メルセデス代表、ハミルトン”電撃引退”の可能性は否定せずも「一緒にできることはまだある」
メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、ルイス・ハミルトンが引退を選ぶ可能性を否定しなかったが、一緒にできることはまだあると語った。
メルセデスのF1ドライバーであるルイス・ハミルトンは、2020年シーズンも圧倒的な強さを発揮し、自身7度目のチャンピオンに輝き、ミハエル・シューマッハーが持っていた7回というタイトル獲得最多記録に並んだ。
しかし一方でその支配力の大きさから、ハミルトンの成功は純粋なドライバーの才能というよりも、マシンとチームに起因するのではないかと疑問視する声もある。
2014年から7年連続でダブルタイトル獲得という偉業を達成したメルセデスにおいて、ハミルトンが果たした役割について訊かれたトト・ウルフ代表は、チームとドライバー、どちらも最も重要な要因に挙げることはできないと答えた。
一方で、ウルフはトップドライバーがチームにもたらすポジティブな効果は、コース上での速さだけではないと主張した。
「一次元的な話ではないんだ」
「F1は常に、ベストマシンに乗ったベストなドライバーが勝つことを目指してきた。ベストなドライバーとは、最も速く、最も賢いドライバーのことなんだ」
「それはチーム内のダイナミクスや技術力を理解している者であり、自分を中心にすべてがまわっている”太陽”ではなく、組織の中で適切なポジションを見出すことができる者なんだ」
「同様にドライバーを取り巻く組織も、様々な分野でパフォーマンスを発揮するためには絶対的にベストな仕事をしなければいけない。技術面でも商業面でも、政治やコミュニケーションの面でもね」
「これは、業界内を含めてほとんどの人が考えているよりも正解のない仕事なんだ。チームが成功するためには、すべてが適切でなければならない」
メルセデスとハミルトンは、未だに契約を延長していない。両者の話し合いはプレシーズン直前まで続くかもしれないが、ウルフは2016年にニコ・ロズベルグが突然引退を決めたように、ハミルトンが突如として引退を決めることを恐れていないと語っている。
「私は常にルイスの決断を尊重しているから、まったく心配していないよ」
「彼が我々と長く一緒にいるのか、それともこのスポーツを離れて別の興味を追求するのか。我々に投げかけられる、あらゆる種類の”カーブボール”に対応する準備をしておく必要があると思う」
「しかし同時に、我々はよく話し合っているし、お互いにとても透明性がある。一緒に達成すべきことはもっとあると思う」
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