、再生可能エネルギーへの切り替えなど、すぐに実行できる変更もある。我々F1もオフィスで導入しているし、F1の10チームすべてが導入している」
「放送の遠隔化のような大きな変化もある。以前はサーキットで行なわれていた活動が、今では英国のケントで行なわれるようになった。制作スタッフの大部分は移動する必要が無くなったんだ」
「貨物や人員の移動は重要な分野だ。我々の二酸化炭素排出量における重要性を考えると、レース燃料によるものは1%にも満たないんだ」
「サステナブルな燃料は重要なピースだ。これは世界中の駐車場すべてに影響を与える技術革新に目を向けることを意味する。しかし、2030年までにどうやってネットゼロを実現するかといえば、排出量の3分の2は移動や輸送なんだ」
「2030年までにネットゼロを達成するためには、我々のオペレーションをどのように大きく変え、輸送量を減らし、移動距離を短くし、移動するものを軽量化したり見直したり、地元で調達できるようにするかということを検討することになる」
「そしてこれらの行動は、テクノロジーの変化に依存するものではない。F1関係者のひとりひとりが自分の役割を理解し、自分の決断が2030年のネットゼロにどのような影響を与えるかを理解してそれを変化させる必要がある」
「そして技術革新は素晴らしいものだ。我々がステップアップではなく、ジャンプアップするのを助けてくれるんだ」
F1は、ロジスティクスにおけるパートナーであるDHLとも二酸化炭素の排出量削減に取り組んでいる。航空貨物の輸送をボーイング747からより効率の良い777に変更したり、最近ではバイオ燃料で動くトラックを導入している。
「どうやって排出量の削減を実現するかという点で、3つの重要な手段があるが、それは移動距離・移動手段・移動量だ」
「この3つ全てに答えを出さなくてはいけない。我々F1世界選手権はそのひとつひとつの側面に取り組んでいくことになる」
「それぞれのピースに対して、それぞれの答えがある。海上輸送は可能なのか? 地域の拠点を使うことができるのか? そしてカレンダーも同様だ」
ジョーンズは、レースプロモーターが協力し、自分たちに都合のいい従来の日程に固執してはならないと強調した。
F1は以前から、カレンダーを整理しグランプリの地域と時期をまとめることで輸送や移動のコストや労力を削減しようとしているのだ。
「カレンダーの観点からは、合理化が重要な目標であることはよく理解している。そしてそれは、我々のCEOであるステファノ(ドメニカリ)が提唱していることでもある」
「そして、それにはプロモーターとのパートナーシップが重要になってくるんだ。(そのグランプリ独自の)カレンダーと開催時期は、非常にエモーショナルなトピックになりうる。それが休日だったりね。いつの時代も同じだ」
「しかし我々は、より持続可能なイベントを開催し二酸化炭素排出量を削減し、すべての変数のバランスをとることができるように、その変化の旅に彼ら(プロモーター)を一緒に連れて行く必要がある」
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