ティクトゥム、”ナイトレース”の東京E-Prixを制す。敗者デニス、ティクトゥムからの”停戦交渉”がなければ「勝っていたのはキャシディだろうね」
クプラ・キロのダニエル・ティクトゥムが、フォーミュラEの東京E-Prixを勝利。レース中の無線での”停戦交渉”が話題になった。
Jake Dennis, Andretti Formula E
写真:: Takashi Aoyama / LAT Images via Getty Images
フォーミュラEの東京E-Prixのレース1を制したのは、クプラ・キロのダニエル・ティクトゥムだった。ティクトゥムはレース中に無線で「ジェイク(デニス/アンドレッティ)に僕と戦わないようアドバイスしてくれ」とチームに訴えたが、そのデニスを最終ラップに抜いての勝利……その真意について語った。
ティクトゥムは予選6番手からレースをスタート。残り10周というところで先頭に立っていた。しかし後方からはアタックモードを使ったデニスが急接近。残り7周というところでティクトゥムを交わし、ついに先頭に立った。
しかし32周目、ティクトゥムこんな無線を発信した。
「デニスに、戦うなってアドバイスしてくれ! 後続にチャンスを与えたくないんだ」
アンドレッティ側はこれに応じる形で、デニスに「危険なブロックは必要ないよ」と伝えた。まるで紳士協定が締結された、そんな印象であった。
しかし結局ティクトゥムは、最終ラップにデニスをオーバーテイクして優勝”してしまった”。
これについてティクトゥムは、次のように説明した。
「ジェイクは残り7〜8周というところでペースを上げ、トップに立った。でも僕らは似たようなペースだったから、お互いにミスをして、他のみんなを巻き込むようなことはしたくなかったんだ」
そうティクトゥムは語った。
「戦略的な観点から言えば、このレースに向けた準備がとてもうまくいったということだったと思う」
「僕らはエネルギーを使いすぎることはなかったけど、ギリギリのところで走っていた。そして最後の数周でデニスが前に出た後はペースを合わせ、彼の後ろでエネルギーを温存することができたんだ」
「その時点では、2位でかなり満足していた。無線でのメッセージの意図を、彼は理解してくれなかったみたいだ。でもジェイクは間違いなく賢いレーサーだし、僕らはお互いに尊敬し合っている。だから彼は、僕のエネルギーが足りないことを理解していたはずだ」
「そして彼もエネルギーが残り少なかった。実際にターン16の前でエネルギーが切れてしまった。とにかく、あのタイミングで過剰にエネルギーを使うことを避けたのは、懸命な判断だった」
一方で敗れたデニスは、ティクトゥムからの提案がなければ、ニック・キャシディ(シトロエン/3位)が勝利を手にしていただろうと語った。
「最終的には、ダンが僕に指示を出していなければ、ニックがレースに勝っていただろうね」
そうデニスは語った。
「ふたりとも減速していたら、ニックの勝ちだった。つまり彼は、僕を追い抜くために、正しいことをしたということだ。最後、もう少しアグレッシブにブロックできたかもしれないけど、そうしたらクラッシュに繋がっていたかもしれない」
「チームとしては重要な情報を見逃してしまったかもしれないけど、まあ仕方ないよ」
ティクトゥムは今季ここまで、非常に厳しいシーズンを過ごしてきた。入賞は僅かに2回。ポールポジションは2回獲得しているものの、いずれもレース結果に繋がらなかった。そのため、来季の去就も不透明な状況である。
「この勝利は、本当に待ちに待った瞬間だった」
そうティクトゥムは語った。
「シーズンを通じて、チームが僕のことをあまりよく思っていなかったことは明らかだった。意見の相違もあった」
「それはもう過去のことだけど、それでもまだ、チームの扱い方に100%納得しているわけではないし、僕はまだ来季の契約を結んでいるわけじゃない」
「来年、もし僕を必要としてくれるチームがいるなら、連絡を待っているよ」
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