ミシュランのF1復帰を阻む2つの障害。それでもギリギリまで入札検討?
2006年にF1から撤退したミシュランは、2020年からのF1復帰を2つの要素が阻んでいると説明した。

ミシュランは、F1の新しいタイヤ入札において、グランプリレース復帰を妨げる2つの要素があると説明した。
F1は2020年から4年間、タイヤを供給する公式サプライヤーを決める入札を開始した。2006年にF1から撤退したミシュランは、FIAが最近発表した2020年からのタイヤレギュレーションの評価を進めている。
かねてより、ミシュランはホイールリム径を13インチから、市販車の実情により近い18インチに拡大するなら、F1への復帰を検討すると主張していた。今回の入札にあたり、F1はレギュレーションが大幅に刷新される2021年から18インチのホイールを導入することにしており、ミシュラン復帰の最低条件が整った形だ。
ミシュランも、復帰に向けてオープンな姿勢をとっているものの、FIAが発表したタイヤレギュレーションの中に、ふたつの大きな懸念事項があるという。
まずひとつ目は、ホイールが18インチになるのは2021年からであり、今回の入札を勝ち取ったメーカーがタイヤを供給するのは2020年からということ。つまり、2020年の1年間だけ現行のホイールリム径13インチサイズのタイヤを作らなければならない。この事実に、ミシュランは不満を持っているのだ。
ミシュランの広報担当はmotorsport.comに次のように語った。
「我々が13インチのホイールに反対しているのは、我々のビジョンに合っていないからだ。その上で、1年だけ13インチのホイールのためにタイヤを作らなければならないのは、時間とお金の無駄であり、これはかなり大きな障害だ」
それに加えて、ミシュランはFIAがタイヤ性能の低下が激しいタイヤを要求していることにも満足していないようだ。
FIAは、多くのレースでピットストップが2回以上行われることを望んでおり、パフォーマンス劣化が大きいタイヤでこれを達成しようと、技術要件を定めている。
しかしミシュランは、スティントを通じて優れたパフォーマンスを発揮するタイヤを作ることで、メーカーとしての能力を示し、ドライバーが全力でレースをできるようにすることが好ましいと感じている。
「数周走っただけで摩耗するようなタイヤは、我々が目指すものではない。我々は、性能劣化が激しいタイヤのファンではない」と、ミシュラン広報担当は付け加えた。
このような懸念があるにも関わらず、ミシュランは今後数週間に渡ってFIAの提示した計画を評価し、入札するかどうかをギリギリまで検討していく可能性が高い。
入札に参加するタイヤメーカーは、8月31日までに入札を行い、その後9月14日までに技術的な決定や、安全性に関する決定などが行われる。
F1レースディレクターのチャーリー・ホワイティングは先週、13インチホイールのシーズンが1年だけ入札期間に入ってしまうのは理想的ではないと認めたが、回避する方法がなかったと話した。
「タイヤ入札は4年間であり、そのうち新しいサイズのタイヤが供給されるのは2021年からの3年間になる」
「既存の契約を延長することができれば、おそらく話は簡単だっただろう。我々の法務部門と今のサプライヤー(ピレリ)の法務部門で議論があったが、延長は不可能だった」
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